タグ

ブックマーク / akamac.hatenablog.com (9)

  • 550ジェームズ・スタンロー著(吉田正紀・加藤将史訳)『和製英語と日本人――言語・文化接触のダイナミズム――』 - akamac's review

    書誌情報:新泉社,298頁,体価格2,500円,2010年7月25日発行 和製英語と日人―言語・文化接触のダイナミズム 作者:ジェームズ スタンロー発売日: 2010/07/01メディア: 単行 - 日常の日語には英語由来の外来語・文章が5〜10%を占めているという。「日ほど英語が広く使われている非英語圏の国はない」(5ページ)。書で紹介されているある調査(1996年)によれば,子ども向け漫画で18%,成人向け週刊雑誌では12%の英語語彙だった。日語の乱れの表れとして,また英語帝国主義批判の文脈から,英語話者には通じないことの多い和製英語(カタカナ英語)の氾濫が問題視されることになる。 アメリカ人言語人類学・認知人類学者の手になる書は,「一つのよそ者の見方を提示」(「日語版あとがき」,291ページ)した日語論だ。英語英語由来の外来語の使用例,Jポップ(これも和製英語

    550ジェームズ・スタンロー著(吉田正紀・加藤将史訳)『和製英語と日本人――言語・文化接触のダイナミズム――』 - akamac's review
  • 552堀内一史著『アメリカと宗教――保守化と政治化のゆくえ――』 - akamac's review

    書誌情報:中公新書(2076),iv+280頁,体価格840円,2010年10月25日発行 アメリカと宗教―保守化と政治化のゆくえ (中公新書) 作者:堀内 一史発売日: 2010/10/01メディア: 新書 - 2009年1月20日,オバマ新大統領の就任式では二人の牧師が祈祷した。人工妊娠中絶や同性婚に反対する保守派のリック・ウォレン牧師と黒人で合同メソジスト教会ジョセフ・ローリー牧師だ。プロテスタント牧師であることでは共通している。また,大統領就任直後大統領令を出し,ブッシュ政権時の「信仰およびコミュニティに基づくイニシアティブ」を発展させ,「信仰に基づく組織および近隣組織とのパートナーシップ」の助成金によって社会福祉事業だけでなくエイズ・国際紛争対策を教会や慈善団体主導でおこなう体制を整えた。「チェンジ」を訴えたオバマだが,歴代大統領と同じように宗教と宗教団体には慎重で強かな配慮を

    552堀内一史著『アメリカと宗教――保守化と政治化のゆくえ――』 - akamac's review
  • 520三鍋昌春著『ウィスキー 起源への旅』 - akamac's review

    書誌情報:新潮選書,267頁,体価格1,200円,2010年4月25日発行 ウイスキー起源への旅 (新潮選書) 作者:三鍋 昌春新潮社Amazon - われわれおじさん世代の青春時代の酒といえば,ウィスキーか日酒かビール――瓶ビールだけで圧倒的にキリン,ただし大勢で飲むときにはサッポロ・ジャイアント――である。なかでもウィスキーはサントリーとニッカが双璧で,仕送りや奨学金が入るとサントリーの角やオールド,またはホワイトのボトル・キープでつかの間のリッチ感を味わうのだった。ウィスキーの出荷量は1983年をピークに右肩下がりだったが,われわれも愛飲した,ウィスキーをソーダで割るハイボールで人気復活だ。 このにはそのウィスキーが仕込んであるようだ。サントリーでウィスキー造りにかかわってきたプロによるウィスキーのですっかり酔ってしまったからだ。「ウィスキーの酔いは清酒やビールとは違って,飲

    520三鍋昌春著『ウィスキー 起源への旅』 - akamac's review
  • 402ヨハン・モスト原著カール・マルクス加筆・改訂(大谷禎之介訳)『マルクス自身の手による資本論入門』 - akamac's review

    書誌情報:大月書店,208頁,体価格2,200円,2009年10月20日発行 マルクス自身の手による資論入門 作者:ヨハン・モスト発売日: 2009/10/01メディア: 単行 - マルクスが生きていた時代のこと,ヨハン・モスト――当時のドイツ社会民主労働者党の活動家だったが,反戦デモを理由に囚われていた獄中で資論の入門書を書いた――は,『資論』第1巻からの抜粋に加筆してパンフレット『資と労働――カール・マルクス著『資論』のわかるダイジェスト――』を出版した。1874年のことだった。社会民主労働者党の指導者リープクネヒトの要請をうけて,マルクスはみずから改訂作業をして,「改訂第2版」を1876年に刊行する。ただ,マルクスが改訂作業をおこなったことについては記載されていなかった。その後多くの誤植以外には修正や加筆のないマルクス自用が発見されるにいたって,100年後の1984年

    402ヨハン・モスト原著カール・マルクス加筆・改訂(大谷禎之介訳)『マルクス自身の手による資本論入門』 - akamac's review
  • 387松尾匡著『商人道ノスヽメ』 - akamac's review

    書誌情報:藤原書店,279頁,体価格2,400円,2009年6月30日発行 商人道ノスヽメ 作者:松尾 匡藤原書店Amazon - 身内集団原理(武士道)と開放個人主義原理(商人道)――ジェイン・ジェイコブズにしたがえば「統治の倫理」と「市場の倫理」――を社会関係の二大原理とおさえ,江戸時代の商人道の現代的意義を高らかに宣言している。石田梅岩や近江商人にみられる商人道はプロテスタンティズムに比肩できるほど封建社会の一般庶民の道徳・倫理であり,江戸時代には立派に存在していた(江戸時代の「プロテスタンティズム」)。著者は,明治維新以降押さえ込まれていた商人道の現代での復権を主張する。 いまひとつの理解のポイントは,武士の身内集団倫理観を学校教育によって強制し,逸脱を正当化し大目にみる「大義名分ー逸脱手段」システムである。戦争も私利私欲も小林よしのりもすべてこの図式になる。押さえ込まれた商人道

    387松尾匡著『商人道ノスヽメ』 - akamac's review
  • 059フェミニスト経済学(18世紀) - akamac's review

    では法学分野では2003年にジェンダー法学会が,経済学分野では2004年にフェミニスト経済学フォーラム(ホームページはまだないようだ)が設立されている。後者は1992年に設立された国際フェミニスト経済学会(IAFFE)と連動しており,フェミニスト経済学が日においてもようやく始動したといえるだろう。 今回紹介するのは,Edith Kuiper (Universiteit van Amsterdam, University of Amsterdam) 作成の 'Political and Feminist Economists' だ。作成者は,経済思想史,フェミニスト経済学,女性論・ジェンダー論の研究者。下記のような18世紀の政治経済学者およびフェミニスト経済学者について,著作,生涯,二次文献,著作のデジタルテキスト,ウェブ情報などを提供している。General Resources

    059フェミニスト経済学(18世紀) - akamac's review
  • 031エレーヌ・カレール=ダンコース著(石崎晴巳・東松秀雄訳)『レーニンとは何だったか』 - akamac's review

    書誌情報:藤原書店,686頁,体価格5,700円,2006年6月30日 レーニンとは何だったか 作者: エレーヌカレール=ダンコース,H´el`ene Carr`ere d'Encausse,石崎晴己,東松秀雄出版社/メーカー: 藤原書店発売日: 2006/06メディア: 単行購入: 2人 クリック: 29回この商品を含むブログ (3件) を見る - 著者は,『崩壊した帝国』においてソ連崩壊を10年前に予言した。当時はまだソ連研究に制限があったが,今回はその後に公表された多くの秘密資料の分析が生かされているという。 善良な革命家レーニンと歴史の必然を持って地球上にあらわれたロシア革命という神話に挑戦すると同時に,スターリンの罪悪の源泉をレーニンに帰着させる。レーニンの1870年代の修行時代から職業的革命家および革命前の時期を経て革命後の国家形成まで追跡することによって,民衆蜂起の成果を

    031エレーヌ・カレール=ダンコース著(石崎晴巳・東松秀雄訳)『レーニンとは何だったか』 - akamac's review
  • 018ノーベル経済学賞受賞者の傾向を色分けしてみる - akamac's review

    田中さん(Economics Lovers Live)「スウェーデン切手からみるノーベル経済学賞」(http://d.hatena.ne.jp/tanakahidetomi/20070329)へのフォロー。『朝日新聞』2002年11月30日の「be Report」欄に「なぜとれないノーベル経済学賞」の記事が載ったことがある。「少ない論文・競争・宣伝」と「受賞は米国人に偏る」の見出しのもと,日から経済学賞が出ない理由と受賞者の6割がアメリカ人であることを解説している。この記事をスクラップしていたのは,ノーベル経済学賞の受賞者を市場重視か,政府の役割重視かで7段階に色分けした資料があったからである。この作成者がほかならぬ田中さん。7段階にはならないが,市場重視か,政府の役割重視かで色分けし,さらに受賞者のエピソード――たとえば,94年受賞のNashは,シルヴィア・ナサー/塩川優訳『ビューティ

    018ノーベル経済学賞受賞者の傾向を色分けしてみる - akamac's review
  • 010重田澄男著『資本主義を見つけたのは誰か』 - akamac's review

    書誌情報:桜井書店,308頁,体価格3,500円,2002年4月5日,asin:4921190151 初出:経済理論学会第50 回大会(岐阜経済大学)第9 分科会:書評分科会報告,2002年10月19日 - はじめに 「ヨーロッパ諸国における膨大な文献(著書,論文,新聞・雑誌記事,パンフレット等々)において,誰が『資主義』という言葉を初めて使ったかについて確定することはきわめて困難であるにしても,書物として公刊された叙述にかぎってみても,『資主義』という用語が初めて使用された文献と著者についての見解はいまだ確定していない,といえるようである」(「序章」21ページ。ボールド体:赤間) 「(前略)『資主義』を最初に見つけたのはマルクスである(後略)」・「(前略)用語としての『資主義』という言葉そのものの発見者は,マルクスではない。『資主義』という言葉そのものの最初の発見者は,現在ま

    010重田澄男著『資本主義を見つけたのは誰か』 - akamac's review
  • 1