第6回 中国の「人権」の話をしよう 2010年ノーベル平和賞の衝撃 10 月初めに発表された2010年のノーベル賞に際して、中国の民主化運動の中心人物である劉暁波の平和賞受賞のニュースが中国の内外で大きな波紋を投げかけたことは記憶に新しい。受賞が発表された瞬間、共産党政権に批判的な中国人ネットユーザーが多数アカウントを登録しているツイッターのタイムラインでは、「祭り」といってよいほどそれを歓迎する中国語の書き込みが相次いだ。ちょうどその時期日本を訪問していたジャーナリストの安替(マイケル・アンティ)は、東京のモンゴル料理店で仲間たちと受賞を祝い、中国の民主化を願ってテレサ・テンの「月亮代表我的心」を合唱した、という「つぶやき」を残している。 劉の受賞は日本のマスコミにおいても異例の注目を集め、その思想的な背景についての紹介がなされると共に、長らく絶版になっていた彼の旧著『現代中国知識