バージニア州上院議員、ジョージ・アレンが驚き落胆するのも当然だ。1年前、ナショナル・レビュー誌の表紙で、アレン氏はその“素朴な性格”により“合衆国の次期大統領になる可能性が極めて高い”と評されていた。ところが今、彼の政治生命は終わろうとしている。 アレン議員を台無しにしたのは、“マカカ”や、イラク戦争だけではない。財界エリート達のお気に入りであるアレン氏は、拡大する格差問題を論点にする相手と対決したのである。そして、噛み煙草好きで、フットボールファンで、減税派で、社会保障民営化支持派のアレン上院議員は、真の庶民派に敗北を喫した多くのニセ庶民派の1人にすぎなかったということだ。 保守派運動の下で、共和党は有権者の大多数を犠牲にして、少数の富裕なアメリカ人達のために尽くしてきた。この現実を隠すために、保守派は論点をすり替え課題を変え続け、さらに卓越したマーケティング活動によって、民主党支持派を