喫茶店にて。 麻草「森川ジョージをもっと評価しようぜ!だって『はじめの一歩』がすげえんだよ、最近」 友人「へえ」 麻草「まず沢村VS間柴ね、ここで描画に変化が出た。カミソリ、皮一枚、弾丸…そういう比喩表現をそのまま絵にしちゃうんだ、そこの描線が優れていてね、今週のマガジンでは一歩と間柴がスパーをするんだけど、鋭いジャブで一歩のヘッドギアがゼリーみたいにはじけるんだよ、でも次のコマでは元に戻ってる、つまり表現のレベルでファンタジーバトルに近い描写をしてるんだ。ファンタジーバトルが好きな、今の読者のニーズに合わせてるってわけ。もちろん前から必殺技のあるボクシングマンガではあったんだけど、それが描画に及んだってのが革新的なわけよ」 友人「ふうん」 麻草「他にも後輩の板垣って奴が超動体視力の持ち主でね、相手が止まって見えるんだ、それを数十話の中で伏線をはって、丹念に描く!やってることは地味なんだけ