157. 進化論論争(再) 杉田荘治 はじめに アメリカでは進化論批判の風潮が強まっている。 “聖書地帯”と呼ばれる地域や南部その他そのような考え方の地域のみならず、今や アメリカ全土に亘って進化論を批判し創造説も公立学校で教えることが必要であるとす る風潮が広がりをみせている。 9:11事件以降、アメリカは“内なるアメリカ”に向かっているといわれるが、これもその一 つの現れであろう。 この問題については先に第147編でカンザス州のケースを述べた が、最近New York Times紙などが論じているので、まずそれらの要点を記し、その後、 全米科学教育センター(NCSE)がこの傾向に危機感を強めているので、その記事から 具体的事例も含めて要旨を述べることにする。 Ⅰ New York Times(2/1/2005)号から 進化論を授業で教えることはある種の戦いになってきている。 幾人かの教