世界各国の所得水準と出生率との相関を図録化した。 所得水準(購買力平価ベース)と出生率(合計特殊出生率TFR)の双方のデータが得られる世界194カ国について相関図を描いてみると、明らかに右下がりの相関(マイナスの相関)が認められる。いわゆる「貧乏人の子沢山」が成立している。 理由としては、貧困国では死亡率も高く出生率が高くないと人口が維持されないというかつての状況の惰性、また貧困国では家族計画(避妊)が普及していない、あるいは経済発展度の高い国では教育度の高い人材が不可欠であり子どもの数が多いと適切な教育が与えられない(逆に所得の低い農業国では子どもが働き手として重要)、といった点が指摘されるが、さらに、先進国では社会保障が発達しているため子どもがいないか、子どもの数が少ないにもかかわらず(いな、そうである方が)、老後の保障が確保されているという点も重要であると考えられる(図録1586参照