物質と電気的・化学的反応の集合体にすぎない脳から、なぜ意識は生まれるのか。本書は、この謎に気鋭の脳神経科学者が迫った一冊だ。現代科学の最前線の知見を手がかりに、「人工知能」ならぬ「人工意識」の可能性に切り込む。「幼少期が終わり、大きな転換点を迎えている」この分野の現状をまとめ、これからを見通した非常にエキサイティングな本だ。 私は近ごろ、女性を見て、オンナを意識することが少なくなった。妻への愛が深いからなのか、歳をとったからなのか、はたまた悪い病気でも潜んでいるのだろうか。でも本書を読んで、「女性を見る」ことができるだけでも、スゴイことなんじゃないかと思うようになった。この本の「意識」とは、物質にすぎない脳が「何かを見る」という感覚意識体験のことである。 「見える」「聴こえる」などの感覚意識体験、いわゆる「クオリア」。我々一般人には当たり前過ぎて、それが「意識」だという認識すらないかもしれ
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