浜岡原子力発電所の3〜5号機が停止することにより、中部電力の電力供給力は、従来計画の2999万キロ・ワットから約2600万キロ・ワット強に低下する見通しだ。 猛暑だった昨夏のピーク時(2621万キロ・ワット)に比べ余力がほとんどない状態と見られ、今後、計画停電や節電要請などの需要抑制策を迫られる可能性がある。 中部電の管内には、トヨタ自動車をはじめ、製造業の拠点が集積している。トヨタは東北地方からの部品調達が滞ったため、11〜12月まで生産の抑制を余儀なくされており、浜岡原発の停止による電力不足は、業績の新たな圧迫要因となりかねない。 また、中部電は東日本大震災後、東京電力に対し約30万キロ・ワットの電力を供給して支援しているが、今後、支援継続が難しくなることも考えられる。東電の夏場の供給計画にも、微妙な影響を与えそうだ。