地盤は建物や人を支えているので、しっかりして動かないと思いがちである。確かにいつもは目に見えて動かないし、安定している。しかし、中にはゆっくり動く地盤がある。代表的な例が東京の臨海地のように何年かかけて建物がゆっくり沈下していく地盤だ。 他方、雨や地震の時に急に動き出す地盤もある。沢を流れ下り谷出口の民家を土石流が襲う地域は昔から「蛇抜け」と呼ばれており、動く生き物である蛇に例えられた。 さて、今回の設問は近年宅地化が進んでいる首都圏の谷戸の地盤についてだ(資料1)。谷戸の平地には、盛り土沿いのブロック塀の変状がしばしば見られる。このような谷戸に住宅が新築された。