「質屋の発想」と金融業界に苦言を呈す異例の“政府批判”発言のあと、公の場から姿を消したジャック・マー氏。中国のデジタル経済をリードするマー氏の身に何が起きたのか。世界の注目を集める中、3か月ぶりに姿を見せた。 ◇ ◇ ◇ ■3か月ぶり…オンラインイベントで突然 「皆さん、こんにちは。毎年、この日は皆さんと会う約束の日です」。約3か月ぶりに姿を現したアリババ・グループの創業者、ジャック・マー氏はモニター越しに静かに語りかけた。中国メディアによると20日、自身が主催する慈善イベントにオンラインで参加したという。 マー氏は2020年10月に上海市内で講演したのを最後に、公の場での発信が途絶えていた。この時の講演でマー氏は「今の銀行はまだ(担保を重視する)質屋の発想」「中国の金融機関の質屋的な発想は最も深刻だ」などと中国の金融業界に苦言。中国の大手銀行は多くが国有企業で、政府が経営しているのが実態