<令和フィーバーの裏でひっそりと決まった自衛隊員のシナイ半島派遣が意味するもの> 日本はどうやら新しい時代を迎えたようだ。といっても、新天皇の即位とは関係ない。 日本政府は4月26日、安全保障の分野で小さな、だが重要な一歩を踏み出した。戦後初めて、自衛隊員を国連以外の多国籍軍に参加させるために海外に派遣したのだ。 新元号「令和」発表の翌日、政府はエジプトのシナイ半島で活動する「多国籍軍・監視団(MFO)」に陸上自衛隊の幹部隊員2人を送る計画を閣議決定した。MFOは1979年のエジプト・イスラエル間の平和条約成立後、82年から停戦監視任務に当たっている。新元号とは違い、この決定は日本国内でも国際的にも大きな注目を集めることはなかった。 それはそうだ。2人の陸自隊員を中東に送り、非戦闘部門の司令部で活動させる──それ自体は何の変哲もないことのように見える。派遣される2人は連絡調整の任に当たり、