日本語の音象徴における清濁の重要性は、それがオノマトペ以外でも見られることからもわかる。「子どもが遊ぶさま」の「さま」に対して、「ひどいざま」の「ざま」は軽蔑的な意味合いを持つ。「疲れ果てる」の「はてる」に対する「ばてる」んもぞんざいなニュアンスが伴う。 以前、あるテレビ番組で、癌を経験した女優の大空眞弓さんが、「「がん」じゃなくて「かん」と呼べばショックが少ないのに」というような話をしていた。これもまさに清濁の音象徴から来る感覚である。 (今井むつみ、秋田喜美『言語の本質』中公新書、2023) こんにちは。例えば、小学校の学級担任がこういった話を子どもたちにし続けることができれば、子どもたちの国語の成績は上がると思うんですよね。授業そのものよりも言語環境(日々、どんな言葉、語彙、引用、言い回し、エピソードを浴びているか)が大事だという仮説です。 まぁ、かんですが。 教師の直感はけっこう正