その規約、読みますか? 義務的情報開示の失敗 著者:松尾 加代 出版社:勁草書房 ジャンル:暮らしの法律 「その規約、読みますか?」 [著]O・ベン=シャハー、C・E・シュナイダー 目の前の商品やサービスに何の説明もなかったら、お金を払うかどうか決めようがない。だから、情報開示は市場経済には不可欠だと考えられている。ところが、現実はそれほど単純ではないらしい。 本書は、米国において開示義務が辿(たど)った経緯とその結果を否定的にまとめ、説明した概説書である。著者のひとりであるベン=シャハーは、2000年代以後に急速に発展した新しいタイプの法と経済学を担ってきた世代の立役者だ。 本書では、まず、米国における開示義務がどれほど広範かつ大量に行われているかを示す。iTunesで99セントの楽曲を購入する際の利用規約を紙に打ち出したところ、大学の吹き抜けロビーの2階の天井から床まで垂らしてもまだ余