新型コロナウイルスをめぐり、東京の新宿・歌舞伎町など「夜の街」での感染拡大が問題となっている。市民からの視線は厳しく、「歌舞伎町=コロナまん延」のイメージさえ広がる。しかし、そうした状況に危機感を持つ関係者は少なくない。批判にさらされる歌舞伎町で、感染防止のため水面下でもがき続けている人たちがいる。 5月下旬。歌舞伎町のホストクラブなど約20店舗を経営する手塚マキさん(42)は悩んでいた。 いったん休業していた全店舗を再開したばかりの頃だ。出勤するホストや入店客の数を絞ったり、「3密」防止のためシャンパンコールを禁止したりと可能な限りの対策を講じていた。 それでも同業他社で感染者がでると、歌舞伎町全体が白い目でみられ、客足も遠のいていく。 4月に全面休業したときもそうだった。緊急事態宣言にあわせて全店舗を休みとしたが、歌舞伎…