2020年5月16日 田中 宇 人類のコロナ危機が始まって4か月経ち、新型コロナウイルスに関する世界規模の指標情報がいろいろ出てきた。感染者数、死者数、抗体保有者数などだ。コロナ危機は全体的に、政治的に強いバイアス・価値観の歪曲がかけられているので、これらの数字を使った歪曲報道もいろいろ出ている。報道や権威筋による御託宣に騙されないよう、公開されている指標を使って自分なりに考察する必要がある。私が今回考えたのは、コロナの致死率についてだ。 コロナは世界的に90%程度の人が感染の自覚がない無発症か軽症で終わっている。これらの無自覚者は政府の感染者統計にほとんど含まれない。ランダム調査や、発症者の濃厚接触者の調査では、無自覚者の感染がわかるが、それらは無自覚感染者全体のごく一部だ。感染者のうち何人が死んだかという致死率は、政府統計の感染者を分母にしてはならない。それを分母にすると、コロナの致死