なぜ日本の法人税制では、法律に書いてある税制と、実際に行われている税制との間のギャップが大きいのでしょうか。そして企業規模が大きいほど、税の負担率が軽くなるのでしょうか。 日本では、課税所得の平均2割強が縮小されている 順を追って説明しますと、税制ギャップの生じる理由として、まず挙げられるのが「タックス・イロージョン」(課税ベースの浸蝕化)です。 課税ベースが浸蝕されているため、本来、課税対象となるべき所得が、課税の範囲から脱け落ちているからです。要するに、現実の「課税所得」が虫食いになり、削られ、本来の姿より小さくなってしまっているのです。 私のマクロ的な分析によると、平均して課税所得の2割強が縮小されています。なかでも巨大企業グループが多いと目される連結法人の縮小率は40%を超えています。 一方で中堅企業の縮小率は3.9%です。企業規模によって負担率の格差が生じるのは、タックス・イロー