「子どもを産まない女は一人前じゃない」「なんで産まないの?」。日本ではそんな差別発言がいまだに残っている。どう返せばいいのか。社会学者の上野千鶴子さんは「相手はあなたの人生を真面目に配慮して言っているわけではないのだから、コケにして返せばいい」という――。 ※本稿は、上野千鶴子『こんな世の中に誰がした?』(光文社)の一部を再編集したものです。 自分の人生を生きているか 基本はやっぱり自分が何をしたいかです。そう言うと「わからない」と言う人もいますが、人間を何十年もやってきて、今さら何を言っているんだろうと思います。 こういう答えは特に優等生に多いようです。優等生は自分が嫌いなことでも課題を与えられれば平均点以上にできてしまう、パフォーマンス力の高い困った人たち。そうやって周囲から「すごいね」とほめられることに慣れてしまうと「何がしたいの?」「何が好き?」と聞かれても答えられない。でも、東大