においに顔をしかめる女性(イメージ画像) 職場に漂う香水や柔軟剤の香り。使っている当人は気付かないまま、周囲の人が化学物質過敏症を発症してしまうこともある。「頭痛がする」「せきが止まらない」。ただでさえ、注意しにくいにおいの問題。困っていながら、上下関係などから声を上げにくいと感じている当事者たちは、自覚なき「香害」に頭を悩ませている。(時事ドットコム編集部 川村碧) 【時事コム取材班】 ある日を境に進行する症状 接客業の40代女性が化学物質過敏症を発症したきっかけは、職場の男性上司にあった。「同じ職場になった当初から、香水と柔軟剤の香りが『きついな』と感じていました。3~4カ月は黙っていましたが、ある時、狭い部屋で10時間ほど一緒に作業することがあり、部屋に充満した香りで、のどの痛みとせきが止まらなくなってしまいました」と語る。 女性はこの日を境に、通勤ですれ違う人たちから発せられる柔軟