東京都心からおよそ1250キロの南に、硫黄島(東京都小笠原村)はある。第二次世界大戦末期の1945年2~3月、日米両軍が死闘を展開した。 米軍は44年夏にサイパンなどマリアナ諸島を占領した。そこから大型爆撃機B29を飛ばし、日本本土を爆撃していた。ただB29は新鋭機であり、故障がままあった。また爆撃機には護衛の戦闘機をつけるのが望ましいが、戦闘機は航続距離が短く、マリアナからB29に同行し、往復することはできなかった。 硫黄島は、そのマリナア諸島と日本本土の中間地点で、飛行場があった。米軍としては故障や被弾などで飛行できなくなった爆撃機が着陸する場所として、また護衛の戦闘機の基地としても必要な島であった。日本軍としては、何としても守り抜くべき島だった。 45年2月19日。米軍が上陸した。およそ6万人。迎え撃つ日本軍は2万1000人とされる。米軍には兵士や武器弾薬、食料などの補充がある。それ