日本弁理士会は2024年1月31日、「生成系AIと著作権の論点整理」と題する記者説明会を開催した。昨年8月にも同様の説明会を開催したが、その後の変化を踏まえ、生成AIがクリエイターの創作活動や権利にどんな影響を与えるのか、利用者はどんな点に留意すべきかといった点についてあらためて説明した。 日本弁理士会著作権委員会 委員長の高橋雅和氏は、「著作物性判断や類似性判断はもともと難しいものだったが、生成AIの登場によってさらに複雑になっている。創作記録がないと判断できないため、なにを目的に、どのAIを使い、どのように創作するかといった『戦略』や、創作の『過程』を記録することが大切になる」と説明。「文化庁による素案(後述)を基にすると、生成AIによる著作物は創作過程がわからないかぎり、著作権が発生するかどうかが判断できない。また、生成AIによる創作物が、自身がまったく認識していなかった著作物の著作