奈良公園や周辺に生息する国の天然記念物「奈良のシカ」の保護活動に取り組む「奈良の鹿愛護会」の施設内で、保護したシカに十分な餌を与えないなどの虐待行為が行われていると同会の獣医師が通報した問題で、奈良県は2日、独自に調査チームを立ち上げたことを明らかにした。同会は虐待を否定しており、施設管理の許可を出している県は管理が適切かどうかを調べ、今月中にも結果をまとめる。 調査チームは獣医師ら4人で構成。社会的な非難を受ける行為や公序良俗に反する行為の有無について、現地確認や関係者の聞き取りを通じて調べる。問題のある行為が認められれば、管理の許可の取り消しを検討する。 県などによると、8月21日に獣医師から通報を受けた県は、動物愛護法に関連する事案は奈良市の所管にあたると回答。獣医師が9月19日に市に通報書を提出する一方、県は同21日に調査チームを立ち上げていた。 通報書では、同会の保護施設「鹿苑(