日銀による国債の保有割合が5割を超えて過去最大となった。海外発の金利上昇圧力を受け、長期金利を抑え込むための日銀の国債購入が急増したためだ。中央銀行が発行済みの国債の過半を買い占める異常事態となっている。金利の逆転などゆがみは深まり、市場本来の機能が働きにくい。日銀の政策が歴史的な円安を誘い、それが物価高を呼ぶ矛盾にも直面、緩和長期化の副作用が広がりつつある。日銀は長期金利の上限を0.25%程
非常に「気前のいい政策」 日出づる国は、(年金支給年齢引き上げに抗議活動が起きるフランスと異なり)定年後も働けるなら働き続けてリタイアを遅らせるのがまったく苦にならない国柄であるようだ。 日銀総裁の黒田東彦が3月10日、任期最後の金融政策決定会合を開いた。78歳の黒田の後任は、「若い」71歳だ。同日、国会で次期総裁就任が正式に承認された植田和男のことである。 黒田日銀時代を評価するなら、それは功罪相半ばするものだった。積極的に動いたのは間違いない。ただ、2013年に安倍晋三首相から金融「バズーカ」を手渡され、眠れる森の美しい日本経済も目をさますという触れ込みだったが、結局、日本経済を眠りからさますことはかなわなかった。 安倍首相は当時、停滞とデフレで麻痺する日本経済と、まったなしで進む人口の高齢化に対処しようと次々に規格外の経済活性化計画を打ち出した。そのとき生じる国の膨大な借金の大半を買
日銀の植田和男総裁は4月25日、輸入物価高の影響が弱まっていくことで消費者物価の前年比は今年度後半にかけて2%を下回る水準までプラス幅が縮小していくと指摘し、いま金融引き締めに転じると、半年後や1年後に物価上昇率が縮小していく局面でさらに下押し圧力がかかり「由々しき事態になる」と警戒感を示した。資料写真、10日、代表撮影(2023年/ロイター) [東京 25日 ロイター] - 日銀の植田和男総裁は25日、衆院財務金融委員会で、輸入物価高の影響が弱まっていくことで消費者物価の前年比は今年度後半にかけて2%を下回る水準までプラス幅が縮小していくと指摘し、いま金融引き締めに転じると、半年後や1年後に物価上昇率が縮小していく局面でさらに下押し圧力がかかり「由々しき事態になる」と警戒感を示した。
2020年11月26日 日本銀行金融機構局 全文 [PDF 1,298KB] 別紙 [PDF 446KB] 要旨 クラウドサービス(以下、クラウド)とは、共用のコンピューター資源(サーバー、ミドルウェア、ストレージなど)をネットワーク経由で利用するサービスであり、多くの金融機関においてシステムを構築する上で不可欠なものになっている。また、デジタル・トランスフォーメーション(DX)の潮流の下で、新たなデジタル技術の活用の有力な選択肢となることも多く、金融機関の経営陣においてもクラウドについて一定の知見を有することが必要となっている。こうした中、金融機関からは、クラウド利用に対し、クラウドの特性に起因するセキュリティや可用性の不安などが懸念事項として挙げられている。 本稿では、そうした懸念を払拭するために対応すべき重要な事項を、「セキュリティ管理」、「可用性管理・レジリエンス」、「委託先管理」
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<現在、世界および日本の経済論壇において、賛成論と反対論の侃々諤々の議論が展開されているMMT。その内実を検討する......> 消費増税を含めた財政をめぐる論議が続く中で、MMT(現代貨幣理論)に注目が集まっている。7月中旬には、その主唱者の一人であるステファニー・ケルトン(ニューヨーク州立大学教授)が来日し、講演や討論を行い、昨今のMMTブームを反映するかのように大きな盛り上がりを見せた。その模様は一般のマスメディアでも幅広く報じられた。 MMTの生みの親であるウオーレン・モズラーのSoft Currency Economics II序文によれば、その最初の契機は、国債トレーダーを経て証券会社の創業者となったモズラーが、1990年代初頭に当時「財政危機」が喧伝されていたイタリア国債の売買を行った時に得た一つの「発見」にあった。その把握が、それ以前からポスト・ケインジアンの一部に存在して
5月25日、日銀の植田和男総裁(写真)は、参院財政金融委員会で、大規模な金融緩和で膨らんだ日銀のバランスシートについて「必ずしも正常な中央銀行のバランスシートではない」と述べた。写真は13日、新潟県内にある朱鷺メッセで代表撮影(2023年 ロイター) [東京 25日 ロイター] - 日銀の植田和男総裁は25日、参院財政金融委員会で、大規模な金融緩和で膨らんだ日銀のバランスシートについて「必ずしも正常な中央銀行のバランスシートではない」と述べた。特に国債は定量的な大きさの問題、ETF(上場投資信託)は持っていてよいのかという質的な問題があるとの認識を示した。現状は2%の物価目標を実現していない状況のため、その間はこうした状態が続くのは「仕方ない」との見方を示した。
2023年10-12月期の法人企業統計で設備投資が大幅に増加したことを受け、日本は2四半期連続で経済が縮小するテクニカル・リセッション(景気後退)入りを回避するとの見方が強まっている。金融政策の正常化をうかがう日本銀行にとっても、内需の一角を占める設備投資の回復は追い風となる。 エコノミストからは、10-12月の実質国内総生産(GDP)が法人企業統計などを反映する改定値でプラスに転換するとの見方が相次いでいる。2月15日公表の速報値では前期比0.1%減、前期比年率0.4%減と市場予想に反して減少。設備投資は0.1%減と、GDPの5割以上を占める個人消費とともに3期連続のマイナスだった。 市場では日銀が3月か4月の会合で正常化に動くとの見方が強まっている。日本経済の2四半期連続のマイナス成長は市場の早期正常化観測に冷や水を浴びせる結果となった。一方で、植田和男総裁は1日、「景気は緩やかに回復
日本銀行の植田和男総裁は17日、円安進行の日本経済への影響について、グローバル企業などの雇用者所得へのプラス効果もあり、必ずしもマイナス面ばかりではないとの見解を示した。衆院財務金融委員会で答弁した。 植田総裁は、円安は輸入物価上昇というマイナス効果がある一方、インバウンド(訪日外国人)消費を含む輸出増やグローバル企業を中心とした企業収益に好影響を及ぼす面もあり、「一概に円安が経済にマイナスと言い切ることもできない」と語った。 実質賃金下落の大きな要因はインフレ進行によるものであり、輸入物価上昇に円安が効いているのは事実としたが、インバウンドに関連した中小企業も含めて、円安が企業収益や雇用を引き上げ、雇用者所得に好影響を与える可能性を指摘。「足元の実質所得低下のほとんどが円安の影響ということではない」との認識を示した。 物価上昇圧力が続く中、内外金利差などを背景とした円安進行が輸入物価上昇
ブルームバーグ通信での「FRBは何をすべきか?」というインタビュー(ここでは記事になっている)で、私は以下のように答えた。 「利上げは頭がおかしい」 これは文字通り受け取っていただきたい。 事実はいかなる時も理論に勝る 私が最初に言及したのは、起こってきた出来事を誰も予測できなかった事実だ。インフレは、認知できる雇用の減少やGDPを低下させずに、劇的に低下した。我々が今できる最善のことは、事実に特段の注意を払いながら、暗中模索を続けることだ。最悪の対応は、事実と矛盾している教科書的分析への依存に回帰することだろう。 事実は何を示しているのか? インフレの低下水準と低下速度の両方から、インフレ率が目標水準の2%に、2、3ヶ月以内に達する可能性がある。 もし、FRBが目標水準での安定を真剣に考慮するなら、今すぐにでもインフレの低下ペースを緩める必要がある。 不確実性についてはどうだろうか? た
日銀は、19日までの2日間、金融政策を決める会合を開き、大規模な金融緩和策を変更することを賛成多数で決めました。 具体的には、2016年1月の導入決定以来、大規模な金融緩和策の柱となってきた「マイナス金利政策」を解除します。 その上で、短期金利の操作を主な政策手段とします。 具体的には、日銀当座預金に適用する金利を0.1%とすることで、金融機関どうしが短期市場で資金をやり取りする際の金利「無担保コールレート」を0%から0.1%程度で推移するよう促すとしています。 日銀による利上げは2007年2月以来およそ17年ぶりです。 また、2016年9月に導入し、短期金利に加えて長期金利を低く抑え込んできた長短金利操作=イールドカーブ・コントロールと呼ばれる金融政策の枠組みを終了します。 ただ、これまでと同じ程度の国債の買い入れは継続し、長期金利が急激に上昇する場合には、機動的に国債の買い入れ額を増額
5/3のFRBの0.25%の利上げで、政策金利は5.25%となって、インフレへの対応も打ち止めのところまできた。確かに、物価上昇は収まってきているが、副作用の金融機関の破綻も相次いでいる。果たして、ここまで上げる必要はあったのか、そもそも、利上げには、意味があったのだろうか。主作用が乏しいのなら、副作用だけの金融政策とは、何のために行われるものなのだろう。 ……… 日銀の異次元緩和は、いくら金融緩和をしても、物価を上げられないことを証明した。それでは、逆はどうか。金融政策は、緩和も、引締めも、資産には効いても、生産には効かないのが経験則である。2022年の米国経済の動きを、ISM製造業指数で見ると、FRBの利上げと並行して、生産が低下しているが、低下は前年の半ばから始まっており、既に在庫も上昇していたから、利上げが効いたというより、自然に崩れたと見るべきだろう。 他方、利上げの後、米国の住
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新型コロナウイルスの感染拡大で経済に深刻な影響が出ることが懸念される中、経済学者らが政策提言をまとめ、収入が無くなった人が国から無審査、無担保で1年間、毎月15万円までを借りられる制度の創設などを求めました。 この中で、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で収入が無くなった人などが所得とマイナンバーを申告すれば、国から無審査、無担保で1年間、毎月15万円までを借りられる制度の創設を求めています。 マイナンバーで管理し、納税と合わせて返済できる仕組みにすることで、貸し倒れリスクを減らせるとしています。 また、感染拡大の防止に向けてオンラインの診療や授業、テレワークなど、社会全体でデジタル化を進めるための環境整備に対して、国が重点的に補助することを盛り込んでいます。 さらに、株価を下支えするために、日銀がETF=上場投資信託や株式などを購入するために100兆円の枠組みを設けるべきだなどとしていま
どうも、すべての経済活動を、デジタル化したいLayerXの福島です。 本日は今日出たビッグニュースにからめてCBDC(中央銀行が発行するデジタル通貨)についてです。 早速ですが、こちらの記事。歴史的な内容かと思います。 日銀は中央銀行が発行するデジタル通貨(CBDC)の実現を見据えた準備を加速する。2日に技術面の論点をまとめたリポートを公表し、課題解決に向けて実証実験に乗り出す方針を明らかにした。現金を介さないデジタル決済の需要が高まり、中国などの発行計画も進むなか、日銀も出遅れないように踏み込む。 本日、日銀からもリリースが出ています。 pdf本文にはこういった記述があります。 上記のうち、概念実証フェーズ1は、2021 年度の早い時期に開始するこ とを目指している。今までも日銀はProject Stellaにおいて、主にDLTの決済システムの応用を検討していました。 https://w
アメリカの中央銀行にあたるFRB=連邦準備制度理事会は15日、臨時の会合を開いて、事実上のゼロ金利政策と量的緩和を同時に導入する、異例の危機対応に乗り出しました。ただ、投資家の間では、新型コロナウイルスの感染拡大でアメリカでも実体経済の悪化が予想以上に深刻になるという不安心理が強まっていて、市場の動揺を抑えられるかは不透明です。 また、今後数か月で、国債などを7000億ドル、日本円で74兆円規模で買い入れて市場に大量の資金を供給する量的緩和の再開も決めました。 ゼロ金利政策と量的緩和を行う大規模な金融緩和策は、2008年に起きたリーマンショックへの危機対応でも実施されたもので、企業などが資金繰りに行き詰まらないようにするねらいがあります。 これについてトランプ大統領は会見で、「とてもいいニュースで、アメリカにとってよいことだ。FRBにおめでとうと言いたい」と述べこれまで批判してきたFRBを
<現在、世界および日本の経済論壇において、賛成論と反対論の侃々諤々の議論が展開されているMMT。その内実を検討する......。第二弾> ●前回の記事はこちら:MMT(現代貨幣理論)の批判的検討(1)─政府と中央銀行の役割 MMT(現代貨幣理論)の主唱者たちによれば、彼らがその理論を提起した大きな目的は、これまでの「正統派」によって作り上げられてきたマクロ経済に対する「ものの見方」あるいは「思考枠組み」を根底から覆すことにある。彼らは、その既存の視角は、堅牢で強固なものであるかのように装ってはいるが、実際には現実の経済を大きく歪めて見せる、いわば「歪んだレンズ」のようなものであるという。それに対して、MMTは現実の姿をありのままに見せる「歪みのないレンズ」であるというのが、彼らの自負である。 そうしたMMTからの批判に対して、「正統派」の側からは果たしてどのような反論が可能であろうか。その
日本銀行の黒田東彦総裁は18日、円安進行を含めて量的・質的金融緩和は失敗だったとして直ちに辞任するよう求められたのに対し、「辞めるつもりはない」と述べた。衆院予算委員会での階猛氏(立憲民主)への答弁。 階氏は円安阻止へ為替介入も実施した政府と円安を加速するような低金利政策を2013年以降続ける日銀との食い違いを指摘し、金融政策の正常化・柔軟化に向けて即刻辞任すべきだと質した。これに対し、黒田総裁は「異次元の金融緩和はデフレを解消し、成長を回復し、雇用を増加するという意味で効果があった」と説明。「量的・質的金融緩和が全く失敗したということは事実に反する」と主張した。 総裁は、金融緩和を行わなかった場合と比べて実質国内総生産(GDP)は平均プラス0.9-1.3%程度、消費者物価の前年比は同0.6-0.7%程度押し上げられているとの計量経済的な分析結果も示して強く反論した。 岸田文雄首相は、政府
9月21日、 東京円債市場で長期金利の指標である新発10年国債の業者間取引(日本相互証券ベース)が、前日に続いて成立しなかった。写真は円紙幣と日本の国旗のイメージ。6月撮影(2022年 ロイター/Florence Lo) [東京 21日 ロイター] - 東京円債市場で21日、長期金利の指標である新発10年国債の業者間取引(日本相互証券ベース)が、前日に続いて成立しなかった。2営業日連続で売買未成立となるのは、1999年3月に新発10年物が指標銘柄となって初めて。 日銀は指し値オペを連日実施し、10年金利をイールドカーブ・コントロール(YCC)の許容変動幅「上限」の0.25%で抑え込んでいる。大幅利上げ懸念を背景に海外金利が急上昇する中、金利を人為的に抑え込む円債市場では「マーケットが壊れつつある」との声も出始めている。
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アベノミクス以降、もう10年近く大規模な金融緩和を続けてきた日本銀行が、去年の12月に実質利上げを実行した。 日銀がYCC変更で長期金利の上昇を許容、日本も金利上昇による景気後退へ (2022/12/20) その結果どうなったかと言えば、日本国債の投げ売りが急増している。日銀が買い支えなければならなくなっているが、このままではそれも破綻してしまいそうだ。 日銀の実質利上げ 年末の日銀の政策変更は、正確に言えば長期金利の許容変動幅の拡大である。以前まではゼロ金利を基準にプラスマイナス0.25%の変動を許容していたものを、プラスマイナス0.5%の変動まで許容するということにした。 アメリカなど海外ではインフレによる利上げで金利がどんどん上がっていた中で、日銀は長期金利に上限を設けるイールドカーブコントロールで金利を変動幅上限に押さえつけていた。 それは2022年の急激な円安の原因となっていた。
Published 2022/05/12 17:21 (JST) Updated 2022/05/13 11:51 (JST) 日本維新の会代表の松井一郎大阪市長は12日、日銀による市場を通じた国債の買い入れを巡り「日銀は政府の子会社」とした自民党の安倍晋三元首相の発言に理解を示した。中央銀行の独立性を踏まえ「誤解を受けるような表現はされたが、間違いかと言われれば間違いじゃない」と市役所で記者団に語った。 安倍氏の発言を問題視しなかった国民民主党の玉木雄一郎代表と同じ姿勢を示した形。松井氏は「中央銀行の独立性は確保される中で、政府の国債を引き受けているのも事実だ」と指摘し「子会社だから独立性が損なわれているということでもない」と述べた。
コロナショックの経済的影響、求められる経済政策の対応に関する議論は多い。これから求められる政策についての言及は今後さらに増加するだろう。 本稿でも、フェーズ別にもとめられる施策、与党各党が提示する対策案の得失を論じる。ただし、「これから何をするか・すべきか」も重要であるが、その前に、まさに今お困りの方のためにも「今何が行われているか」に注目しておきたい。 現在、利用できる主な制度 ごく短い期間に需要が半減またはそれ以上に悪化していることで、既存の措置、政府が急ぎ実施した措置の周知が不十分な状況にある。 例えば、SNSなどでは「ヨーロッパではコロナショックによる休業に対して賃金の6割を補償している(のに日本政府は何をしているんだ)」といった批判は多い。また、筆者が出演するラジオ番組でも観光関連企業で働くリスナーから「ほとんど仕事がなく、休業が多いため給料が半減した」との声をいただいた。 しか
IMFの白川論文が話題になったが、小生から見ておかしいと思われる点をまとめておく。 日本の2000-2012年の生産年齢人口当たりの成長率がG7の中で最も高いことをゼロ金利制約の無効性の根拠としているが、12年前の拙エントリで示したように、その期間の生産年齢人口当たりの成長率は、リーマン・ショックの影響もあり、期間の取り方によって簡単に国別の大小がひっくり返るので、分析や議論の根拠に使うのは不適切。 同期間の需給ギャップを見ると、内閣府の計算でも日銀の計算でも概ねマイナスであった時期であり、需要が供給に比べて不足していた。その期間に確かに実質GDPは2000年度の485.6兆円から2012年度の517.9兆円に6.7%増加しているが、一方で名目GDPは537.6兆円から499.4兆円に7.1%減少している。即ちGDPデフレータの1割以上の低下が生じていたのであり、需給ギャップのマイナス傾向
大規模緩和はアベノミクスの第一の矢として、黒田総裁の就任直後の2013年4月に導入された。2年程度での物価目標実現の宣言と合わせて打ち出したことで、「明確なメッセージを打ち出し、大規模な金融緩和の実施を行ったことはそれなりの効果を発揮した」と指摘。金融政策に過度の負担がかかったとは思わないとし、「3本の矢ということでアベノミクスを進めたこと自体は正しかった」と語った。 今回会合では、長短金利を操作するイールドカーブコントロール(YCC)政策を軸とした大規模な金融緩和策の現状維持を決めた。長期金利の許容変動幅も上下0.5%に据え置いた。景気は「持ち直している」との判断を維持する一方、輸出と生産は「横ばい圏内の動き」に引き下げた。 黒田総裁は、大規模緩和の副作用に関しては、日本の金融システムは金融機関の信用仲介機能という点で過去10年間、十分発揮されて「問題なかった」と指摘。昨年来の債券市場の
東京(CNN Business) 日本銀行の役員にあたる理事に138年の歴史で初めて女性が就任する。清水季子(ときこ)氏(55)が任命された。 清水氏は1987年に日銀に入行。金融市場や外国為替などの分野をへて、欧州統括役ロンドン事務所長なども務めた。 日銀によれば、日銀の従業員に占める女性の割合は47%。しかし、管理職に占める女性の割合は約13%にとどまっている。 日本銀行には最高意思決定機関として政策委員会が設置されているが、9人で構成される同委員会でも女性は1人にとどまっている。日銀はまた、米連邦準備制度理事会(FRB)や欧州中央銀行(ECB)と違い、女性がトップに就いたことはない。 過去10年にわたって、人口統計学上の課題や高等教育を受ける女性の人数の増加などによって男性が多数を占める日本の経営構造にもゆっくりと変化が訪れている。 世界銀行の2018年のデータによれば日本の人口に占
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