北大西洋で1912年に沈没した豪華客船タイタニック号の探索ツアーに向かった潜水艇「タイタン」の運航会社オーシャンゲートは、乗員の死亡や負傷に責任を負わないとする免責同意書を結んでいた。だが、これで同社が訴訟を免れることにはならなさそうだ。 集中的な捜索により海底に潜水艇の残骸が発見された後で、米沿岸警備隊は乗員乗客5人が死亡したと結論づけた。これで乗客の遺族がオーシャンゲートを訴える道が開かれたことになる。同社に対しては過去数年にわたり安全手順への懸念を示す声が続いていた。 乗客との間で免責同意書を結んでいれば、過失の際に企業は守られることが多い。それでも、道理に背く無謀な行為が人命に影響するような「重大な過失」がある場合は、話が別だ。