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生態学の検索結果121 - 160 件 / 730件

  • ピーター・ターチン「フェミニストから見た人類の社会進化:デヴィッド・グレーバーさんかなり変ですよ その2」(2019年2月16日)

    人類が進化する過程で、不平等の水準は劇的に変化してきている:祖先である類人猿の社会階層から、狩猟採集民の平等主義の小規模社会に、そして権力・地位・富の分配で大きな格差がある大規模な階層的社会へと A Feminist Perspective on Human Social Evolution February 16, 2019 by Peter Turchin 人類が進化する過程で、不平等の水準は劇的に変化してきている:祖先である類人猿の社会階層から、狩猟採集民の平等主義の小規模社会に、そして権力・地位・富の分配で大きな格差がある大規模な階層的社会へと。枢軸時代(紀元前800~200年)は、不平等の進化において、別の注目に値すべき変容――より大きな平等主義への移行の始まりがもたらされており、現在まで続いている。結果、不平等の軌跡はZのように見えるため、私はZ曲線と呼ぶことを以前から提唱して

      ピーター・ターチン「フェミニストから見た人類の社会進化:デヴィッド・グレーバーさんかなり変ですよ その2」(2019年2月16日)
    • 農業の毒性が48倍に、『沈黙の春』再び? 研究

      巣の外のミツバチ。最新の研究によると、米国の農業はミツバチなどの昆虫にとって、過去25年で毒性が48倍近くになったという。(PHOTOGRAPH BY DIETER TELEMANS/PANOS PICTURES/REDUX) ミツバチをはじめとする昆虫にとって、米国の農業環境は25年前に比べて48倍も毒性が高いとする研究成果が、学術誌「PLOS One」に8月6日付けで掲載された。最大の原因は、いわゆるネオニコチノイド系殺虫剤が広く使用されていることだという。 毒性の大幅な上昇は、ハチ、チョウ、鳥などの花粉媒介者たちが急減したタイミングと一致していると話すのは、論文の共著者で、環境保護団体「フレンズ・オブ・ジ・アースUS」の上級科学者ケンドラ・クライン氏だ。 「第2の『沈黙の春』です。ネオニコチノイドは新たなDDTのようなものですが、ハチに対してはDDTの1000倍も有毒です」。クライン

        農業の毒性が48倍に、『沈黙の春』再び? 研究
      • 180本の論文に名を連ねる謎のフランス人「カミーユ・ヌース」とは何者なのか?

        2020年に突如として現れたフランス人「Camille Noûs(カミーユ・ヌース)」は、天体物理学や分子生物学、生態学などの分野にわたる180本の論文の共著者として名を残しています。この人物は一体何者なのか、学術雑誌のScienceが紹介しています。 Who is Camille Noûs, the fictitious French researcher with nearly 200 papers? | Science | AAAS https://www.sciencemag.org/news/2021/03/who-camille-no-s-fictitious-french-researcher-nearly-200-papers 実は、カミーユ・ヌースは実在の人物ではありません。カミーユ・ヌースは、研究者による研究者のための保護団体「RogueESR」によって考案された架空の

          180本の論文に名を連ねる謎のフランス人「カミーユ・ヌース」とは何者なのか?
        • 4つの性がある小鳥 | Nature ダイジェスト | Nature Portfolio

          スズメに似た野鳥、ノドジロシトドの配偶者選びは、雄か雌かだけでなく体色にも左右されるようだ。生態学者Elaina Tuttleは、こうした配偶システムの基盤にある奇妙な染色体の進化を解明することに生涯を捧げた。最後は、がんと闘いながら研究生活を全うした。 クランベリー湖には、生物学者Rusty Gonserがいつもそこで耳にしてきた鳥の歌声が響いていた。しかし、彼はもう二度とそこで、別の慣れ親しんだ声を聞くことはできなかった。 Gonserは25年以上にわたって、妻のElaina Tuttleと毎年夏に、アディロンダック山地にあるこのフィールド調査地を訪れてきた。最寄りの道路からボートで45分かかる場所だ。揺れる木の桟橋にボートを係留している彼の耳に、「オゥ・スウィート・カナダ」と聞こえるおなじみの短い歌声が届いた。それは、スズメ目ホオジロ科のノドジロシトド(Zonotrichia alb

            4つの性がある小鳥 | Nature ダイジェスト | Nature Portfolio
          • 【国立科学博物館】1種のハチが9回新種記載されていた!体長3mmのハチがもつ特殊な生態がもたらした混乱に終止符

            【国立科学博物館】1種のハチが9回新種記載されていた!体長3mmのハチがもつ特殊な生態がもたらした混乱に終止符 独立行政法人国立科学博物館(館長:林良博)は、九州大学との共同研究により、日本などに生息するハチの一種、クヌギハケタマバチ(ハチ目:タマバチ科)が、これまでに9回にわたって新種として名前(学名)が与えられていたことを突き止めました。これにはタマバチの仲間がもつ特殊な生態が関係していました。 本研究は、クヌギハケタマバチの形態的特徴を最新の分類体系に合わせて明確化し、本種に与えられた複数の学名を1つに整理することで、その学名の使用における混乱を解消するとともに、タマバチ科における生態解明の重要性を強調したものです。 本研究成果は、2021年4月6日、アメリカ昆虫学会が発行する国際学術雑誌『Annals of the Entomological Society of America』

              【国立科学博物館】1種のハチが9回新種記載されていた!体長3mmのハチがもつ特殊な生態がもたらした混乱に終止符
            • Daily Life:『はじめての動物倫理学』読書ノート

              September 06, 2021 『はじめての動物倫理学』読書ノート 田上孝一さんの『はじめての動物倫理学』は、動物倫理の分野を概説するおそらく最初の新書であり、この分野の存在を多くの人に知らしめたという意味で、大変画期的な本だと思う。 以下では主にわたしが同意できない点や疑問に思う点を中心に記述していくが、その前に本書の良いところをいくつかあげておこう。 まず、全体として非常に読みやすい。ときどき「広く観念されている」(p.107)といった耳慣れない表現が出てきたりするものの、全般に難解な表現は極力避けられている。また、いろいろ留保をつけずに言い切る形で論述されているところが多いのも、立場が鮮明であるという意味で本書の美点である。動物の権利論がいろいろな問題をどうとらえるかについて、田上さんなりの一貫した視点を提供しているのも本書のよいところである。 第一章の倫理学理論の整理はスタン

              • 新種の恐竜ナトベナトルを発見、珍しい「泳ぐ恐竜」だった可能性

                新種の恐竜ナトベナトル・ポリドントゥスの想像図。水中に潜ることができたと思われる適応が見られる。(CREDIT: YUSIK CHOI) 古生物学者たちは長い間、恐竜は陸にすむものであり、水中に暮らすのは魚竜など爬虫類だと考えてきた。けれども近年の発見によって、陸上と水中の両方で生活した恐竜がいたという考える人が増えつつある。しかし、それをはっきり示す化石がないことが、研究者にとっての悩みだった。 このほど新たな手がかりが見つかった。6800万年以上前に生息した新種の恐竜が発見され、ペンギンやウなど潜水する鳥のように流線形の体をもっていたことが判明したのだ。鳥類と鳥類に最も近い恐竜以外で、この特徴が確認されたのは今回が初めて。研究成果は12月1日付けで学術誌「コミュニケーションズ・バイオロジー」に発表された。 モンゴル南部で発見されたこの恐竜化石は、ベロキラプトルなどを含むドロマエオサウル

                  新種の恐竜ナトベナトルを発見、珍しい「泳ぐ恐竜」だった可能性
                • 東京創元社編集部・編『創元SF文庫総解説』第1回(全6回)l

                  2022年09月29日17:00 by 東京創元社 東京創元社編集部・編『創元SF文庫総解説』第1回(全6回) カテゴリSFファンタジイ・ホラー 【はじめに】 創元SF文庫は来年2023年、創刊60周年を迎えます。 1963年9月に創元推理文庫SF部門として誕生し、フレドリック・ブラウン『未来世界から来た男』に始まり、1991年に現行の名称への改称を挟んで、これまでに700冊を超える作品を世に送り出してまいりました。エドガー・ライス・バローズの《火星シリーズ》やE・E・スミスの《レンズマン》シリーズをはじめ、ジョン・ウィンダム、エドモンド・ハミルトン、アイザック・アシモフ、ロバート・A・ハインライン、レイ・ブラッドベリ、J・G・バラード、アン・マキャフリー、バリントン・J・ベイリー、ジェイムズ・P・ホーガン、ロイス・マクマスター・ビジョルド、そして近年にはアン・レッキーやN・K・ジェミシン

                    東京創元社編集部・編『創元SF文庫総解説』第1回(全6回)l
                  • スクエニやコーエーテクモの第一人者がゲームにおけるAIの現状と未来について語った「FOST25周年記念講演会」レポート

                    スクエニやコーエーテクモの第一人者がゲームにおけるAIの現状と未来について語った「FOST25周年記念講演会」レポート ライター:大陸新秩序 公益財団法人 科学技術融合振興財団(foundation for the Fusion Of Science and Technology。以下,FOST)は2019年11月21日,同財団の25周年を記念した講演会「ゲームとAI」を,東京・明治記念館にて開催した。 本稿では,当日行われたゲームとAIに関する4つの講演のうち,スクウェア・エニックス テクノロジー推進部 リードAIリサーチャー 三宅陽一郎氏による「ゲームAIから見る未来の社会」と,コーエーテクモゲームス 執行役員 エンタテインメント制作本部 副本部長 技術支援部部長 三嶋寛了氏による「ゲームとプロシージャル技術。そして『信長の野望 大志』のAIへ」の2つをレポートしよう。 講演会の冒頭で

                      スクエニやコーエーテクモの第一人者がゲームにおけるAIの現状と未来について語った「FOST25周年記念講演会」レポート
                    • オンラインで読書会したら、すごく楽しかった

                      好きな本を持ち寄って、まったり熱く語り合うオフ会、それが [スゴ本オフ]。 いつもはワインやビール、サンドイッチや唐揚げを持ち寄って、食べながら飲みながら歓談するのだが、このご時世、無理というもの。 なので、オンラインでやってみた。 時間を決めてURLを伝えて、各人は自分のPCやスマホからアクセスする。オンラインミーティングみたく顔出してもいいし、エヴァンゲリオンよろしくSOUND ONLYも、ROM専ならぬBGM代わりに聞く専もあり。 テーマは「いま、何を読んでいる?」。 本を読む人は、言葉に力があることを知っている。心を削る物言いや、注意を擦り減らせるテロップのダメージ敏感だ。 だから、テレビを消して、SNSを閉じて、好きなものに没頭したくなる。そんな、自分を楽に、夢中に、解いてくれる本はなんだろうか? リアルに集まって話せない今だからこそ、ネットで交流してみよう。 もちろん、いつもど

                        オンラインで読書会したら、すごく楽しかった
                      • 来年は今年以上の暑さに、NASA専門家が予想

                        猛暑に見舞われた中で顔を洗う人=16日、米アリゾナ州フェニックス/Brandon Bell/Getty Images (CNN) 米南部や南西部が過酷な熱波に覆われ、北半球が猛暑に見舞われる中、米航空宇宙局(NASA)の専門家が20日、来年はエルニーニョ現象の影響でさらに気温が上昇するだろうと予測した。 エルニーニョは太平洋の熱帯地域で海面水温が平年より高くなり、気象に影響を及ぼす現象。この夏は世界各地で極端な猛暑が続いているが、NASAゴダード宇宙科学研究所のギャビン・シュミット所長によると、今年のエルニーニョは数カ月前に始まったばかりで、まだそれほど大きな影響を及ぼしていないという。 シュミット氏は「我々が今、目の当たりにしている事象はエルニーニョが原因ではない」と指摘。世界の至る所で今後も猛暑が続くとの見通しを示し、「その理由は私たちが温室効果ガスを大気に放出し続けているからだ。私た

                          来年は今年以上の暑さに、NASA専門家が予想
                        • 書評 「「誤差」「大間違い」「ウソ」を見分ける統計学」 - shorebird 進化心理学中心の書評など

                          「誤差」「大間違い」「ウソ」を見分ける統計学 作者:デイヴィッド・サルツブルグ共立出版Amazon 本書は「統計学を拓いた異才たち」の著者デイヴィッド・サルツブルグによる一冊.「統計学を拓いた異才たち」は統計学史を中心に一般向けに逸話をたくさん交えて楽しく書かれていて,同じような楽しい本だろうと手を出した.ところが実は本書はもともと「科学と社会のための統計的推論」シリーズの一冊として書かれており,ある程度専門知識がある読者が想定されているようで,統計的論理になじみのない読者にはやや取っつきにくい本になっている.内容的には,統計学全般ではなくいくつかのテーマに絞って書かれている.原題は「Errors, Blunders, and Lies: How to Tell the Difference」 序文では自分は50年以上も統計学の裏庭の泥や汚泥を掘り返すことに喜びを感じてきたと振り返り,その

                            書評 「「誤差」「大間違い」「ウソ」を見分ける統計学」 - shorebird 進化心理学中心の書評など
                          • “阿寒湖のマリモ”温暖化で湖が凍らないと死んでしまうおそれ | NHK

                            国の特別天然記念物「阿寒湖のマリモ」について、温暖化で湖が凍らなくなると日光でマリモの表面の細胞が傷つき、死んでしまうおそれがあるとする研究結果を、東京大学や釧路市教育委員会などの研究グループがまとめました。 国の特別天然記念物に指定されている「阿寒湖のマリモ」は丸い形で、直径30センチ程度まで大きくなるものもあります。 阿寒湖は冬に湖面全体が氷で覆われますが、温暖化が進み凍らなくなった場合どうなるか、東京大学植物生態学研究室の河野優特任助教と釧路市教育委員会などの研究グループが影響を調べました。 実験では特別に許可を得て採取したマリモを使いました。 凍らないと日光が直接湖底まで差し込むようになるため、実験ではこれと同じ状況を想定し、水温を2度にして表面の糸状の藻に強い光を当て、変化を観察しました。 1日6時間以上強い光をあてたところ、活性酸素が生成されて細胞が傷つき、数日後に死んでしまっ

                              “阿寒湖のマリモ”温暖化で湖が凍らないと死んでしまうおそれ | NHK
                            • 人類は約60万年前に社会学習を通じて技術知識を急速に蓄積し始めたことが石器の分析で判明

                              人類は長年にわたり多種多様な知識を蓄積・継承することで、個人の力だけでは作れない文化を築き上げました。過去330万年間の石器を分析した新たな研究では、「人類は約60万年前に技術的知識を急速に蓄積し始めた」という結論が示されました。 3.3 million years of stone tool complexity suggests that cumulative culture began during the Middle Pleistocene | PNAS https://www.pnas.org/doi/abs/10.1073/pnas.2319175121 ASU study points to origin of cumulative culture in human evolution | ASU News https://news.asu.edu/20240617-sci

                                人類は約60万年前に社会学習を通じて技術知識を急速に蓄積し始めたことが石器の分析で判明
                              • 在野に学問あり 第7回 山下ゆさん

                                この連載は在野で学問に関わる人々を応援するものだ。 第7回は、ブロガーの山下ゆさんに話を聞く。新書ブログ「山下ゆの新書ランキング」は、新書業界においては知らぬものがいない。まさに「新書の目利き」として知られている人物だ。かく言う私も、本屋に行った時に「この本、そういえば山下ゆさんが9点って言ってたなぁ」と、新書を買ったことが何度もある。 ブログは2005年2月から、2022年現在まで週に1本のペースで更新されている。政治経済や思想、歴史に関する新書から1冊を取り上げ、山下さん自身による10点満点の採点と、5000字以上にも及ぶ新書の丁寧な要約と書評を掲載する。 プロフィールの欄には「通勤途中に新書を読んでいる社会科の教員です」とある。 在野研究を考える上で、教員の存在は重要だ。例えば郷土史や生物分類学・生態学の分野では、地元で働く先生たちが研究者となり、大学や博物館と連携しながら、その一端

                                  在野に学問あり 第7回 山下ゆさん
                                • 誤用される「焼畑農業」 ――Twitterの言説を中心に - たぶん大丈夫なブログ

                                  はじめに 「焼畑農業」を誤用した言説が巷に溢れている。 そのような言説は、主に2種類に大別できる。 一つは、焼畑農業を環境破壊的な農法だと誤解した上で、焼畑農業の是非についてや、森林火災など他の環境問題に絡めて論じる言説。 もう一つは、焼畑農業そのものを論じるのではなく、「○○は焼畑農業のように人材を使い潰している」「次から次へと業界を荒らし回る○○は焼畑的だ」など、別の物事について論じる際に、ネガティブな意味合いを含んだ比喩として使用する言説である。 この記事では、様々な言説が飛び交うTwitterを中心に見ていくことで、焼畑農業に関する誤解を解きほぐしながら、主に後者の言説(誤解に基づいた比喩として焼畑農業を使用する言説)を類型化して分析し、ひいてはそのような誤用が生じる要因について地理学的な観点から探ってみたい。 (画像1)エチオピア南西部における焼畑の火入れの様子。佐藤廉也のウェブ

                                    誤用される「焼畑農業」 ――Twitterの言説を中心に - たぶん大丈夫なブログ
                                  • 東大、デジカメ画像から植物の3次元形質を測定可能なPythonパッケージ公開

                                    東京大学は6月15日、一般的なデジタルカメラの画像から、鉢植え植物の3次元データを高精度に自動測定するPythonパッケージ(EasyDCP:Easy Dense Cloud Phenotyping)を開発し、公開したと発表した。 EasyDCPを利用した測定の大まかな流れ 資料:東京大学 同大学によると、近年は植物の3次元形質を非破壊的に測定するための手法が発展してきているが、既存のシステムは高価であり、大規模な施設や専門的な装置が必要といった理由から、生態学の分野ではそれらのシステムがほとんど用いられてこなかったという。 しかし、生態学的研究において草丈、投影葉の面積、草姿など植物の形に関する測定は非常に重要であり、鉢植えの植物を安価で高速に測定するシステムが必要とされていた。そこで同大学は、一般的なデジタルカメラと、市販およびオープンソースのソフトウェアを組み合わせたパイプライン(E

                                      東大、デジカメ画像から植物の3次元形質を測定可能なPythonパッケージ公開
                                    • ピーター・ターチン「“食物連鎖の下層を食べること”の闇の側面」(2021年3月6日)

                                      The dark side of “eating lower on the food chain” March 06, 2021 by Peter Turchin 9年前、私は人生において最も重大な決断を下した――いわゆるパレオダイエット [1]訳注:狩猟採集民に倣って、肉や野菜を中心に食べ、穀物をなるべく接種しない食事方法 に切り替えたのだ(「パレオ」は、少し誤解を表現だと過去のエントリで説明している)。もし切り替えていなければ、アメリカの肥満統計の上昇に私は貢献していたに違いない。パレオダイエットに切り替えてから、半年も経たないうちに、体重が20ポンドも減り、平均値は今の体重に落ち着いた。もっとも、体重は実際にはさほど重要でない。よりもっと重要なのが、切り替えてからの数ヶ月後に、総体的な健康状態の劇的な改善を私が経験したことにある。今、私は10年前より気分が良い、(間違いなく)10歳老

                                        ピーター・ターチン「“食物連鎖の下層を食べること”の闇の側面」(2021年3月6日)
                                      • 環境省:中国の3分の1の都市が大気質基準を満たせず - 黄大仙の blog

                                        中国環境部は、『美しい中国の建設を全面的に推進する』2023年中国環境戦略・政策学術年次大会での講演の中で、2022年末の時点で、中国の3分の1近くの都市の大気質がまだ基準に達していないことを認めました。 中国国内ニュースサイト百度新聞に掲載された記事より。 2023年4月6日吉林省長春に突然出現した深刻な空气污染 環境部はまた、土壌汚染が一部の地域で蓄積し続けていること、農村生態学がまだ十分に注目されていないこと、環境緊急事態が頻発する高いリスクがまだ根本的に変わっていないこと、騒音、煙霧、悪臭などの顕著な環境問題がまだ数多く存在していることを指摘しました。 しかし環境部は依然として、中国の生態環境の趨勢は絶えず改善していると強調しています。 2022年の地級以上の都市におけるpm2.5の平均濃度は初めて1立方メートル当たり29μgに低下し、重汚染日数は93%減少し、表流水における良好な

                                          環境省:中国の3分の1の都市が大気質基準を満たせず - 黄大仙の blog
                                        • 「左派からの科学への攻撃」で遺伝も性別もタブーに… ダーウィンもメンデルも“キャンセル”されてしまうのか(クーリエ・ジャポン) - Yahoo!ニュース

                                          ジェリー・A・コイン 進化生物学者、米シカゴ大学生態学・進化学部名誉教授。著書に『進化のなぜを解明する』(日経BP刊)、『信仰 vs 事実 なぜ科学と宗教は相入れないのか』(未邦訳)など Photo: altmodern / Getty Images 米国の生物学者で進化論の大家、ジェリー・コインは愛してやまないショウジョウバエの研究と同時に、人類の分析も厭わず進めている。彼は戦う無神論者であり、中道左派であり、この数年は創造論者たち、新創造論者たちと闘ってきた。しかしいま、コインが危惧しているのは、自らの陣営であった進歩主義者たちの“エセ科学”的な姿勢である。 【続きを読む】「人間の差異は環境だけに由来するという考えは、ばかげています」 ──ダーウィン主義の生物学者のあなたは、宗教右派と論争してきました。しかし、左派に対して警鐘を鳴らすようになったのはなぜでしょうか? もともとの私の論敵

                                            「左派からの科学への攻撃」で遺伝も性別もタブーに… ダーウィンもメンデルも“キャンセル”されてしまうのか(クーリエ・ジャポン) - Yahoo!ニュース
                                          • 解禁ムードの今伝えたい「隙を突くウイルス」の本質 前編|中央公論編集部|中央公論.jp

                                            Go To トラベルやイートが導入された10月半ばに、「解禁ムード」に警鐘を鳴らす対談を行った。 日本の理論疫学のエースである西浦博教授と、共著書『新型コロナからいのちを守れ!――理論疫学者西浦博の挑戦』(中央公論新社)を12月10日に刊行する川端裕人氏による対談の「後半部」をお届けする。 GoToや海外渡航解禁は大丈夫? 川端 GoToキャンペーンの本格化や国際的なビジネス移動の解禁が始まりましたが、大丈夫なのでしょうか。 西浦 感染予防の観点からは、これらは決してよい要素ではありません。私自身はこれまで「感染者が増えた場合の備えがない限り、移動の解禁は困る」と、リスク軽視を危惧する立場から発言をしてきました。でもGoToをやるとなれば、私たちがいくら「ダメです」と訴えたところで、経済的理由で始まってしまう。だとしたら一歩大人になって開き直り、専門家として何ができるかを考えるしかありませ

                                              解禁ムードの今伝えたい「隙を突くウイルス」の本質 前編|中央公論編集部|中央公論.jp
                                            • インド洋のキハダマグロが過去70年で70%も減少していることが明らかに

                                              by nosha 寿司や刺身、ポキなどの料理にはマグロが欠かせません。クロマグロやミナミマグロに比べて脂肪分の少ないキハダマグロは、日本だけではなく世界中で消費されている食用魚ですが、近年インド洋に生息するキハダマグロが激減しているという研究が発表されました。 Multiple lines of evidence highlight the dire straits of yellowfin tuna in the Indian Ocean. - ScienceDirect https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0964569123004271 Tuna species popular in sashimi and poke bowls in sharp decline in the Indian Ocean https://

                                                インド洋のキハダマグロが過去70年で70%も減少していることが明らかに
                                              • 立体音響と90年代のイルカ ヘンリー川原論考(時代考証資料編) | TURN

                                                【はじめに】 昭和天皇崩御のちょうど1年前、日本の書店の局所で、『ホロフォニクス・ライブ』と題されたまがまがしい装丁のカセットブックがとぶように売れていた。そのカセットの中味は外装から連想できそうもない日常に付帯する音が収録され、定価は当時のミュージックテープの倍近い4800円。てっとり早くいえば、生活音のテープが高値でバカ売れしたのだ(!)。昨今、動画投稿サイトにひしめく「ASMR」コンテンツの系類の先祖(※註1)でもあるこのリリースを仕掛けたのは、古史古伝や神道霊学関連の文献を出版していた《八幡書店》だった(※註2)。これが呼び水となり、ヘンリー川原を名乗る音楽家が同出版社を訪れたことでひとつのストーリーが動きはじめる。 『ホロフォニクス・ライブ』カセット ヘンリー川原は福岡出身のエレクトロニック・ミュージック・プロデューサーで、エンジニアリングも得意とし、90年代前半の短いあいだ、ア

                                                  立体音響と90年代のイルカ ヘンリー川原論考(時代考証資料編) | TURN
                                                • 自分で外せない追跡装置を嫌がった鳥が「仲間に追跡装置を外してもらった」と判明、鳥には珍しい利他的行動の例

                                                  鳥の脚に追跡装置を取り付けるという調査を実施したオーストラリアの研究チームが「取り付けた追跡装置が全て外された」と新たに報告しました。この追跡装置は自力では取り外せない設計でしたが、「仲間に外してもらう」という鳥類にはめったに見られない利他的行動によって除去されたことが分かりました。 Altruism in birds? Magpies have outwitted scientists by helping each other remove tracking devices https://theconversation.com/altruism-in-birds-magpies-have-outwitted-scientists-by-helping-each-other-remove-tracking-devices-175246 新たに鳥の利他的行動に関する新発見を報告したのは、

                                                    自分で外せない追跡装置を嫌がった鳥が「仲間に追跡装置を外してもらった」と判明、鳥には珍しい利他的行動の例
                                                  • 暗黒時代に失われた物語を生物学的な「大量絶滅」として分析してみた(オックスフォード大学) - ナゾロジー

                                                    物語の「絶滅」を生物学的に分析した研究が発表!物語の「絶滅」を生物学的に分析した研究が発表! / Credit:Canva物語は文化という環境の中を生き抜く「生命」としての側面があります。 物語も生物と同じように誕生し、複製され、ときには突然変異し、災害や戦火で完全に失われ「絶滅」することがあります。 また物語の内容はDNAと同じく文字列でつづられており、生物と同じく複製のたびにエラーが発生します。 最新の研究では、生物の突然変異は中立かつ均等に起こるのではなく、酸素呼吸のように生存に不可欠な遺伝子には、変異が起きにくいようにプロテクトがかけられていることがわかっています。 同様に物語が複製されるときに生じるエラーも、文末表現やちょっとした表現の違いなど重用でない部分で起きやすい一方で、主人公の名前など重要な部分は変化が起こりにくくなっています。 物語には突然変異の概念も存在します。 書き

                                                      暗黒時代に失われた物語を生物学的な「大量絶滅」として分析してみた(オックスフォード大学) - ナゾロジー
                                                    • 書評 「WEIRD 「現代人」の奇妙な心理」 - shorebird 進化心理学中心の書評など

                                                      WEIRD「現代人」の奇妙な心理 上 経済的繁栄、民主制、個人主義の起源 作者:ジョセフ・ヘンリック,今西康子白揚社AmazonWEIRD(ウィアード)「現代人」の奇妙な心理 下:経済的繁栄、民主制、個人主義の起源 作者:ジョセフ・ヘンリック白揚社Amazon 本書は文化進化研究の第一人者で「文化がヒトを進化させた」の著者でもあるジョセフ・ヘンリックによる一冊.WEIRDという書名から多くの心理学研究のサンプルが西洋諸国の大学生に偏っている問題を扱ったものかと思っていたら,そうではなく,この西洋諸国の大学生の心理傾向が,実際にとても奇妙(weird)であり,それがどのようにしてそうなったのかを説明していく大著だった.ヘンリックの説明はもちろん文化進化を主軸においているが,歴史的経緯が詳しく描かれており,読みごたえのある本に仕上がっている. 日本を含む東アジアの人々にある集団主義的心理と,西

                                                        書評 「WEIRD 「現代人」の奇妙な心理」 - shorebird 進化心理学中心の書評など
                                                      • 都市の変化(都市計画や再開発)により失われる記憶の風景とアノミーの影響関係 ~街=都市の建物や風景もメディアと同じように常に変化していく - 日々是〆〆吟味

                                                        都市の変化とアノミー 〜メディアも街も、絶え間なく変わっていく…. 集合表象とアノミー 変化し続けるメディア環境 変化し姿を変えていく街(=都市) 気になったら読んで欲しい本 パーク『実験室としての都市』 パーク他『都市』 マクルーハン『グーテンベルクの銀河系』『メディア論』 マクルーハンの解説書 デュルケーム『宗教生活の原初形態』『自殺論』 江藤淳『成熟と喪失』 前回のお話 Loading... 都市の変化とアノミー 〜メディアも街も、絶え間なく変わっていく…. そのようなわけで、都市の大衆がなぜアノミーになるかといえば、メディアが目まぐるしく変わるから、と考えられるのでした。もうちょっと考えてみましょうか。 集合表象とアノミー 前にも書いたかと思いますが、人間の精神も最初に与えられたものを前提に物事を捉えたり、考えたりすると、一応そう考えてみることにします。動物でいう刷り込みと同じよう

                                                          都市の変化(都市計画や再開発)により失われる記憶の風景とアノミーの影響関係 ~街=都市の建物や風景もメディアと同じように常に変化していく - 日々是〆〆吟味
                                                        • 「500年後に日本人が佐藤だけになる」という試算の問題と改善

                                                          この投稿は https://ill-identified.hatenablog.com/entry/2024/04/21/230009 に投稿したものと同一の内容です. どのサービスが一番文書を書きやすいかを調べるために, いくつかのサービスで同一の内容を投稿しています. この記事の要約 先日報道された「500年後に日本人が佐藤だけになる」という試算の内容に違和感を覚えた. 資料を確認してみると, 大きな問題のある方法で試算がなされていることがわかった. 苗字の絶滅問題について, より実現可能性の高いシナリオをシミュレーションし, そのプログラムと結果を公開した 報道された試算とは大きく異なる結果を得られた より精緻な分析を行いたいが, 技術的・計算リソース的なハードルに阻まれている なんか良いアイディアあったら教えてください はじめに 注: 本稿のシミュレーションはまだ完了していません.

                                                            「500年後に日本人が佐藤だけになる」という試算の問題と改善
                                                          • 自己破壊する予言――感染症数理モデルの行方/日比野愛子 - SYNODOS

                                                            サイエンスフィクションをはじめ、物語の世界では、ある一時点の選択をきっかけに異なるストーリーが展開していく様がときどき描かれる。たとえば映画『スライディングドアー』では、主人公が発車間際の地下鉄列車に乗り込めた世界と、そうでなかった世界の両方が並行して描かれていく。乗車という選択の時点で世界はいわば2つの世界に枝分かれし、両者はクロスすることなく異なる結果に向かう。ほかのSFでは分裂した2つの世界を横断する旅行者が登場してやんやと話を盛り上げる場合もある。とはいえ多くの物語は、枝分かれしたもう片方の世界を私たちがけして見ることができない点をほのめかすものだ。この「分裂する世界」をヒントにこのたびの感染症問題を考えてみたい。 このたびの新型コロナウイルス感染症は世界中に大きな混乱を招いており、これにどのように対処すべきかの議論が紛糾している。2020年原稿執筆時点(2020年6月)の日本では

                                                              自己破壊する予言――感染症数理モデルの行方/日比野愛子 - SYNODOS
                                                            • ソバの結実率、アリがいると1・5倍に 東大院が飯島で調査 | 信濃毎日新聞[信毎web]

                                                              アリが花の送粉(花粉の媒介)に関わったソバは、関わらなかったソバと比べて結実率が1・5倍ほど高い傾向にあることが6日までに、東京大大学院の研究室が上伊那郡飯島町で行った調査の速報値で分かった。ソバは主にハチやアブ、チョウが送粉するとされてきただけに、意外なアリの仕事ぶりに県内の農業関係者らも興味津々。研究室は実際の生産に生かせるかどうか、さらに調査、研究を進める。 調査は生物多様性科学研究室が昨年6月に4カ所、同9月に5カ所の畑で行った。それぞれで、受粉前に粘着性スプレーを根元に吹き掛け、アリが花まで上れないようにして他の昆虫の送粉しか期待できなくした6株と、手を加えない12株とを比較。受粉しなかった花と結実した花を数え、結実率を算出した。 速報値ではいずれも、手を加えなかった株の結実率が平均3割ほどだったのに対し、アリが花まで上れないようにした株は同2割ほどだった。 同研究室の宮下直(た

                                                                ソバの結実率、アリがいると1・5倍に 東大院が飯島で調査 | 信濃毎日新聞[信毎web]
                                                              • 「老化」は生命の進化において重要な役割を持っている可能性があるとの研究結果

                                                                老化には病気の苦しみや死への恐怖といったマイナスイメージがつきまといますが、数百万年の進化の道のりを再現するコンピューターシミュレーションにより、年を取ることは動物が生存競争を有利に進める上で重要な性質である可能性が示されました。 Directional selection coupled with kin selection favors the establishment of senescence | BMC Biology | Full Text https://bmcbiol.biomedcentral.com/articles/10.1186/s12915-023-01716-w Hungarian scientists prove that senescence ca | EurekAlert! https://www.eurekalert.org/news-releases

                                                                  「老化」は生命の進化において重要な役割を持っている可能性があるとの研究結果
                                                                • アメリカザリガニについて - オイカワ丸の湿地帯中毒

                                                                  外来種としてのアメリカザリガニの侵略性について、最近読んだ関連論文のメモと感想。 Anastacio, P.M., Parente, V.S., Correia, A.M. (2005) Crayfish effects on seeds and seedlings: identification and quantification of damage. Freshwater Biology, 50: 697-704.(LINK) ※アメリカザリガニによる水生動植物の捕食と稲への食害を報告した論文。 Angeler, D.G., Sanchez-Carrillo, S., Garcia, G., Alvarez-Cobelas, M. (2001) The influence of Procambarus clarkii (Cambaridae, Decapoda) on water q

                                                                    アメリカザリガニについて - オイカワ丸の湿地帯中毒
                                                                  • 価値観の違いすぎる変化を要求する田舎から都市への近代的大移動 〜引き剥がされる生まれ故郷の価値観と適応を迫られる新しい社会の価値観 - 日々是〆〆吟味

                                                                    田舎/共同体から都市/社会への移動と価値観の変化 生まれ持った環境の価値観と人間の精神 生まれ故郷の価値観と、新しい都市の価値観 引き剥がされる生得環境的価値観 気になったら読んで欲しい本 ウィリアムズ『田舎と都市』 フロイト『精神分析学入門』 ローレンツ『ソロモンの指輪』 ローレンツ『動物行動学』 『エッダ』 神島二郎『近代日本の精神構造』 パーク他『都市』 前回のお話 Loading... 田舎/共同体から都市/社会への移動と価値観の変化 人間が田舎/共同体から都市/社会へと移動するとどのようなことが起こるでしょうか。ひとつは生まれてから今日まで培った価値観や関係性を喪失してしまうことがあげられるかと思います。 生まれ持った環境の価値観と人間の精神 たしかフロイト大先生も書いていたんじゃないかと思いますが(忘れた)人間の精神は幼少期に与えられた影響によって大きく変わってきます。とりあえ

                                                                      価値観の違いすぎる変化を要求する田舎から都市への近代的大移動 〜引き剥がされる生まれ故郷の価値観と適応を迫られる新しい社会の価値観 - 日々是〆〆吟味
                                                                    • 翻訳:ピーター・ワッツ「ゼロズ」 - 忘れないために書きます

                                                                      ゼロズ 著:ピーター・ワッツ 訳:呉衣悠介 (訳文の見直し中です) 最終更新日:2021年5月6日(「死者の世界」周りに手を入れました) Peter Watts の中編小説 ZeroS (2017) の日本語全訳。 原文は CC BY-NC-SA(表示 - 非営利 - 継承 )2.5の下に提供されており、翻訳はライセンスを継承している。 なお、本作品のCCについてはピーター・ワッツのホームページに記載がある。 アサンテは叫びながら死に向かう。地獄はエコー・チェンバーで、叫び声と海水と金属がぶつかりあう音にあふれている。隔壁に沿って怪しげな影が動き、緑色の光の網目があらゆる表面に蠢いている。サヒリートたちは、輝くラグーンにいる生き物のように、船の 開口部 ( ムーンプール ) から浮かび上がってくる、と同時に発砲する。暗い霧の中、ラシダの胴体が爆発して、上半身がデッキの上にくずれ落ちる。キト

                                                                        翻訳:ピーター・ワッツ「ゼロズ」 - 忘れないために書きます
                                                                      • 動物のもつ倫理的な重み――動物倫理と環境倫理の対話/久保田さゆり×吉永明弘 - SYNODOS

                                                                        シリーズ「環境倫理学のフロンティア」では、環境倫理学の隣接分野の研究者との対話を行います。今回は「環境倫理×動物倫理」として、若手の動物倫理の研究者である久保田さゆりさんと対話を行います。久保田さんは、「動物にたいする倫理的配慮と動物理解」や、「動物にたいする不必要な危害と工場畜産」によって、地に足のついた動物倫理の考え方を多くの人が納得できる形で提示しています。今回は、そこで展開されている議論をふまえて、動物倫理の最新の研究内容と、そのなかでの久保田さんの立ち位置についてお聞きします。 吉永 最初に環境倫理と動物倫理の関係を簡単におさらいします。1970年代にアメリカに登場した環境倫理学のなかで、ピーター・シンガーの「動物の解放」やトム・レーガンの「動物の権利」の議論が紹介され、人間以外の生きものを倫理の中心にすえる「人間非中心主義」の一つの代表として位置づけられた。シンガーやレーガンが

                                                                          動物のもつ倫理的な重み――動物倫理と環境倫理の対話/久保田さゆり×吉永明弘 - SYNODOS
                                                                        • 書評 「The Parasitic Mind」 - shorebird 進化心理学中心の書評など

                                                                          The Parasitic Mind: How Infectious Ideas Are Killing Common Sense 作者:Saad, GadRegnery PublishingAmazon 本書は進化心理学者ガッド・サードによる一冊.ガッド・サードは消費者心理やマーケティングを進化心理学的に分析考察する業績で知られている.題名は「寄生性の心:どのように感染性のアイデアが常識を殺すのか」という意味であり,一見したところミーム論の本のように見える(私としては進化心理学者の書いたミーム論だと思って手にした一冊になる).しかし実際に読んで見るとこれは現在アメリカのアカデミアで一大勢力を振るうウォークプログレシブによるキャンセルカルチャー告発の書であった.アカデミアのキャンセルカルチャーの問題を扱った心理学者がかかわった本としては以前にルキアノフとハイトの「The Coddling

                                                                            書評 「The Parasitic Mind」 - shorebird 進化心理学中心の書評など
                                                                          • 訂正-中国・武漢の市場、パンデミック起源の可能性大=米研究

                                                                            新型コロナウイルスの最初の感染者は中国・武漢市にある市場の売り子で、市場とは無関係と思われる会計士ではなかった──。米アリゾナ大学で生態学・進化生物学の責任者を務めるマイケル・ウォロビー氏が、18日に出版された学術誌「サイエンス」に掲載した論文でこうした研究結果を示した。写真は武漢の海鮮市場、1月撮影(2021年 ロイター/Thomas Peter) (英文の訂正により、第1段落の「18日に出版された学術誌『サイエンス』に掲載した論文」を「18日に公表された解説」に訂正し、文中の「論文」を「解説」に修正します。) [シンガポール 19日 ロイター] - 新型コロナウイルスの最初の感染者は中国・武漢市にある市場の売り子で、市場とは無関係と思われる会計士ではなかった──。米アリゾナ大学で生態学・進化生物学の責任者を務めるマイケル・ウォロビー氏が、18日に公表された解説(訂正)でこうした研究結果

                                                                              訂正-中国・武漢の市場、パンデミック起源の可能性大=米研究
                                                                            • 藤井聡太さんの幼少期 -将棋に夢中に取り組み始めるまでの話- - すごい人研究所

                                                                              藤井聡太さんの幼少期 聡太さんの幼少期について触れた本には、聡太さんはいくつかの物事に熱中している様子が紹介されていました。紙を編み込んで作るハートバッグを、時には200個家に溜まるくらい作り込んだり、木製パズルのキュボロにもハマりました。キュボロは、1辺5センチくらいの木片に、様々なパターンの溝が彫られていて、それを組み立ててビー玉を転がす遊びです。聡太さんの将棋の活躍により、キュボロの注文が殺到して入手困難になったそうです。聡太さんの幼少期に触れて、聡太さんは物事に満足いくまで熱中できる環境で過ごしていたことが分かりました。 また、興味の無い事は無理矢理やらせない環境だったのだと思います。あれこれ夢中になった先に、大人から提示されたものの中にたまたま将棋があった。そこに夢中になれるように育った聡太さんが取り組んで将棋に熱中した。ですから大人が子どものためにできることとして、色々なものに

                                                                                藤井聡太さんの幼少期 -将棋に夢中に取り組み始めるまでの話- - すごい人研究所
                                                                              • 書評 「招かれた天敵」 - shorebird 進化心理学中心の書評など

                                                                                招かれた天敵――生物多様性が生んだ夢と罠 作者:千葉聡みすず書房Amazon 本書は進化生物学者千葉聡による天敵を利用した生物的防除の歴史を扱う大作.千葉は「歌うカタツムリ」でカタツムリを題材に淘汰と浮動の進化観をめぐる壮大な進化学説史を語ってくれたが,本書では生物的防除の成功と失敗の歴史を滔々と語り,そのストーリーテラーの才能をまたも披露してくれている. 序章にあたる「はじめに」では,「自然」という著しく複雑で多様な系に対して科学の手法であるモデル化で対応することの限界とリスクが指摘され,より良い解決を望むなら歴史を知ることが有益ではないかと示唆されている.本書は有害生物防除についての歴史を知るために書かれているのだ. 第1章 救世主と悪魔 冒頭はレイチェル・カーソンの「沈黙の春」から始まる. 1939年に殺虫効果が発見されたDDTは人体への危険がほとんどないと認識され,マラリア撲滅の切

                                                                                  書評 「招かれた天敵」 - shorebird 進化心理学中心の書評など
                                                                                • ペットは人を幸せで健康にするのか? 研究が示す本当のところ

                                                                                  ペットを飼うことは、高齢者をはじめ、友人や家族との親密な関係が希薄な人にとっては特に重要な効果をもたらす。(PHOTOGRAPH BY ROBERT CLARK, NAT GEO IMAGE COLLECTION) イヌは長い間、人間の最良の友と呼ばれてきた。その主な理由は忠誠心、愛情、サービス精神といったイヌの性質だ。米国ミシガン州グランドラピッズ在住のシャロン・リードさんはイヌの献身的な愛情を実感している一人だ。「夫の死後、愛犬が最も頼りになる存在となり、愛犬のおかげで、つらい時期を乗り越えることができました」 ペットを飼うことが健康にもたらす利点として最も広く知られているのは、ストレスに対処しやすくなること、共感や思いやりの精神が育まれること、「孤独の害から守られる」ことだと米パデュー大学の動物生態学教授で、同大学ヒューマン・アニマル・ボンド・センターの所長を務めるアラン・ベック氏は

                                                                                    ペットは人を幸せで健康にするのか? 研究が示す本当のところ