6月10日に公表された2024年5月の景気ウォッチャー調査(調査期間:5月25~31日)が弱かったことについて、筆者は重く受け止めている。 具体的には景気の現状判断DI(季節調整値)は45.7(前月差マイナス1.7pt)と3カ月連続で低下、先行き判断DI(同)は46.3(同マイナス2.2pt)とこちらも3カ月連続の低下となった 。 今回の悪化によって現状判断DIは2022年8月以来、先行き判断DIは2022年7月以来の低水準となった。いずれも円安懸念や実質賃金の下落が不安視された2023年よりも前の水準まで低下していることが、筆者が今回の結果を重く受け止めている理由である。 景況感の支えがなくなってきた 足元では「円安によるインフレ再高進が消費を冷やす」という見方が多くなっており、景気ウォッチャー調査が悪化するのは自然なことのようにも思える。しかし、2023年は円安が進む中でも当該調査は堅