JBL社の受付(撮影/大野洋介)この記事の写真をすべて見る 厚生労働省で記者会見を行う女性(撮影/小林美希) 育児休業の取得後に正社員から契約社員になったのは、「マタニティーハラスメント」にあたるとして、原告女性(38)が勤務先に慰謝料などを求めた訴訟の控訴審判決があり、東京高裁は一審の判決を覆し、逆転敗訴を言い渡した。マタハラには相当せず、勤務先に違法性はない、と断じた裁判長は女性の請求の大半を棄却し、衝撃が走った。一審で勝訴したマタハラ訴訟の判決はなぜ、大きく覆ったのか?。その舞台裏を追う。 【画像】記者会見を行う女性 東京高等裁判所の第809号法廷――。 2度の延期の末、約4カ月半も遅れて判決が言い渡された11月28日、法廷には何人もの裁判所職員が配置され、物々しい雰囲気に包まれた。女性の応援者が大半を占め満席状態となった傍聴席に筆者も座った。裁判官が入室すると法廷は静まり返り、皆が