しばしば、日本の文化や日本人の精神構造は特殊だと言われる。しかしそれは、日本の文化や日本人の精神が特殊な発達を遂げたからではない。たんに発達が未熟であったからにすぎない。標準的な発展を遂げた他の文化圏の人々と比べると、日本人は、外観だけでなく性格が幼児的に見える。そして、この幼児性ゆえに、日本文化は、特殊であるように見えるだけなのだ。 典型的な日本の萌えキャラクター[1]。目を大きく描くことでその幼児性が強調されている。 1. 日本文化のネオテニー的性格ウーパールーパーのように、幼生の特徴を残したまま成体になる個体を、生物学ではネオテニーと呼んでいる。日本という国は、経済的には大人になったが、文化的・精神的には幼児のままであり、その意味で、ネオテニー国家だということもできる[2]。 これまで、日本文化の特殊性について様々な議論がなされてきたが、以下、代表的な古典的見解を取り上げて、それらが