8月9日投開票の埼玉県知事選で、自民党埼玉県連が心臓外科医で順天堂大医学部教授の天野篤氏(59)の擁立を断念する方向で最終調整に入ったことが18日、わかった。 複数の県連幹部が明らかにした。近く記者会見を開いて正式発表する見通しで、県連の候補者選びは振り出しに戻ることになる。 県連は、昨年7月の大会で知事選に独自候補を擁立する方針を明らかにし、5月13日に、知名度の高い天野氏に出馬要請したことを公表した。 県連幹部によると、天野氏は当初、出馬に前向きな姿勢を示していた。しかし、出馬要請の公表後、2012年に天皇陛下の心臓の冠動脈バイパス手術を執刀した経歴を巡り、党内外から「選挙戦で掲げれば、皇室の政治利用にあたるのではないか」との指摘が相次いだ。さらに、上田知事が17日に4選出馬を表明し、「立候補は厳しい状況」としている天野氏の説得は極めて難しい情勢となった。 このため、県連は代わりの候補