金×淳×も、『ユリイカ』などに著書の広告が出てはや二年。今私たちの興味関心は、これが三周年を迎えるか、どうかである。 私は三十歳の頃から、周囲の人たちを、編集者に紹介して著書を出させようとしてきた。今思えば、親切なようで、恩に着せようとしていたのだろう。だが、うまくいかないことのほうが多く、うまく行ったのは、既に著書を出している人の例であった。 さる英文学者が、今はなきカッパブックスで、シェイクスピアのソネッツに関する本を書きたいなどと言っていて唖然としたことがある。まあそれはそれとして、初めて本を出す時は、一冊分原稿を揃えて売り込まなければまず問題にならない。金×のようなのは、上×千×子だか誰だか知らないが、よほどの大物が押し込んだ結果としか思えないのである。その上×が、90年代初めに、日本で初めて男性同性愛について博士論文を「書いた」と言って興奮していたように記憶する古××は、実際は博