いわゆる伝統的な経済学と、行動経済学の違いとはどのようなものでしょうか。 まず、伝統的な経済学はとても単純な仮定からスタートしています。人々は完全に合理的で、揺るがない選好性があると仮定しています。一方、行動経済学にはそんな仮定はなく、実験、実験で実際の行動を観察することからスタートします。 そして、経済理論が描く「合理性」から外れた行動を確認してその理由を解き明かしていく。そのため行動経済学の方がはるかに現実的で、それゆえに伝統的な経済学よりも人間について少し悲観的です。そして、だからこそ面白い。 行動経済学は経済学ではない、という人がたまにいるようですが、お話になりませんね。行動経済学は世界中からデータを集めていますし、そのデータを正しく取り扱って分析しています。私自身も伝統的な経済理論は好きですし、人間の性質の一部を描いてはいると思います。 制度を考えると人が完全に合理的だと仮定でき