今春に公開された『ONE PIECE ―オマツリ男爵と秘密の島―』は、映画版『ONE PIECE』の6作目。『デジモンアドベンチャー ぼくらのウォーゲーム!』や『SUPERFLAT MONOGRAM』等で高い評価を得た、細田守の久し振りの劇場作品だった。彼の凝った画面作りは健在。また、重たいテーマを扱った異色作でもあった。DVDリリースをきっかけに『オマツリ男爵と秘密の島』についての話を、彼に訊いてみる事にしよう。 ●2005年8月8日 取材場所/東京・吉祥寺 取材・構成/小黒祐一郎 PROFILE 細田守(Hosoda Mamoru) アニメーション映画監督。1967年9月19日生まれ。富山県出身。金沢美術工芸大学卒業後、東映動画(現・東映アニメーション)でアニメーターとして活動を始め、後に演出家に転向。監督作品の劇場版『デジモンアドベンチャー ぼくらのウォーゲーム!』で高い評価を得る。
昨日の原稿を仕上げた後で、アニメの「いる感」について書いておこうと思った。ここ数年、僕がずっと気になっているテーマだ。実は、このテーマで新書を1冊書くという話もあったのだが、半年以上も編集担当から連絡がないところをみると、企画が流れてしまったのだろう。 「いる感」というのは、アニメのキャラクターが目の前に「いる」ような気がする事だ。「いる感」という言葉が指すものは「存在感」に近いけれど、もっと感覚的なものであり、観る側の思い入れも絡んでくる。映像を観ていて、その中のキャラクターが本当に生きているかのように感じてしまう。それが「いる感」だ。 個々の人達が意識しているかどうかは別にして、アニメを観る側にとっても、作る側にとっても「いる感」が非常に重要だ。「いる感」が強くなれば、キャラクターに対する感情移入が深まり、ドラマの感動も増す。「いる感」がなければ、キャラクターは単なる画になってしまう。
休載していたからお忘れの方もいるかもしれないが、『ポケモン』映画2作目の「X(後にルギアと名づけられる)爆誕」のXの性別の話である。 Xは地球に生命を生み出したといわれる深層海流のシンボルともいえるポケモンだった。 実は映画専用のポケモンとして考えた僕自身が、性別までは深く気にしないで設定していた。 ただ、生命を生み出したシンボル的なポケモンだっただけに、母性的な性格をイメージはしていた。 「Xはオスかメスか? 声を男にするか女にするか?」 プロット(あらすじ)を検討する会議で、御前様がいきなり、その問題を持ち出してきた。 『ポケモン』映画の2作目は、暗くて重い1作目の『ミュウツーの逆襲』とは違うアクションアドベンチャーを目指すことは会議前に了解済みだった。 しかし、まだ、プロットの段階である。 Xが人間の言葉を話すかどうかも僕は決めていなかった。 できることなら、人間の言葉など喋らない生
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