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吉見俊哉の検索結果1 - 40 件 / 71件

  • 人生を変える社会学──『岩波講座 社会学』刊行にあたって

    このたび、『岩波講座 社会学』が正式に刊行開始となりました。前回の「岩波講座」からほぼ30年経つ。私のほかに、北田暁大、筒井淳也、丸山里美、山根純佳の各氏が全体の監修を務め、テーマごとに編集される全13巻の各巻に、そのテーマに造詣が深い社会学者が編者になります。 前回の「岩波講座」が刊行されたときは、たしか私はまだ院生でした。貪るように読んだことを覚えています。あれから社会も、社会学も、大きく変化しました。 前回は上野千鶴子や吉見俊哉、大澤真幸などが全体の監修者で、巻数も26あったと記憶しています。各巻のタイトルも凝ったものが多かった。執筆者も社会学プロパーだけでなく、竹田青嗣などの周辺領域の方が入っていました。文体や内容も派手で、自由で、雑多で、それほど社会学とは関係のないものもたくさんありました。もちろんそれだけではなく、当時の最先端の社会学的な議論をしている論文もたくさんあって、たと

      人生を変える社会学──『岩波講座 社会学』刊行にあたって
    • おすすめ新書リスト200|高見温| On Takami

      とりあえず読んで良かった新書を羅列していきます。人文系に偏っているのは、性格上仕方がないのでご理解ください。とりあえず質うんぬんは大学院から考えて、インプット型の読書は量に限ります。 岩波新書・マイケル・ローゼン『尊厳』 ・スティーブン・グリーンブラット『暴君』 ・原武史『平成の終焉』『昭和天皇』 ・赤江達也『矢内原忠雄 戦争と知識人の使命』 ・山田隆司『名誉毀損』 ・岡本薫『著作権の考え方』 ・川島武宣『日本人の法意識』 ・諸富徹『グローバル・タックス』 ・枝廣淳子『地元経済を創りなおす』 ・渡邊泉『会計学の誕生』 ・志賀櫻『タックス・イーター』『タックス・ヘイブン』 ・宇沢弘文『経済学の考え方』 ・高島善哉『アダム・スミス』 ・菊地暁『民俗学入門』 ・山出保『まちづくり都市金沢』『金沢を歩く』 ・井戸まさえ『日本の無戸籍者』 ・栗原俊雄『勲章 知られざる素顔』 ・山田登世子『贅沢の条件

        おすすめ新書リスト200|高見温| On Takami
      • まず読みたい100冊

        I. <まず読みたい図書> 1)全学生向きの図書 著作名 著者・編者名 *シリーズ名な ど 出版社 西暦発行年 現在書店で 入手が可能 か(○または ×) 筑波大学図書館 での所蔵の有無、 ある場合は配架番 号 *その他の情報 紹介コメント(80字以内) 三四郎 夏目漱石 岩波文庫 岩波書店 ◯ 081-I95-G10-6 漱石が明治時代の大学生を描いた名作です。自分と比べて見るのも一 興。 地獄変・偸盗 芥川龍之介 新潮文庫 新潮社 ◯ 無 各作品は図書館所蔵 の他の版で読むこと ができる。 何百もの小説を残した芥川。「羅生門」だけじゃ物足りない。 万葉集と日本人:読み継がれる 千二百年の歴史 小川靖彦 角川選書 KADOKAWA 2014 〇 911.12-O24 古典と呼ばれる作品が現代までどのように読み継がれてきたのか、そして それは書物(モノ)としてどのように伝えられてきたのか。

        • 大人になってから、大学で学び直す。 - 週刊はてなブログ

          毎日さまざまな話題のエントリーが生まれるはてなブログの中から「旬な話題」をピックアップする企画「はてなブログで話題」。今回は「大人になってから大学で学ぶこと」をテーマに記事を紹介します。 大人だってずっと勉強だよ ところで就活の仕組みについて,学部生の研究がおもしろくなる前に就活が始まるのがおかしいと思う.自分のように大学院に行けばよかったと後悔しながら就職する人は結構いるんじゃないかと思う. でも大丈夫!就職してからでも進学できるから! 仕事を辞めて学生になったはなし - metalunk’s blog 学校を卒業して就職したあとに、自分が勉強したい内容が具体的になることってありますよね。 冒頭に引用したのは少し前、2017年のエントリーの言葉です。私は「大学院に行けばよかった」と後悔しているわけではありませんが、就職してから「あの講義を真面目に聞いておくべきだった」「こんな勉強をしてみ

            大人になってから、大学で学び直す。 - 週刊はてなブログ
          • 「職人的」な社会学は本当に社会を良くするのか? - あままこのブログ

            tanemaki.iwanami.co.jp はてブで珍しく社会学に対する肯定的な反応が数多く寄せられていますね。最近のインターネットでは殆ど社会学なんてパブリックエネミーみたいな扱いなのに。 ただ、むしろこの文章が評価されているのは、そういうインターネット上でパブリックエネミーと化した社会学のイメージを肯定し、「俺たちはそれとは違う実直な社会学をやるぜ」という主張をしているからとも言えます。 大風呂敷を広げた預言者v.s.「職人的」な社会学者 この文章の著者である岸政彦氏は、まず以前の岩波講座社会学について 前回は上野千鶴子や吉見俊哉、大澤真幸などが全体の監修者で、巻数も26あったと記憶しています。各巻のタイトルも凝ったものが多かった。執筆者も社会学プロパーだけでなく、竹田青嗣などの周辺領域の方が入っていました。文体や内容も派手で、自由で、雑多で、それほど社会学とは関係のないものもたくさ

              「職人的」な社会学は本当に社会を良くするのか? - あままこのブログ
            • 地形と暗渠で読み解く谷中・根津・千駄木の本5冊【街を読む】(寄稿・三土たつお) - SUUMOタウン

              著: 三土たつお 知っているはずの街も、書物を通して見るとまた違った景色が広がるかもしれません。新企画「街を読む」では、毎回一つの街やエリアを軸に、選者の方に独自の観点から書籍をご紹介いただきます。初回となる今回は、ライター三土たつおさんの「地形と暗渠(あんきょ)から谷根千を読み解く5冊」をお届けします。 谷中・根津・千駄木。隣接するこれら三つの地域は、近年「谷根千」という愛称で親しまれている。実際に訪れた人のなかには、その下町風情を残した街並みに惹かれたという方も多いのではないだろうか。 しかし、谷根千の魅力は地形や土地の歴史をひもといていくことで、よりはっきりと見えてくるかもしれない。このエリアの過去と現在、そして未来予想などが描かれたいくつかの本のなかから探ってみたい。 谷根千の特徴は地形にあり?『まち歩きガイド東京+』 『まち歩きガイド東京+』(TEKU・TEKU著、学芸出版社)

                地形と暗渠で読み解く谷中・根津・千駄木の本5冊【街を読む】(寄稿・三土たつお) - SUUMOタウン
              • チャンネル「春木晶子のムーセイオン」の終了に関する経緯および誤った情報の修正|春木晶子

                お世話になっているみなさまへ、お知らせいたします。 2021年9月28日より、合同会社シラス(株式会社ゲンロンのグループ企業)が運営する放送プラットフォーム「シラス」にて、チャンネル「春木晶子のムーセイオン」を運営して参りましたが、この度、一年のテナント契約期間満了に伴い、本チャンネルが終了することとなりました。2022年9月27日24:00をもって、すべての動画が見られなくなります (*1)。 なお、わたしは終了に同意や承諾をしておりません。 「シラス」でチャンネルを開設・運営するために結ばれるテナント契約は、一年契約ではありますが、これまで契約が更新されなかったチャンネルはありません。一年で終了となるのは本チャンネルが初めてとなり、異例の措置と言えます。しかし、シラス社から終了の理由や経緯などは発表されていません。またわたしも、この件に関してこれまで一切言及してきませんでした。 チャン

                  チャンネル「春木晶子のムーセイオン」の終了に関する経緯および誤った情報の修正|春木晶子
                • 大人もハマる子どもの新書

                  知らない分野をサクッと知りたいとき、新書が便利だ。 ところが、新書の中には、かなり難解で、入門書としては厳しいのも、けっこうある。 その点、子ども向け新書は、特に分かりやすく解説されている。だから、それを大人が読めば、「サクッと読める」という新書本来のメリットを得られる。 池上彰さんがブレークする前、子ども向けニュース番組を担当していたが、これ見ていた大人もかなり多かった。わたしも見ていたが、ポイントを絞って平易な言葉で伝えてくれており、非常に分かりやすかったことを覚えている。 だから、「子ども向け新書を、大人にも紹介する」という千代田図書館の企画は、知らない分野を広げるのにピッタリだろう。 もちろん、子ども向け新書を読んで「簡単すぎる」と感じる場合もある。その場合、巻末の文献案内から進むことができる。偏りを減らし、網羅性を目指した知の入り口として、子どもの新書を使うのだ。 千代田図書館の

                    大人もハマる子どもの新書
                  • ジャーナリズム信頼回復のための6つの提言|「ジャーナリズム信頼回復のための提言」チーム

                    今年5月に発覚した新聞記者と東京高検検事長の「賭け麻雀」を受け、日本のジャーナリズムに厳しい視線が注がれています。今回の問題は「関係者を処分すれば終わり」という単独の問題ではなく、日本メディアの職業文化に深く根ざしたもので、近年メディア不信を招いている記者会見の形骸化や、取材中の記者へのセクシュアルハラスメントなどにも通じる問題です。このため、取材者・研究者の立場から、取材現場の経験ならびに内外の研究で得た知見をもとに提言をとりまとめ、7月10日付で、日本新聞協会に加盟する新聞・通信・放送129社の編集局長・報道局長に送付しました。 提言には、志を持って業界に入った若手記者の悲痛な訴えも込められています。報道機関の具体的な取り組みにつながるよう、更なる賛同者を集めています。8月中に第2弾の提出を予定していますので、メディア関係の有無を問わず、幅広い皆さんにご賛同をいただければ幸いです。どう

                      ジャーナリズム信頼回復のための6つの提言|「ジャーナリズム信頼回復のための提言」チーム
                    • いま会いたい:「二度と五輪も万博もすべきでない」東大教授、もう一つの最終講義 | 毎日新聞

                      東京大安田講堂で「最終講義」をする東京大大学院教授の吉見俊哉さん=東京都文京区で2023年3月19日午後0時27分、田原和宏撮影 ちょうど3年前のことだ。新型コロナウイルスの感染拡大で最初の緊急事態宣言発令のさなか、社会学者、吉見俊哉さん(66)の「五輪と戦後 上演としての東京オリンピック」(河出書房新社)が刊行された。 この国にとって五輪とは何なのか。1964年東京五輪に立ち返り、歴史や社会の枠組みから批判的に考察した内容で、五輪報道に携わる記者の視座になった一冊でもある。東京大大学院教授でもあった吉見さんが「最終講義」に臨むと知り、3月に東大を訪れた。 「補講」をお願いした記者 「最終講義」のテーマは68年から69年にかけて続いた「東大紛争」。講義会場に選んだのは、紛争の舞台となった安田講堂だった。演壇の後方にあるスクリーンに当時の写真や映像が流れる中、吉見さんはこう切り出した。「記憶

                        いま会いたい:「二度と五輪も万博もすべきでない」東大教授、もう一つの最終講義 | 毎日新聞
                      • 1時間半かけて来たキャンパスの中国語授業、履修者がまさかのゼロだった話

                        楊 駿驍『日中韓のゲーム文化論』発売中! @yaoshunshyo 『日中韓のゲーム文化論』見本出来!3月5日発売です!日本初、そして(おそらく)世界初の東アジアゲーム批評アンソロジーです! 「いまや世界中が「ゲーム化」している。しかしその思想的意味はどこにあるのか。欧米を追い越し先頭にたった日本、それに迫ろうとしている中国・韓国のゲーム文化。三国の優れた批評のなかに独自性を探りつつ、東アジアのゲーム文化を展望すること論集」 以下目次 まえがき 楊駿驍、鄧剣 第Ⅰ部 日本におけるゲーム研究 第1章 日本ゲームはいかに語られてきたか――ゲームの批評/研究がめざすもの 中川大地 第2章 ゲームフリークはバグと戯れる  中沢新一 第3章 オタク論――カルト・他者・アイデンティティ  大澤真幸 第4章 重層化するメディアと子どもたちのリアリティ  吉見俊哉 第5章 萌えの手前、不能性に止まること―

                          1時間半かけて来たキャンパスの中国語授業、履修者がまさかのゼロだった話
                        • 留学生の差別的取り扱いに反対し、 すべての困窮学生に届く支援を要望する大学教員声明|留学生支援

                          以下の声明に賛成される方は、サイトの下部にあるgoogleフォームに署名をお願いします。大学教員をおもな対象とした署名活動ですが、他のお立場の方でも署名していただける方はお願いします。署名〆切:6月9日(火)まで 声明文のPDF版はこちらからダウンロードできます。 __________________ 留学生の差別的取り扱いに反対し、 すべての困窮学生に届く支援を要望する大学教員声明 5月20日付で文部科学省のホームページに掲載された“「学びの継続」のための『学生支援緊急給付金』の創設” は、新型コロナウィルス感染症拡大の影響を受けて大学等での修学の継続が困難になっている学生約43万人を対象に現金を給付するとし、対象学生には「※留学生を含む」とはっきり記載されています。 しかし「申請の手引」5ページには、留学生のみに「前年度の成績評価係数が2.30以上であること」という条件が課されています

                            留学生の差別的取り扱いに反対し、 すべての困窮学生に届く支援を要望する大学教員声明|留学生支援
                          • 「二つの限界」示した東京五輪 国家的イベント分析 東京大大学院の吉見俊哉教授に聞く:時事ドットコム

                            「成功神話」の呪縛 東京大大学院情報学環の吉見俊哉教授(本人提供)【時事通信社】 新型コロナウイルスの感染拡大が止まらず、東京都に緊急事態宣言が発令される中での開催となった東京五輪が8日、閉幕した。直前まで責任者が次々辞任するなどトラブルが相次いだが、開幕後は一転、メダルラッシュに日本中が沸いた。異例だった東京五輪をどう評価すべきなのか。万博や五輪など戦後日本の国家的イベントを分析してきた東京大大学院情報学環の吉見俊哉教授(社会学)にオンラインで話を聞いた。(時事通信社会部 安田剛史) ◇ ◇ ◇ ―今回の東京五輪をどのように評価されていますか。 1年前に麻生太郎副総理が「呪われた五輪」と言っていましたが、この東京五輪は五輪の歴史の中で見ても、1972年のミュンヘンや76年のモントリオール、80年のモスクワと並び最悪の五輪の一つとして位置付けられることになるでしょう。直前の世論調査では「中

                              「二つの限界」示した東京五輪 国家的イベント分析 東京大大学院の吉見俊哉教授に聞く:時事ドットコム
                            • 日本学術会議の独立性を侵害する政府の法改正方針を直ち に撤回することを要望します。 - 内田樹の研究室

                              内閣府は 12 月 6 日、日本学術会議と協議を行わないまま「日本学術会議の在り方に ついての方針」を公表しました。方針では「政府等と問題意識と時間軸を共有」し、会 員選考において「第三者の参画」を行い、「内閣総理大臣による任命が適正かつ円滑に 行われるよう必要な措置を講じる」と明記されています。この内閣府の方針は、梶田隆 章日本学術会議会長談話や、朝日新聞、毎日新聞、東京新聞の社説、および日本学術会 議の「声明」( 12 月 21 日)で言及されたように、日本学術会議の独立性と学問の自由 を著しく侵害するものです。 さらに 12 月 8 日および 12 月 2 1 日の日本学術会議総会における内閣府笹川武総合政 策推進室長の説明では、現行の3部構成に加えて第4部を設置すること、直近1月の通 常国会に法案を提出すること、第 25 期の任期(9月末日満了)を 1 年半ほど延長し、 第 26

                              • 「復興で東北をだしに」 吉見俊哉氏、五輪は「時代の流れに逆行」 | 毎日新聞

                                東京オリンピックの競技が21日、東日本大震災の被災地である福島県と宮城県などで始まった。東京都や政府は大会招致時に「復興五輪」を旗印にしていたが、新型コロナウイルスの感染拡大も重なり、被災地の恩恵は乏しくなっている。「五輪と戦後 上演としての東京オリンピック」(河出書房新社)などの著書がある吉見俊哉・東京大大学院教授(都市論)に「復興五輪」について聞いた。 ◇ 東京五輪の思い出話にも、震災復興のために東京で五輪を開くとの主張にもまやかしがある。 東北は、震災前から東京一極集中で過疎になり経済的にも従属的立場に置かれている。福島県には巨大都市・東京の電力を賄うために原発が造られ、放射能汚染までもたらされた。五輪開催で東京のインフラを更に立派にすれば、東北はますます厳しい状況に追い込まれる。東北復興のための五輪であるなら東北をメイン会場にすべきで、東京は最もやってはいけない場所だった。 ただ、

                                  「復興で東北をだしに」 吉見俊哉氏、五輪は「時代の流れに逆行」 | 毎日新聞
                                • (インタビュー)東京五輪、国家の思惑 東京大学大学院情報学環教授・吉見俊哉さん:朝日新聞デジタル

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                                    (インタビュー)東京五輪、国家の思惑 東京大学大学院情報学環教授・吉見俊哉さん:朝日新聞デジタル
                                  • 「借り物だらけ」の開会式 64年五輪神話の呪縛 吉見俊哉さん | 毎日新聞

                                    東京五輪の開会式が行われている国立競技場そばの上空を、地球の形を模して編隊飛行するドローン(右上)=東京都渋谷区の渋谷スカイから2021年7月23日午後10時48分、手塚耕一郎撮影 7月23日に行われた東京五輪の開会式。事前の度重なるトラブルもあってか、NHKの放送は平均世帯視聴率56・4%(関東地区、ビデオリサーチ調べ)と、よくも悪くも世間の関心を集めた。この開会式をどう見たか、「五輪と戦後」(河出書房新社)などの著書がある吉見俊哉・東大大学院教授に寄稿してもらった。吉見教授は1964年の東京五輪と比較しつつ、「60年代の陳腐な反復」だったと指摘する。 ◇  ◇ 2021年東京五輪開会式は、この五輪が経てきた失敗の連鎖を象徴する出来だった。借り物だらけの焦点の定まらないパッチワークで、衝撃力も心を衝(つ)くメッセージも欠けていた。状況がまるで違うのは百も承知だが、9年前のロンドン五輪開会

                                      「借り物だらけ」の開会式 64年五輪神話の呪縛 吉見俊哉さん | 毎日新聞
                                    • 2013~23年 新書200選 - 60歳からの自分いじり

                                      社会学部でメディアとかポピュラー・カルチャーに関して興味持ってる新入生に向けて、2013~2023年刊行の新書200選、ということです(現在200冊だと思いますが、年内適宜追加していきます)。 稲増一憲『マスメディアとは何か:「影響力」の正体』中公新書、2022年 稲田豊史『映画を早送りで観る人たち:ファスト映画・ネタバレーーコンテンツ消費の現在形』光文社新書、2022年 瀬地山角『炎上CMでよみとくジェンダー論』光文社新書、2020年 金成玟『K-POP:新感覚のメディア』岩波新書、2018年 高野光平『発掘!歴史に埋もれたテレビCM:見たことのない昭和30年代』光文社新書、2019年 貞包英之『消費社会を問いなおす』ちくま新書、2023年 天野彬『SNS変遷史:「いいね!」でつながる社会のゆくえ』イースト新書、2019年 鈴木涼美『JJとその時代:女のコは雑誌に何を夢見たのか』光文社

                                        2013~23年 新書200選 - 60歳からの自分いじり
                                      • 毎日メディアカフェ:毎日メディアカフェ 肖像権ガイドライン 必要性や可能性、議論 千代田 /東京 | 毎日新聞

                                        毎日メディアカフェのシンポジウム「危機の時代とデジタルアーカイブ ~『肖像権ガイドライン』の必要性と可能性を考える」が、千代田区一ツ橋1の毎日ホールで開催された。 肖像権はみだりに顔や姿を撮影されたり、公表されたりしない権利のこと。2017年に設立されたデジタルアーカイブ学会は過去の実例や裁判例を分析して「肖像権ガイドライン」の作成に取り組み、近く公表する。 シンポジウムには吉見俊哉・東京大大学院情報学環教授、福井健策弁護士、生貝直人・東洋大経済学部総合政策学科准教授、数藤雅彦弁護士、木戸崇之・朝日放送テレビ報道局情報番組デスク、内田朋子・共同通信社編集局ニュースセンター校閲部委員の6人が登壇した。

                                          毎日メディアカフェ:毎日メディアカフェ 肖像権ガイドライン 必要性や可能性、議論 千代田 /東京 | 毎日新聞
                                        • 『広告』最新号(特集:文化)、本日発売。「赤から想起するもの世界100カ国調査」の結果を公開します。|雑誌『広告』

                                          こんにちは、『広告』編集長の小野です。 年度末の本日3月31日、『広告』最新号が発売となりました。 編集長を卒業するので、僕にとっては、最新号であり最終号でもあります。制作しているなかで、大学時代の卒業制作(建築)を思い出しました。まさか社会人になって卒業制作をするとは……。 ということで、今号は、僕が編集長をやることになってから約5年間の集大成の号になります。 特集は「文化」。全35記事、1100ページ2019年のリニューアル創刊以来、「価値」「著作」「流通」「虚実」と特集を組んできました。最後の特集は「文化」です。 「文化」はとても複雑で多義的な概念です。「文化」という言葉を発する側と受け取る側で異なる意味合いで解釈している場合もよくあるのではないでしょうか。 今号はこれまででいちばんの大作(←自分で言うものなのか不明ですが)で全部で35記事、1100ページ、44万字あります。数えてみ

                                            『広告』最新号(特集:文化)、本日発売。「赤から想起するもの世界100カ国調査」の結果を公開します。|雑誌『広告』
                                          • NEWS  |  w e l c o m e 2 0 2 0 - 東京藝術大学美術学部建築科|大学院美術研究科建築専攻 Tokyo University of the Arts Faculty of Fine Arts / Graduate School of Fine Arts Department of Architecture

                                            Except where otherwise noted, content on this site is licensed under a Creative Commons. CC BY-NC-ND 2.1 JP. 新入生の皆さんへ 本来なら先週土曜日に予定されていた入学式・オリエンテーションの席で皆さんと対面し、今週からは前期授業も始まり、大学生生活がスタートしていたはずでした。 しかし、新型コロナウィルスの感染拡大を防ぐため、前期の開講を5月11日まで遅らせることとなり、今後の状況次第では遠隔授業などの可能性も高くなっています。不安感に苛まれる日々が続いていますが、もう皆さんは建築を学ぶ大学生です。この一ヶ月の間、課題や講義は中止になりましたが、少しでも有意義な時間を過ごして欲しいと我々は願っています。そこで、教員一人一人から、皆さんに向けて推薦図書を提示することにしました。 この状

                                            • 小田原のどか×山本浩貴 対談「この国(ルビ:近代日本)の芸術をめぐって」公開

                                              共同編集のきっかけ——飯山由貴《In-Mates》をめぐって 小田原: 山本さんに日本美術史と帝国主義についての教科書ともなるような論集を一緒につくりませんかとご相談をしたのは、2021年7月のことです。きっかけのひとつは、国際交流基金が主催するオンライン展覧会「距離をめぐる11の物語:日本の現代美術」(会期:2021年3月30日~5月5日)に際して制作された飯山由貴さんの映像作品《In-Mates》が、基金側から一方的に展示中止の判断が下されたことでした(「国際交流基金が中止判断/在日精神病患者に関する映像作品」朝鮮新報サイト、2021年9月21日、https://chosonsinbo.com/jp/2021/09/18-49top-2/)。 飯山由貴《In-Mates オンライン公開版》 2021年 映像 26分47秒 これについては、抗議の意味合いも兼ねて、7月に東京大学でシンポジ

                                                小田原のどか×山本浩貴 対談「この国(ルビ:近代日本)の芸術をめぐって」公開
                                              • なぜ東京なのか、誰のため、何のためのオリンピックなのか

                                                多くの問題が明らかになりながら、開催予定日が迫りつつある東京オリンピック。いったい、誰のための、何のためのオリンピックなのか。このような視点から平成時代を振り返ると、事態の根の深さが見えてきます。2019年に刊行された吉見俊哉『平成時代』の「おわりに 世界史のなかの『平成時代』」の一部を緊急公開します。 2000年代、東京で再びオリンピックを開こうと言い出したのは、当時都知事だった石原慎太郎である。2005年夏、石原は「再び日本で五輪を開くとすればキャパシティーとして東京しかない」と、2016年開催のオリンピックの東京誘致に乗り出した。知事指揮下で東京都は翌06年春までに、主会場は東京湾臨海部とし、施設は半径8キロ圏に集中させる計画案を練り上げた。開会式は陸上競技を行うスタジアムを晴海の都有地に新設し、そこまで大江戸線を延伸させる計画だった。しかし、当時から都民には「東京はオリンピックを招

                                                  なぜ東京なのか、誰のため、何のためのオリンピックなのか
                                                • そもそも、この国にとってオリンピックとは何なのか【吉見俊哉『五輪と戦後――上演としての東京オリンピック』刊行記念 著者インタビュー】新型コロナウイルスによって開催延期になったいまこそ改めて考えたい|Web河出

                                                  著者インタビュー 単行本 - 人文書 そもそも、この国にとってオリンピックとは何なのか【吉見俊哉『五輪と戦後――上演としての東京オリンピック』刊行記念 著者インタビュー】新型コロナウイルスによって開催延期になったいまこそ改めて考えたい 吉見俊哉 2020.05.14 ――本書を脱稿されたあとに、新型コロナウイルスの世界的流行の影響で、東京オリンピックは延期となりました。パンデミックのさなかに、本書を世に問うことになりました。 吉見 この本を脱稿したのは、2月24日、予定されていた開幕日のちょうど5ヶ月前でした。この時点で中国の武漢は封鎖されており、この新型コロナウイルスがオリンピックにとって大きなリスクになることは予想できましたが、それがヨーロッパに飛び火して、イタリアをはじめとして多大な死者を出し、アメリカでも感染者が増え続け、とてもこの夏にオリンピックなど開けないという状況に、たった1

                                                    そもそも、この国にとってオリンピックとは何なのか【吉見俊哉『五輪と戦後――上演としての東京オリンピック』刊行記念 著者インタビュー】新型コロナウイルスによって開催延期になったいまこそ改めて考えたい|Web河出
                                                  • 新書200選2020 - 60歳からの自分いじり

                                                    社会学部の学部生(とくにメディア系)に読んでほしいなぁ、の2011~2020年版。 たぶん200冊のはず(アンダーラインの処理の仕方がよくわからない……)。 加藤秀俊『社会学:わたしと世間』中公新書、2018年 小熊英二『日本社会のしくみ:雇用・教育・福祉の歴史社会学』講談社現代新書、2019年 大澤真幸『社会学史』講談社現代新書、2019年 橋元良明『メディアと日本人:変わりゆく日常』岩波新書、2011年 松田美佐『うわさとは何か:ネットで変容する「最も古いメディア」』中公新書、2014年 山本昭宏『核と日本人:ヒロシマ・ゴジラ・フクシマ』中公新書、2015年 輪島裕介『踊る昭和歌謡:リズムからみる大衆音楽』NHK出版新書、2015年 永井良和『南沙織がいたころ』朝日新書、2011年 筒井淳也『結婚と家族のこれから:共働き社会の限界』光文社新書、2016年 山田昌弘『モテる構造:男と女の

                                                      新書200選2020 - 60歳からの自分いじり
                                                    • E2386 – ラウンドテーブル「デジタル公共文書を考える」<報告>

                                                      ラウンドテーブル「デジタル公共文書を考える」<報告> 慶應義塾大学文学部・福島幸宏(ふくしまゆきひろ) ●はじめに 2021年1月12日,東京大学大学院情報学環DNP学術電子コンテンツ研究寄付講座の主催により,ラウンドテーブル「デジタル公共文書を考える-公文書・団体文書を真に公共財にするために-」がオンラインで開催された。 この企画は,2019年6月の「アーカイブサミット2018-2019」(E2167参照)第2分科会における「『官』に独占された『公文書(official document)』概念を捉え直す」の議論を受け継ぎ,デジタルアーカイブ論の視点から「デジタル公共文書」という概念の意義と,その展開の可能性を考える出発点として設定された。 ●基調講演と話題提供 当日は,柳与志夫氏(東京大学)の趣旨説明のあと,御厨貴氏(東京大学名誉教授)による基調講演「ガバナンスにおけるデジタル公共文書

                                                        E2386 – ラウンドテーブル「デジタル公共文書を考える」<報告>
                                                      • コロナで変わる世界:<教育編 インタビュー③>吉見俊哉氏がオンライン化に警鐘 「利点あるがレベルは低い」 | 毎日新聞

                                                        コロナ禍は大学のオンライン化を加速させた。今後、大学教育や価値観はどう変わるのか。「大学とは何か」(岩波新書)などの著書がある東京大の吉見俊哉教授(63)=社会学=に話を聞いた。 ――大学のオンライン化をどう考えますか。 ◆少人数の双方向型でやっていくスタイルは全く問題ない。半年続けてみての感想だが、オンライン化で学生の発言は活発化している。一人一人の学生が何を分かっていないか、どこが問題なのかといったことも把握できるので、授業の密度が濃くなる。一概にオンライン授業が対面型より劣るということはない。だが、全国の大学で導入が進んだことで、二つのことがはっきりしてきた。一つは、学生がどこでも授業にアクセスできるという利点があること。もう一つは、全体的にオンライン授業がつまらない、授業のレベルが低いということだ。 ――授業へのアクセス面について詳しく教えてください。 ◆東北や九州などの地元に帰っ

                                                          コロナで変わる世界:<教育編 インタビュー③>吉見俊哉氏がオンライン化に警鐘 「利点あるがレベルは低い」 | 毎日新聞
                                                        • ファミリーヒストリーは語る/敗者としての東京(吉見俊哉) - 見もの・読みもの日記

                                                          〇吉見俊哉『敗者としての東京:巨大都市の隠れた地層を読む』(筑摩選書) 筑摩書房 2023.2 はじめに2020年春からのコロナ禍によって、都心の空室率の上昇、人口の転出増、商業地の地価下落など、1980年代以来、数十年間にわたって東京が歩んできた方向(=福祉国家から新自由主義へ、効率化のための一極集中)を反転させる可能性が垣間見えることが示される。本書は、これまで明らかに近代化の「勝者」として歩んできた東京を「敗者」の眼差しから捉えなおそうとする試みである。 そのために本書は、遠景・中景・近景の三つの視点を用意する。「遠景」は地球史的な視座で、縄文時代の南関東の「多島海的風景」を想像するところから始まる。やがて朝鮮半島からの渡来人たちが東京湾岸から上陸し、土着の縄文人と遭遇してクレオール化する。古代から中世へ、東国勢力は徐々に力をつけ、大和朝廷に対する自立性を獲得していく。こういう東国の

                                                            ファミリーヒストリーは語る/敗者としての東京(吉見俊哉) - 見もの・読みもの日記
                                                          • 東京五輪、「お祭りドクトリン」の危うさ

                                                            間近に迫った2回目の東京五輪に対し、1回目の1964年大会における熱気の再現を期待する声が多い。高度成長期の「成功体験」と結びついた64年大会「神話」の真実は何か。東京の都市論に詳しく、五輪や万博に関する著書もある東京大学の吉見俊哉教授に聞いた。 東京で2回目の五輪開催が近づいています。前回の64年大会と今回の間で日本社会はどう変わったのでしょうか。 吉見俊哉氏(以下、吉見氏):「より速く、より高く、より強く」は五輪のモットーとして知られるが、64年大会ではそこにより速く、より高く、より強く「成長する」という意味が隠されていた。当時は高度経済成長期で、五輪を起爆剤として右肩上がりの成長を加速していった面がある。 しかし、右肩上がりの成長は70年代を経て、遅くとも80年代までで終わり、90年代以降、平成の30年間の日本はそれまでのようにはうまくいかなくなった。90年代半ば以降、日本は成長社会

                                                              東京五輪、「お祭りドクトリン」の危うさ
                                                            • 『もにラジ』第3回「『傷物語』と現代日本の傷痕」 - もにも~ど

                                                              シャフト座談会シリーズ『もにラジ』第3回の収録が5月某日行われました。今回はゲストにアーティストの水野さん(@potatovirusXXXX)をお招きして、これまでの『もにラジ』とはまた異なったアプローチで2016年に公開された映画『傷物語』の持つある種の奇妙さについて雑談しました。 お便りとファンアートはあにもに(@animmony)のDMまで。どしどし募集中です! また、6/26(土)にアニメ批評同人誌『アニクリ』主催の「同人批評を読む会」配信にて、自分の書いた『傷物語』論が取り上げられました。私の論考に批判的検討が加えられているほか、本記事にも関連する追加論点が提示されていますので、併せてご確認頂ければと思います。アーカイブは以下の動画より視聴できるようです。 ◆参加者プロフィール 水野 柚子桜大(@potatovirusXXXX) 美大に通ってるオタク。 まだ何も知らない。 あにも

                                                                『もにラジ』第3回「『傷物語』と現代日本の傷痕」 - もにも~ど
                                                              • 「コロナ転向派」と五輪「ムラ」 - 小笠原博毅|論座アーカイブ

                                                                季節柄か、新型コロナウイルスによる肺炎の流行と東京オリンピック/パラリンピック(以下、五輪)の延期決定を受けて、まるで雨後の筍のように今度は五輪の中止を見越したり、提案したりする言論を多く目にするようになった。 五輪の中止を堂々と言葉にしてももう安全だという判断からなのだろうか。しかし、コロナウイルスに、すべてを上書きさせてはいけない。延期の決まった五輪に直接間接にかかわる出来事や、それらをめぐってこれまで発せられてきた言論を、なかったことにさせてはいけないのだ。 4年前『反東京オリンピック宣言』(航思社、2016年)を編んだとき、筆者は五輪を推進する力の一つを「どうせやるなら派」と名付けた。ナショナリズムの高揚やグローバル資本主義の利益創出や、IOC幹部やらの五輪貴族の「慰み」ではなく、代替的な五輪の活用方法を見つけ、作り出し、「決まってしまったんだから」上手くやろうと考えて知恵を絞り出

                                                                  「コロナ転向派」と五輪「ムラ」 - 小笠原博毅|論座アーカイブ
                                                                • 心機一転のご挨拶2021 - archivist_kyoto の雑記帳

                                                                  この度、2年間、特任准教授としてお世話になった、 東京大学情報学環から、 慶應義塾大学 文学部 人文社会学科 図書館・情報学系 図書館・情報学専攻 准教授(有期) に転籍することになりました*1。 東京大学でのポジションが、寄付講座の年限の関係で当初から2021年10月いっぱいと決まっていたため、みなさんにご心配いただいてました。今回、ご縁あって、早期にではありますが、転籍することになったものです。 もっとも、前所属のみなさまのご厚意で、 東京大学情報学環客員准教授としていただいております*2。 慶應義塾大学では、全学対応の情報教育の初級・中級段階とリテラシー教育・デジタルアーカイブ論の一部を担当します。また、もちろん、図書館・情報学専攻の活動に参加することになります。 なお、同志社大学・専修大学・和歌山大学・東京大学・京都工芸繊維大学に、デジタルアーカイブや博物館情報・メディア論、歴史学

                                                                    心機一転のご挨拶2021 - archivist_kyoto の雑記帳
                                                                  • 第1回「デジタルアーカイブ憲章をみんなで創る円卓会議」(2022/8/3) | デジタルアーカイブ学会

                                                                    ■第1回「デジタルアーカイブ憲章をみんなで創る円卓会議」(2022/8/3) ■開催趣旨 作品やデータを収集して散逸から守り、未来と世界へと継承するデジタルアーカイブはいま、かつてない広がりと変革の時を迎えています。 国立国会図書館による入手困難資料の家庭配信などの大胆な法改正も続き、放送、漫画、ゲーム、舞台、アニメ、音楽、各種データなど、新たな様々な分野でのアーカイブ事業が生まれ、そしてジャパンサーチなどを通じて相互につながり始めています。 しかし一方で、アーカイブの現場は常に、「ヒト・カネ・権利」とも言うべき、専門人材の不足、資金難、権利処理の困難などに直面し、その歩みは今もって困難に満ちたものです。知識・ノウハウの共有も、やっと緒についたところとも言えるでしょう。 加えて、注目が高まっているとはいえ、まだまだデジタルアーカイブの社会的な価値は、必ずしも国民に広く共有されているとまでは

                                                                    • 吉見俊哉 最終講義「東大紛争 1968-69」

                                                                      2023年3月19日にライブ配信された講義のアーカイブ版になります。 こちらの動画は2023年4月30日24時までご視聴いただけます。 また、録音や録画はお控えください。 講義スライドは以下URLよりダウンロードが可能です。 http://bit.ly/3yUi59K The lecture in English is available here. https://youtu.be/908ITk7OwRA

                                                                        吉見俊哉 最終講義「東大紛争 1968-69」
                                                                      • 文化は魅せなければならないのか?:「ウポポイ(民族共生象徴空間)」について|渡部宏樹(Kohki Watabe)

                                                                        2020年9月に北海道白老町の「ウポポイ(民族共生象徴空間)」を訪問した。本稿はその感想である。 ウポポイならびにその一部である国立アイヌ民族博物館についてはすでに多くの訪問機や記事が書かれている。その中でも小田原のどか氏の以下の記事は、私のウポポイ理解と共通している部分が多く、また基本的な事実を詳細に記述しているので、まず紹介しておく。 ガイドのホスピタリティーは高く、展示には体験を重視するさまざまな工夫が凝らされており、ウポポイが意欲的であることは確かだ。しかし、小田原氏も指摘しているように、和人によるアイヌへの差別の歴史の体系的な説明が足りない点も間違いない。一方で、SNS上では言及されることが少ないが、ウポポイは現在のアイヌが過去を復興しようとする取り組みの多様性やその困難を表現することに力点をおいており、そのことは肯定的に評価すべきである。本稿ではこの両面について触れ、その上で「

                                                                          文化は魅せなければならないのか?:「ウポポイ(民族共生象徴空間)」について|渡部宏樹(Kohki Watabe)
                                                                        • 長尾真先生のご逝去を悼む | デジタルアーカイブ学会

                                                                          誠に悲しいお知らせを、学会員のみなさまにしなければなりません。 元京都大学総長、元国立国会図書館長、そして本デジタルアーカイブ学会初代会長の長尾真先生が、かねてより病気療養中のところ、2021年5月23日にご逝去されました。 いうまでもなく、長尾先生の存在なくしてはデジタルアーカイブ学会の誕生はあり得ませんでした。長尾先生は、もちろん自然言語処理や人工知能の分野での多くの先駆的なご業績や世界の第一線に立つ研究者の育成から、京都大学総長としての国立大学全体への多大なご貢献、国立国会図書館長としての図書館デジタル化への先導的な取り組みと、その人生を通じて他の何人も成し得ない偉大な達成をなしてこられました。 そして、私たちにとって誠に有難かったのは、長尾先生が2012年に国会図書館長を退任されてから、デジタルアーカイブ分野で私たちに力を貸してくださったことです。 私どもデジタルアーカイブ学会は、

                                                                            長尾真先生のご逝去を悼む | デジタルアーカイブ学会
                                                                          • 新書十二神将を連れてきたよ(四大新書レーベルからそれぞれベスト3を選んだよの意) - 宇宙、日本、練馬

                                                                            あまた乱立する新書レーベルのうち、岩波新書・中公新書・ちくま新書・講談社現代新書で四大新書レーベルとすることに異論がある人はそう多くないでしょう。無論、これはほかのレーベルからすぐれた書籍が出版されていない、ということを意味しません。ただ、(これは四大レーベルもそうかもですが)玉石混交の新書判書籍にあって、トータルの打率というか、平均的なよさみを比較すると、明らかにこの四大レーベルと他レーベルに厳然たる差があることは、明らかであるように思われます(四大レーベルの中でも格の違いがあるわけですが、それは後述しましょう)。そこで、この四大レーベルでそれぞれ個人的ベスト3を選出し、もって新書十二神将を選出したいと思います。なぜ十二神将かといえば、そのなかに「しんしょ」の文字列が潜んでいるからです。それではやっていきましょう。 まず十二神将のラインナップを示しておきましょう。出版年も明記しておきます

                                                                              新書十二神将を連れてきたよ(四大新書レーベルからそれぞれベスト3を選んだよの意) - 宇宙、日本、練馬
                                                                            • ラウンドテーブル「デジタル公共文書を考える-公文書・団体文書を真に公共財にするために-」の開催(2021/1/12) | DNP学術電子コンテンツ研究寄付講座

                                                                              2019年6月に開催された「アーカイブサミット2018-2019」の第2分科会「『官』に独占された『公文書(official document)』概念を捉え直す」の議論を受け継ぎつつ、デジタル庁設置やオンライン教育の拡大などが打ち出されている社会状況を前提に、デジタルアーカイブ論の視点から「デジタル公共文書(digital public document)」という概念の意義とその展開の可能性を考える出発点としての公共的議論の場を設定することにいたします。 その背景には、今後のデジタル環境の整備を見越して、これまで行政や企業・団体で行われてきた資料や情報の「保存と廃棄、デジタル化活用」の問題があり、一方で日々大量に産出されるデジタル情報の保存と活用をどうするかという問題があります。この問いの対象は、立法府・司法府の記録、政策決定に至るまでの官僚のメモや与野党間の協議書類のみならず、企業や大学

                                                                                ラウンドテーブル「デジタル公共文書を考える-公文書・団体文書を真に公共財にするために-」の開催(2021/1/12) | DNP学術電子コンテンツ研究寄付講座
                                                                              • 「東京は日本のリスクそのもの」 吉見俊哉教授が期待するものとは:朝日新聞デジタル

                                                                                変わり続ける首都・東京。東京という都市の実相を研究してきた社会学者の吉見俊哉教授に、東京の今や今後について聞いた。 ◇ 今の東京はあまりに巨大です。東京圏の人口は約3700万人で、日本の総人口の4分の1以上。日本の総資本の6割は東京で、国の機能もそうです。 東京はその巨大さで、リスクがとても高い都市になっている。端的に言えば、日本のリスクそのものです。 東京の新型コロナウイルスの感染率は地方と比べて突出していた。それは街自体が「密」だからです。首都直下型地震も含め、様々なリスクに対して東京の危険度は高くなっている。 東京ではオリンピックが2度開催されましたが、直近の五輪で政府や都が考えていたのは、「1964年の五輪をもう一度」ということではなかったでしょうか。かつての成功体験にすがり、成長主義路線、開発路線でしか物事を考えられなくなっていた。東京にこれ以上集中しても、ほかの地域が衰退し、い

                                                                                  「東京は日本のリスクそのもの」 吉見俊哉教授が期待するものとは:朝日新聞デジタル
                                                                                • E2167 – アーカイブサミット2018-2019<報告>

                                                                                  アーカイブサミット2018-2019<報告> アーカイブサミット組織委員会・井上奈智(いのうえなち),眞籠聖(まごめたかし) 2019年6月11日に,千代田区立日比谷図書文化館(東京都)において,アーカイブサミット組織委員会(委員長:長尾真(京都大学名誉教授))の主催により「アーカイブサミット2018-2019」が行われた。本稿では,同委員会事務局の立場から,本会の内容について報告する。「アーカイブサミット」とは,産官学民を横断するアーカイブ関係者による集まりで,2015年,2016年(E1814参照)は東京で,2017年(E1973参照)は京都で開催された。5年間で4回目の開催となる今回がいったんの着地点となる。なお,今回は集中的な議論をするため招待制をとった。 ●アーカイブサミットが達成してきたもの 長尾氏の開会挨拶では,アーカイブサミットの意義として,ばらばらに課題に取り組んでいた産

                                                                                    E2167 – アーカイブサミット2018-2019<報告>