詐欺グループの末端役の被告2人に課す追徴金の額が争われた刑事事件の控訴審判決で、大阪高裁が7月、被告が実際に受け取った報酬の約80万円ではなく、グループによる被害全額の約3600万円をそれぞれ課す判断を示していたことが10日、分かった。 組織の末端役にも被害全ての責任があることを明確にした内容。検察幹部は「小遣い稼ぎの感覚で犯罪に加担するリスクを認識させ、詐欺グループ拡大の歯止めになり得る」と評価する。 事件は「医療費の還付が受けられる」とうその電話を受けた36人が計約3600万円をだまし取られた広域詐欺。2人は兵庫など12都県警の合同捜査本部が他の9人とともに摘発したグループ内で、「出し子」と呼ばれる現金の引き出し役やメンバー間の連絡役を担ったとして、神戸地検が電子計算機使用詐欺などの罪で起訴した。