米Apple Inc.が手掛ける「iPhone 3G」を入手した日経エレクトロニクス分解班( Tech-On!の関連記事 )。設計思想を探るため,ある国内部品メーカーの技術者の協力を仰ぎながら早速分解に取りかかった。 iPhone 3Gの端末全体を眺めると,筐体の外側には存在するネジはわずかに2本と少ないことが分かる(図1)。
なぜ全米はApple社の「iPhone」にあれほど熱狂するのか。『日経エレクトロニクス』はその理由を探るため,2007年6月29日の発売と同時に本体を購入し,電子技術者と共に本体を分解した。その結果,Apple社は外観や操作方法を前提にしてハードウエアを設計した様が浮き彫りになった。高価な部品をいくつも使っており,コスト削減は二の次のようだ。 (以下の本文は,日経エレクトロニクス,2007年7月16日号,pp.81-88から転載しました。メーカー名,肩書,企業名などは当時のものです) 「外観や操作方法などの『デザインありき』で設計した印象を強く受ける。そのために,それぞれのモジュールを苦労して薄型の筐体に収めている」――。本誌が購入したiPhoneの分解に協力した技術者は,iPhoneの中身を一通り見た後,こう語った。 iPhoneの外形寸法は115mm×61mm×11.6mm。初めて手に
This teardown is not a repair guide. To repair your iPhone 3G, use our service manual. We performed this disassembly immediately following the iPhone launch at 12:01 July 11, 2008, New Zealand time. That's 5:01 AM, July 10, Pacific time for those of us who aren't islanders. Bookmark this page to catch all the action! We'll still be updating this page over the next several days as we learn more abo
他に類を見ない超高速撮影を実現した民生用デジタル・カメラ「EX-F1」(カシオ計算機製)を分解した。本機の市販価格は11万円ほどである。 EX-F1のメイン基板を見た技術者の多くがまず驚いたのは,DRAMを少なくとも4Gビット搭載していたこと。SDRAMを4Gビット分実装したほか,図1の(2)や(5)にDRAMチップを内蔵した可能性がある。これは600万画素の秒間60コマ連写を1秒間続けられるようにしたためだ。デジタル・カメラでは一般にDRAMを512M~1Gビット搭載することが多い。 カメラ用LSIの開発者はいう。「安くなったDRAMを使えば今回のような設計が可能なことは頭では分かっていたが,いざ現物を目にすると状況の変化を感じる」。 ※本稿は『日経エレクトロニクス』,2008年4月21日号のニュース記事(特報)の一部を掲載したものです。EX-F1の使用感や,本機が示すカメラ開発の方向性
QWERTY配列のキーボードを備え,3.5型の横長液晶画面で,パソコン向けのWebサイトを快適に利用できる――ソフトバンクモバイルが2008年3月に発売した「インターネットマシン SoftBank 922SH」の売り物を一言で表せばこうなる。「インターネットマシン」との名の通り,Webサイトの閲覧やインターネット上のサービスの活用を第一に考えた端末である。本記事では,この端末を分解して判明したハードウエアの内部構造を紹介する。 分解の結果明らかになったのは,この端末と同様にシャープが開発した「FULLFACE2 SoftBank 921SH」などと共通の部品が非常に多いことである。921SH自体,他のシャープ製端末と同じ部品を多数使っており,共通化によって部品コストの低減を図っていることがうかがえる。それでも,インターネットマシンの販売価格は,新規契約時の一括払いで10万円弱と高い。価格を
日経エレクトロニクス分解班が今回取り上げた携帯電話機は,ソフトバンクモバイルの「FULLFACE2 SoftBank 921SH」。シャープ製の端末で,2007年7月に発売された「FULLFACE SoftBank 913SH」の後継機種という位置づけである。921SHの特徴は,表面に触れたりなぞったり,本体を振ったりして操作できること。前機種でもタッチ・センサを利用していたが,なぞって操作する機能はなかった。 今回の分解では,従来の機種との違いや共通点を探った。その結果,センサ以外の部分では,既存の機種と同様の部品を多数利用していることが分かった。特にメイン基板に実装されたLSIは,913SHのみならず,同じくシャープ製ソフトバンク端末「920SH」と共通するものが多かった。 次ページ以降で,タッチ・センサ,基板,筐体のそれぞれの構造を紹介する。今回の調査でも,カメラ機能を強化した携帯電
1月のMacWorld Expoで発表された新製品といえば、なんといってもMacBook Airなわけだが、もう1つ注目すべき新製品があった。それが「TimeCapsule」だ。 TimeCapsuleを一言で表せば、NAS機能付きの無線LANアクセスポイント(ルータータイプ)ということになる。もちろんNASとして、あるいは無線LANのアクセスポイントとして利用できるのはMacだけでなく、Windowsからの利用も可能だ。サポートする無線LANはIEEE 802.11a/b/g/n(ドラフト)だが、2.4GHz帯(b/g)と5GHz帯(a)を同時に利用することはできない(初期設定は2.4GHz帯)。 TimeCapsuleを既存のアップル製品で例えれば、HDDを内蔵したAirMac Extremeというところだろうか。1つ大きな違いがあるとすれば、TimeCapsuleはMac OS X
2008年2月に発売された新型携帯電話機を分解する記事の第2弾。今回は,KDDIの端末「W61CA」を取り上げる。前回報告した「Cyber-shotケータイ SO905iCS」と同様,カメラ機能を売り物の一つとする。W61CAは,有効画素数が515万とSO905iCSに見劣りしない撮像素子を備え,カシオ計算機のデジタル・カメラのブランド名「EXILIM」をうたった画像処理LSI「EXILIMエンジン for Mobile」を搭載するという。ただし,SO905iCSが備える光学ズーム機能はなく,内蔵メモリの容量も限られている。 その代わりにW61CAは,ワンセグ放送受信機能などSO905iCSにない機能が盛り込まれている。中でも大きな特徴は,風呂場などで携帯電話機を利用できる防水機能である注1)。今回の分解調査でも,どのようにして防水性を実現したかを詳しく見た。その結果,明らかになったのは筐
日経エレクトロニクス分解班は,携帯電話機の分解調査を手掛けるフォーマルハウト・テクノ・ソリューションズ(東京都江東区)に依頼して,最新の携帯電話機2機種を分解した。いずれもカメラ機能を売り物にする製品である。今回は,そのうちNTTドコモが2月中旬に発売した「Cyber-shotケータイ SO905iCS」を取り上げる。開発したのは,ソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズ。ソニーのデジタル・カメラのブランド名「Cyber-shot」を冠した機種で,光学3倍ズームや笑顔検出といった機能を備える。次回に取り上げるのはKDDIの端末「W61CA」。メーカーはカシオ計算機である。こちらは「EXILIM エンジン for Mobile」搭載とうたっている。 SO905iCSは,他の端末がワンセグ受信機能を搭載しつつある中であえてその機能を外し,デジタル・カメラの機能に注力した機種といえそうだ
MacBook Airのキーボードの分解によって,米Apple Inc.が何にこだわり,何にこだわらなかったのか,その一端が浮かび上がってきた。 Apple社がキーボード周辺でこだわったと考えられるのは, 1.筐体の薄さ 2.筐体の剛性 3.キーの周囲を光らせる 4.キーを押してもたわまない の4点だ。 逆にこだわらなかったのは, 1.部品点数 2.組立工数 3.重量 4.キーボードの交換 と言える。 こだわったポイントは一般にはトレードオフの関係にある。すなわち,薄さを追求すると剛性が損なわれる。キー周囲を光らせる機構を入れたら厚みが増す。キーボードがたわまないように支える剛性のある部材を入れたら,やはりその分,厚みが増してしまう。こうした相矛盾する目標に対して,Appleはどのような解を出したのか。 お時間のある方は,まずは国内大手パソコン・メーカーの技術者たちによるキーボード分解の模
パソコンをはじめとするデジタル家電が悩む熱問題に対して,MacBook Airではどのように対処しているのか。熱設計を専門とする技術者の協力を得て,その熱設計の考え方を探った。見えてきたのは,ユーザーに熱を感じさせないことに注力した設計である。空気を使って熱を運ぶ単純な放熱方法を採用したり,熱源との間に空間を設ける(空気をはさむ)ことで不要な熱を伝えないようにしたり,といった方法を採っている。具体的には,(1)薄型ファンの採用と通気口の位置,(2)マイクロプロセサなどの熱を直接筐体に伝えない放熱機構,(3)電池からの熱に対する配慮などに,MacBook Airの熱設計の特徴が現れている。 熱を感じさせない配慮 ノート・パソコンの中で最も発熱が問題となるのは,マイクロプロセサである。MacBook Airが採用するとみられる米Intel Corp.の1.6GHz動作の「Core 2 Duo」
■笠原一輝のユビキタス情報局■ 「より薄く」を第一目標に据えた新世代ThinkPad ~ThinkPad X300開発者インタビュー レノボの「ThinkPad」シリーズといえば、PCをよく知るユーザーにとっては自動車でいえばメルセデスやBMWなどといった堅牢で機能性も優れた高級車というイメージのノートPCブランドだが、そのThinkPadシリーズに新しいシリーズとなる「ThinkPad X300」という新しいラインナップが追加された。 ThinkPad X300は、レノボが「ThinkVantageテクノロジ」と呼ぶセキュリティ性の高さや、使いやすさを追求した機能性というThinkPadの特徴を受け継ぎながら、LEDバックライトの13.3型のWXGA+(1,440×900ドット)液晶を搭載し、最薄部で18.4mm、重量が1.42kgと薄くかつ軽量を実現した製品として、多くのユーザーから注
今回は、ちょっと変則的である。というのは、今回分解するソニーの「mylo COM-2」(以後、COM-2)は、筆者が購入したものではなくて、ソニーからの借り物である。貸出機を分解しても良いというご提案をいただき、さらに、開発者のインタビューもできるという。 というのは、これまで、筆者は、いくつものマシンを分解し、その内部を解説してきたが、デバイスのいくつかについては、インターネットなどから情報を得られず、「推測」でしかなかったところがいくつかあった。しかし、今回は、「答え合わせ」ができるのである。そういうわけで、ソニーからの提案を受けることにした。 大半の質問にはお答えいただいたが、いろいろと事情があって、記事にはできない部分もあったし、分解と取材が同時期に重なったこともあって、時間的な問題から一部、筆者の推測として記述している部分もある。なので、すべてがソニーの公式発言でないことはご理解
「MacBook Airの外観は無駄がなくてスマートですけど,中身は無駄ばかりってことですか?」。作業の後に宇野記者が発したこの一言が,分解を終えた技術者たちの感想を代弁していた。 日経エレクトロニクス分解班は,国内大手パソコン・メーカーの技術者複数名の協力を得て,再生が困難なところまでMacBook Airを解体してしてみた。その結果明らかになったのは,意外な内部構造だった。参加した技術者たちは,「事前の想像と全く違った」「ODMの製品も含めて,これまで見たどんなパソコンとも違う」と振り返る。 技術者一同を驚かせたのは,非常にコストのかかる作りになっていたことである。例えば,部品を固定するネジの本数が極めて多い。キーボードを据え付けるものだけで,30本ほどもある。「全体のネジの本数は,うちの会社が作る場合と比べて数倍」(技術者の一人)。上下の筐体をつなぐヒンジや外装部品の内面を見た技術者
MacBook Airの裏ぶたを開ける(関連記事)と,3分の2近くを黒い物体が占めていた。Liポリマ2次電池である。分解班は基板よりも先に,この電池を取りはずそうとする。しかし,ネジ締めが非常にきつい。開けるのに苦労する。 電池の下から現れたフレキシブル基板に,今井デスクが「APPLE」と並んでもう1つのブランド名を見つけた。それを聞いた分解班一同はどよめく。マイクの音声が割れてしまったほどだ。その名前から推測できることとは。。。 Air分解 第2部(約2分17秒の動画) ビデオ再生にはWindows Media Playerが必要です。再生ボタンをクリックするとビデオが始まります。 Powered by BPtv
MacBook Airを分解する模様をビデオ撮影した。そのダイジェスト版をお送りする。まずは裏ぶたを開けるまでをご覧いただきたい。 ネジ締めの堅さなどを実感していただけるだろう。分解に立ち会った記者たちのトークを楽しんでいただければと思う。前半の分解に取り組む吉澤記者の手さばきも見逃せない。 次回は,いよいよ基板周辺の分解ビデオを掲載する。 Air分解 第1部(約3分34秒の動画) ビデオ再生にはWindows Media Playerが必要です。 再生ボタンをクリックするとビデオが始まります。 Powered by BPtv この記事を英語で読む MacBook Air 記事リンク集 日経エレクトロニクス分解班 の軌跡
早速,「MacBook Air」を開けてみることにする。 改めてMacBook Airの仕様をおさらいしよう。最大の特徴は,その薄さだ。最薄部が約4mm,最厚部でも約19.4mm。最薄部と最厚部でこれほど厚さが違うのは,筐体底部のアルミ合金板がおわん状に湾曲しているためである。最厚部の19.4mmという数字は,Apple社によれば「2008年1月時点で生産・販売されているノート・パソコンの中では最も薄い」という。 過去にはMacBook Airより薄いノート・パソコンは存在した。例えば,シャープのノート・パソコン「Mebius MURAMASA」は厚さが16.6mmだった。ただMacBook Airを目の前にすると,19.4mmという数値以上に「薄さ」を実感する。これは,A4ノート・パソコン並みという筐体の大きさに加え,この湾曲構造のデザインが寄与したものだろう。 基本的な処理性能での妥協
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