佐藤 ゆみ(以下、佐藤) 年金未払いや子ども手当、インフルエンザ対策など厚生労働省には喫緊の課題が山積みです。一方で、長期的には少子高齢化社会を支える制度基盤を作る取り組みも欠かせません。 高齢化は日本だけの問題でなく、先進諸国、さらにいずれは新興国でも同じような状況を迎えます。世界に先んじて高齢化が進んだ日本が経済成長と社会保障を両立する仕組みができれば、それは世界の政策モデルになる可能性を秘めています。厚労省が関わりを持つ対象は実に幅広いのですが、その中で山田さんはどんな分野を担当されているのでしょうか? 山田 章平(以下、山田) 社会保障全体の取りまとめる部局にいます。社会保障とは大まかに言うと、医療、介護、年金、雇用、生活保護、障害者福祉などです。それらの分野はそれぞれに担当する局があって、それぞれの局の担当者が必死に考えて制度立案に取り組んでいます。 ただ、それぞれの制度ごとに合