《前説》 東日本大震災の被害を受けて、津波の避難のあり方を検討していた中央防災会議のワーキンググループが、今後の考え方をまとめた報告書を、今日、中川防災担当大臣に手渡しました。 報告書は住民一人一人の主体的な避難行動が基本だとしながら、それを担保するための津波警報などの情報の整備、防災教育の充実、さらには避難の時間を確保するための海岸堤防の整備や避難ビルの設置などについて細かく記されていますが、時代の変化に合せた検討も行なわれました。それは全国の自治体や防災関係者から高い関心をもたれていた自動車避難をどう位置づけるかという問題です。そこで今晩は、この問題に初めて踏み込んだ検討を進めた報告書を紹介しながら、津波の自動車避難について考えたいと思います。 最初におさえておきたいのは、これまで長い間、なぜ自動車による避難が認められてこなかったかということです。それは自動車避難には様々な危険が伴