日本人はどうやって日本人になるのだろうか? そんな誰もが意識したことがないことを、グローバル化という視点でとらえていくとどうなるだろうか? 21世紀のグローバル化が私たちに突きつけている問題は、国際標準語(英語)を話す国際人になることではない。日本人という確固たるアイデンティティを持って、世界を舞台に活躍できる人材になることだ。 今回も前回に引き続いて、リベラルアーツについて述べてみたい。 リベラルアーツのような教育は、グローバル人材をつくるには必要不可欠だからだ。アメリカには数多くのリベラルアーツカレッジがあるが、そこには世界各国から留学生が大勢やって来ている。そうして、必然的にインターナショナルコミュニティが形成されている。 このインターナショナルコミュニティの中でもまれると、誰もが強く母国を意識するようになる。また、自分たちの社会、自分たちの文化とは何かと、あらためて考えるようになる
AFPによると、OECDが12月7日に公表した国際学習到達度調査(PISA=Program for International Student Assessment)結果で上海が世界のトップに立った。 国別のトップは韓国とフィンランドだが、初参加の上海が全科目で首位を独占した。 アジアのほかの国・地域も極めて良い成績を収めた。韓国は読解力部門で2位、数学で4位、科学で6位にランクイン。香港、シンガポール、台湾、日本も好成績だった。 OECDの教育専門家は「質だけでなく機会の平等も重視する教育思想がアジア大陸の成功をもたらした」と分析している。 西洋諸国の専門家が高く評価する教育システムを持つフィンランドは、欧州勢でトップの成績で、読解力部門で3位、科学で2位、数学で3位につけた。 また、報告書によると、すべての国で、女性の方が男性よりも読解力の成績が良く、その差は学校教育1年分だった。この
「ダイバーシティ教育」って何? 子供の個性を尊重するために、親が知っておきたい3つのこと 2020.09.08 「男の子なんだから泣いちゃダメ」「女の子らしくしなさい」。親自身も押し付けられてきた“らしさ”を手放し、子供の個性を尊重した教育をするには、どうしたらいいのか? LGBTQの中でG(ゲイ)の当事者であることを公表し活動している、“シゲ先生”こと鈴木茂義さんにお話を伺った。 本当は水色のランドセルが欲しかった 「私は普段、特別支援教育の現場で自閉症スペクトラムやADHDといった発達障害※1を持つお子さんたちを見ているのですが、実は定型発達なんてどこにもないんです。どのお子さんにもそれぞれ必ず“良さ”と“強み”があります。だから子供たちと一緒にいると、その子の良さを宝探ししているようなワクワクした気持ちになるんですよ」。 小学校の非常勤講師として働くシゲ先生は、普段の学校生活の様子を
ソフトバンクグループは「Pepper 社会貢献プログラム」(スクールチャレンジ)における、新たな取り組みを発表した。無償や廉価で提供しているPepperと教材ツールを、契約期間終了後も一定期間、そのままの条件で提供の継続を行うものだ。また、プログラミング学習支援ツール「Robo Blocks」を3月にアップデートして、大幅に機能の強化もはかり、同時にプログラミング教育以外でも、学校現場でPepperの活用を促進していく考えだ。なお、学習塾や民間のプログミング教室に向けてテキスト教材なども新規に開発する。 Pepper 社会貢献プログラムとは いよいよ2020年から小学校でプログラミング教育の必修化がはじまる。将来に向けてコンピュータスキルやサイエンティストの育成を社会としてはかっていくためだ。 ソフトバンクグループは、このプログラミング教育の必修化に先駆け、小中学生の論理的思考力や問題解決
私は教員をしていますが、今度、日系ブラジル人が多く住んでいる地域の学校に赴任することになりました。日本語が母語でないこどもたちに対して、どのようなことに気を付けておいたらいいでしょうか。 ※ この記事の初出は『新「ことば」シリーズ』18号(2005、国立国語研究所)です。当時の雰囲気を感じられる「ことばのタイムカプセル」として、若干の修正を加えた上で公開します。 文部科学省の調査結果によると、日本語指導が必要な児童生徒数は、19,042人(小学校 : 12,523人、中学校 : 5,317人、高等学校 : 1,143人、その他 : 59人)で、母語別では、ポルトガル語が最も多く(6,772人)、以下、中国語(4,913人)、スペイン語(2,665人)、その他(4,692人)となっています(平成15年9月1日現在)。ここではまず、ポルトガル語を母語とする日系ブラジル人が多数住んでいる集住地域
日本では、約9人に1人の 子どもが貧困状態にあります 厚生労働省が2023年に公表した報告書によると、日本の子ども(17歳以下)の相対的貧困率は11.5%(2021年)でした。これは、日本の子どもの約9人に1人が相対的貧困状態にあることを示しています。 2014年のOECDのまとめでも、日本の子どもの貧困率は、先進国34ヶ国中10番目に高い数字でした。「子どもの貧困」の問題は、もはや海外だけの問題ではありません。 ※子どもの貧困(相対的貧困)とは、等価可処分所得(世帯の可処分所得を世帯人員の平方根で割って調節した所得)の中央値の半分に満たない17歳以下の子どものことをいう。 ※右図は2009年の子どもの貧困率(15.7%)で国際比較している。 【関連記事】 ・相対的貧困とは何か ※上図は2009年の子どもの貧困率(15.7%)で国際比較している。 【関連記事】 ・相対的貧困とは何か 家庭の
執筆者 新井明 今回のヒントは、新井紀子さん(国立情報学研究所)の『AIに負けない子どもを育てる』(東洋経済新報社)から得たものです。 (1)衝撃的な指摘 この本、新井さんの前著『AI vs.教科書を読めない子どもたち』の続編です。 新井さんがはじめた「リーディングスキルテスト」のサンプルがあり、そこから分ること、テスト結果のタイプ別の課題が分析されています。 それだけでなく、実際に新井さん自身がが行った授業の紹介、見学した授業から発見した知見が書かれています。 そこに指摘されていたのが、教科書が読めなくなっている一つの要因として、授業で使うプリントが取り上げられていました。 これまで、プリント授業を行ってきた筆者にとって、ちょっと衝撃的な指摘でした。 (2)穴埋めプリントの意図せざる結果 新井さんは、小学4年の算数の研究授業を見学、よく練られた良い授業だったのだが、気になることを発見しま
OECD国際成人力調査(PIAAC:ピアック)は,OECD(経済協力開発機構)が中心となって実施する国際比較調査の一つです。参加する各国の成人(この調査では16~65歳)が持っている「成人力」について調査し,その力と社会的・経済的成果との関係などを分析します。平成23年(2011年)に第1回調査を実施しました。それから約10年を経て令和4年度に第2回調査を実施します。現在33カ国の参加が予定されています。 成人力とは 知識をどの程度持っているかではなく,課題を見つけて考える力や,知識・情報を活用して課題を解決する力など,実社会で生きていく上での総合的な力のことを「成人力」と位置付けています。 第2回調査の概要 第2回調査は,令和4年(2022年)9月から令和5年(2023年)にかけて行います。日本では,住民基本台帳から無作為に抽出された,日本国在住の16歳以上65歳以下の個人が対象です。(
心理学博士。1955年東京生まれ。東京大学教育心理学科卒。東芝市場調査課勤務の後、東京都立大学大学院心理学専攻博士課程中退。川村短期大学講師、カリフォルニア大学客員教授、大阪大学大学院助教授等を経て、MP人間科学研究所代表。心理学をベースにした執筆、企業研修・教育講演等を行う。著書に『「やりたい仕事」病』『薄っぺらいのに自信満々な人』『かかわると面倒くさい人』『伸びる子どもは○○がすごい』『読書をする子は○○がすごい』『勉強できる子は○○がすごい』(以上、日経プレミアシリーズ)、『モチベーションの新法則』『仕事で使える心理学』『心を強くするストレスマネジメント』(以上、日経文庫)、『「上から目線」の構造<完全版>』(日経ビジネス人文庫)、『「おもてなし」という残酷社会』(平凡社新書)、『他人を引きずりおろすのに必死な人』(SB新書)など多数。 MP人間科学研究所 E-mail:mphuma
当研究所代表理事・所長の新井紀子によるリーディングスキルテストについての説明動画です(約16分) リーディングスキルテストは、文章に書かれている意味を正確にとらえる力(基礎的な読む力・読解力)を測定・診断するツールです。読解プロセスごとに6つのタイプから構成されており、それぞれのタイプで読解の能力値を診断しています。 リーディングスキルテストで学習の阻害要因を突き止める どの教科の教科書も、学習内容は文章で説明されています。その文章を「読む」ことができなければ、教科の内容を理解できることは決してありません。「リーディングスキルテスト」は、人が文章を「読む」際の11の読解プロセスに着目しました。 11の読解プロセスとは、「文節に正しく区切る」「『誰が』『何を』『どうした』のような構造を正しく認識する」「常識や知識から推論して、未知の用語の意味を位置づける」など、文章の読解に必要な力を11段階
京都大学の高等教育研究開発推進センターがこの9月をもって廃止されることが、8月4日、京都大学高等教育研究開発推進センターによって明らかにされた。この発表は、京都大学関係者をはじめとした教育関係者の間で大きな衝撃をもって広がっている。 というのも、高等教育研究開発推進センターは学内で「教育」という側面で多岐にわたる業務を担っていた組織だったからだ。例えば、 学内のFD(Faculty Development )といった教員への教育 2005年から京都大学の講義や公開講座、シンポジウムなどの動画を管理・無償公開してきた京都大学オープンコースウェア(OCW)の運営 京都大学の大規模公開オンライン講座「MOOC」の運営など これらすべてを、同センターが運営していた。 組織の統廃合や改変にともなう業務の移管はよくあることだ。ただ、高等教育研究開発推進センターが8月4日付で発表した資料によると、業務内
前回、ゴリラ研究の第一人者・山極壽一さんに、「人間が育つときに大切なこと」について聞き、「コミュニケーション力」と、「生活に則したかたちの読解力」が不可欠との言葉をもらった。大学生になるまでにそのふたつを身につけたし、というのが山極壽一総長の言葉だったが、これらが大学入試で厳しく問われることはないのが現状だ。 既存の「問い」の答えだけ探していてはダメ! どこで、どうやって、そうした力を養えばいいだろうか? 「いつでもどこでも、だれだってできますよ。自分で問いを立てることを、習慣づければいいのです。 既存の問いに従って、その答えを見つけるのが学校での勉強の大半で、そういう基礎力もなくては困りますが、それだけじゃ足りないのも事実。 どんなジャンルのことでもいいので独自の問いを立てて、仲間とその問いを共有しながら、正しい答えをみずから見つけようとする。それを意識的にしたほうがいい。 決められた答
総合トップ> 子育て> 育児・子育て> 協調性 遊びや家庭の中でもできる!お子さまが協調性を身につけるために保護者ができること! 育児・子育て 「お友だちと上手に遊べず、すぐにけんかしてしまう」「みんなで遊んでいても、浮いてしまい、ぽつんとしている」「ルールを守れない」「勝手な行動をしてしまう」…。そんなお子さまの姿を見て、「うちの子、協調性がないのかしら?」と不安になる保護者のかたもいらっしゃるのではないでしょうか。 そこでお子さまの協調性を育てるのにはどうすればいいのか、一緒に考えてみましょう。 人間関係を築くのに欠かせないのが協調性 協調性は社会生活を営む中で大切な要素のひとつです。社会に出れば多くの人と関わっていきますから、協調性がなければ周囲から徐々に孤立してしまう危険性があります。そのため、早めに協調性を身につけてほしいと思う保護者のかたも多いでしょう。 では、協調性はいつ頃身
こんな記事があった 声をつないで:女子の大学進学 東京と鹿児島で格差2倍超 10県は30%台どまり | 毎日新聞 https://mainichi.jp/articles/20220213/k00/00m/040/124000c これを見て他の都道府県も知りたかったので、基になっている学校基本調査という奴から表を作ってみた。ただこの統計表は4年生大学以外の短大や専門学校への進学も含まれるものだ。 わかること 進学率そのものは女性の方が高い。これは全国的にも鹿児島県でも同じで、男性の方が進学率が高いのは、北海道、山梨県、静岡県。ただいずれも値は拮抗し男女差2%以内。 進学率が最も低いのは鹿児島県ではなく沖縄県の41%。ついで山口県で44%、鹿児島県で45%なので、沖縄県が4ポイントも低いことに。トップは京都府で70%の進学率がある。沖縄県に対して27ポイントも違うので、男女格差よりも都道府県
「宿題を忘れた!」苦い経験。「遊ぶのは宿題をしてから」といったルール。今も昔も子どもを悩ませる宿題は、どのように定着してきたのでしょうか。 世界史ブログ「歴ログ」の中の人が、学校では教わらない「宿題の世界史」をご紹介します。 はじめに みんな自発的におこなっていた?近代以前の「宿題」 ドイツで広がった授業の内容を頭にたたき込むための宿題 アメリカに導入された宿題システムは猛反発を受けた ソ連の「スプートニク成功」がアメリカの宿題に影響を与えた 「宿題はよいのか悪いのか」議論があるフランス 宿題の時間が少なくても学力が高いフィンランド 宿題の時間が増えると点数が上がるデータもある 「そもそも宿題は何のためにあるのか」を考え直そう はじめに こんにちは。「歴ログ -世界史専門ブログ-」を運営している尾登(おとう)と申します。世界史のさまざまなおもしろネタの収集をライフワークとしています。 世界
「親ガチャ」という言葉に込められた怒り 「親ガチャ」という言葉がTwitterトレンドに入るほど流行していたとき、興味があってワード検索をかけてみると、ネガティブな反応や嫌悪感を露わにしているつぶやきが非常に多かった。例えば「生んでもらった親に対して敬意がない」「親を『ガチャ』という言葉で否定するなんて、親が聞いたら悲しむ」という風に、親サイドの目線に立って考えている人たちによる意見が目立ったように思える。 もちろん若者であっても、親が自分を生んで育て上げてくれたことに感謝し、今も良い関係を築けている人であれば「自分の親を『ガチャ失敗』などと例えるなんて」と、「親ガチャ」に対して拒否反応が出てもまったく不思議ではないだろう。 私個人としては「親ガチャ」という言葉を好んでは使わない。しかしながら、世の中で起こっているさまざまな不平等を解決しようとするとき、なくては語れないのが「生まれ育った環
難病・拡張型心筋症を患うきかちゃんの心臓移植手術に向け立ち上がった「きかちゃんを救う会」。そのチャリティーイベントとして、教育哲学者・苫野一徳氏による講演会が開催されました。テーマは「勉強するのは何のため?」。誰もが一度は考えた「なんで勉強しなきゃいけないんだろう」という問いに対して、哲学の視点から苫野氏が解説します。本記事では、苫野氏が哲学に出会うまでの人生が語られました。 ※「きかちゃんを救う会」は、10月1日に目標募金額3億5,000万円を達成しました。 教育哲学者が語る「勉強するのは何のため?」 苫野一徳氏:みなさん、どうもこんにちは。苫野です。今日はご参加いただきましてありがとうございます。「きかちゃんを救う会」に少しでも応援ができたらなと思って、今日の会を開催させていただきました。 (司会の)彦野さんをはじめ、何人もの方にご協力をいただいております。あらためて感謝いたします。今
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