教育をめぐる今日的問題では、大阪府だけが気を吐いているという感じである。 橋下大阪市長率いる大阪維新の会による大阪府教育基本条例のことである。 ひところ全国的にさかんであった教師バッシングも今ではすっかり終焉し、おかしな教育言説によって現場が混乱せずに済もうかというところに、これである。私には、橋下氏が、大阪府の行政改革のために「教師の質が低下している」という誤った言説を煽っているようにしかみえない。 大阪維新の会が主張している教育改革というのは、大阪の教育をよくして、子どもの成長の向上につなげたい、という発想ではないようである。究極的にはそうだろうが、それよりも、大阪府の地方行政の構造改革という大きな地方行政改革の一環として、教育行政をいじっているというのが妥当ではないか。つまり、純粋に大阪府の学校教育をよりよくしていこうというのではなく、現在進行中である、地方行政への権力移譲や、大阪府