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ブックマーク / www.newsweekjapan.jp/ichida (8)

  • 陰謀論とロシアの世論操作を育てた欧米民主主義国の格差

    現在、格差の下位にいる人々がまとまって影響力を行使することは難しい...... Ink Drop-shutterstock <情報戦への対処が安全保障上の要請である以上、対抗策としての格差への対処もまた安全保障上の課題だ。民主主義国である以上、格差は安全保障上の弱点につながる......> 世論操作のターゲットは政治、経済、文化面で不可視にされた人々 情報戦、フェイクニュース、偽情報、ナラティブ戦、認知戦、デジタル影響工作といったネットを介した世論操作は相手国の国内にある問題を狙うことが多い。その問題は相手国ですでに国内の問題として存在し、分断と混乱を生んでいる。そのためどこまでが他国からの世論操作によるものなのか、自国の国内問題なのかという判別は難しい。 すでに国内問題として深刻になっていた以上、「平和で安全な社会にロシアが偽情報やナラティブを撒き散らして混乱が起きた」といったとらえ方は

    陰謀論とロシアの世論操作を育てた欧米民主主義国の格差
  • 「世界各地で同じことが起こる?」ドイツのクーデター未遂事件が予兆する世界......

    ドイツでのクーデターを企てた組織で、「ハインリヒ13世」を名乗る主犯格の1人 Tilman Blasshofer/Reuters <ゆるいネットワークでつながった陰謀論者たちが武装化して過激になってきている。過去の過激派との違いは深刻であり、従来の方法論ではい止めることのは難しい......> ドイツのクーデター未遂事件は世界に衝撃を与えた。事件に関して、さまざまな記事や分析が公開されているが、この事件の背景について触れているものは少ないようなので紹介してみたい。この事件は大きな流れの一部であり、長い戦いになることが予想される。 事件のあらまし 2022年12月7日、ドイツでクーデターを計画したとして25人が逮捕された。捜査はドイツを中心にイタリア、オーストリアでも行われ、3,000人以上の特殊部隊、警官が動員され、130(一部報道では150)の施設が捜索された。リーダーはハインリッヒ1

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  • 中国政府が世界各国からデータを入手する3つの手法とは...

    中国はデータを戦略資源と位置づけ、さまざまな手段を用いて収集してきていた...... REUTERS/Florence Lo <中国政府はさまざまな方法で世界各国からデータを入手しているが、大きく3つの手法を用いている......> 中国は世界各国から技術などの貴重な情報をさまざまな方法で入手している。なぜかあまり話題にならないのが、データ移転=データ・トラフィッキングである。ZOOMやTikTokの内容が中国当局に漏れていたことは有名だ(NW過去記事)。 日ではLINEのデータが中国当局に閲覧可能であることが暴露された。そもそも中国当局は2017年の国家情報法によって中国当局は必要に応じて個人や企業などの保有するデータを入手することが可能になっている。中国国内にデータがあることが漏洩する可能性を意味している。ZOOMやTikTokLINEはあくまで氷山の一角にすぎないのだ。それにもか

    中国政府が世界各国からデータを入手する3つの手法とは...
  • 暴かれた極秘プロジェクト......権威主義国にAI監視システムを提供する「死の商人」グーグル

    サンフランシスコのGoogleオフィスの外で行われた抗議集会...... REUTERS/Paresh Dave <「グーグルは正義よりも人種差別を選んだ」......暴露されたイスラエル政府とのプロジェクト・ニンバス、中国とのプロジェクト・ドラゴンフライ> なぜか日ではグーグルに関するネガティブな情報があまり報道されない傾向がある(わずかに報道されることもあるが)。2022年7月24日、The Intercept_誌はグーグルプロジェクト・ニンバス(Nimbus)の隠された事実を暴露した。プロジェクト・ニンバスとは、イスラエル政府からグーグルとアマゾンが受注した12億ドル(約1,700億円)のクラウドコンピューティングの名称である。 以前からイスラエルはパレスチナ人に対する監視システムを構築、運用していたが、それがプロジェクト・ニンバスによってさらに高度になるのではないかという懸念が

    暴かれた極秘プロジェクト......権威主義国にAI監視システムを提供する「死の商人」グーグル
  • アメリカが直面する内戦の危機と中絶問題──武装化したQAnonやプラウドボーイズ

    <カリフォルニア大学のグループが行った調査で、半数以上が数年以内にアメリカで内戦が起きると回答した......> 日ではほとんど報道されることはないが、アメリカでは多くの国民が内戦を現実起こり得る脅威として認識している。カリフォルニア大学のグループが行ったアメリカ全土を対象にした調査では、半数以上が数年以内にアメリカで内戦が起きると回答したほどである。 アメリカが内戦の危機に直面していることを示した書籍『How Civil Wars Start』はベストセラーになっている。著者のBarbara Walterは30年間内戦を研究し、CIAの諮問機関Political Instability Taskforceに所属していたこともある。この分野の専門家の指摘とあって、さまざまなメディアで大きく取り上げられ、注目されている。 世界各地の武力衝突をモニターしているArmed Conflict L

    アメリカが直面する内戦の危機と中絶問題──武装化したQAnonやプラウドボーイズ
  • 世界でもっとも多い統治形態は民主主義の理念を掲げる独裁国家だった

    <最新の民主主義指標から見ると、現在、もっとも多い統治形態は、選挙独裁主義で、62ヵ国、世界人口の43%となっている...... > 稿は埼玉大学国際シンポジウム「パンデミック時代における科学技術と想像力」(2021年3月27日、28日)の基調報告として発表する内容のうち、現状整理の部分をふくらませた。シンポジウムではこれからの課題と可能性に主に触れる予定である。無償のウェビナーで申し込みは3月25日まで延期となったので関心ある方のご参加を歓迎する。 最新の民主主義指標から見える民主主義から権威主義への移行 民主主義の危機あるいは衰退が叫ばれて久しい。最近、公開された民主主義の指標として知られるイギリス、エコノミスト誌Intelligence Unitの「民主主義指数」とデンマークのV-Demの最新版ではいずれも民主主義の後退が確認された。特に民主主義指数では2006年に最初の指標を公開

    世界でもっとも多い統治形態は民主主義の理念を掲げる独裁国家だった
  • イーロン・マスクはジオン・ダイクンの夢を見るか?──ビッグテックが宇宙を目指すほんとうの理由

    アマゾンのジェフ・ベゾスは宇宙にコロニーを作って地球を守ろうという...... Blue Origin <ビッグテックは新しい世界を拓こうとしているが、それは決して人類の可能性を追求するためではない......> ジオン・ダイクンは正確には、「ジオン・ズム・ダイクン」という機動戦士ガンダムシリーズの登場人物だ。登場回数は少ないものの、作品の背景となるジオニズムと呼ばれる思想を提唱した重要人物である。宇宙移民の独立を訴え、宇宙時代に合った新しい人類=ニュータイプの誕生を予言した。くわしい説明は省くが、宇宙時代における新しい思想と国家のあり方を提示した人物と言ってよいだろう。 機動戦士ガンダムシリーズは、宇宙移民と地球連邦との対立という比較的古典的な構図で成り立っているが、現実の世界では国家とならぶ地政学上のアクターとなったビッグテックが事業拡大の一環として宇宙に触手を伸ばし始めている。宇宙へ

    イーロン・マスクはジオン・ダイクンの夢を見るか?──ビッグテックが宇宙を目指すほんとうの理由
    takeshi4839
    takeshi4839 2021/11/16
    イーロン・マスクはジオン・ダイクンの夢を見るか?──ビッグテックが宇宙を目指すほんとうの理由
  • あなたの知らない「監視資本主義」の世界

    「監視資主義」の最大の問題は、行動を監視し、予測、誘導することにある...... metamorworks-iStock <Netflixのドキュメンタリー『監視資主義』が話題だ。そのドキュメンタリーで描かれた問題の先、さらに今後の対応を考えた......> 今回は、Netflixのドキュメンタリー『監視資主義』に4冊のをからめて、SNS企業が引き起こした社会変化とその背景について説明したい。ちなみにこのドキュメンタリーの原題は、『The Social Dilemma』であり、中では監視資主義そのものについてあまり詳しく語られてはいない。したがってこのドキュメンタリーは監視資主義そのものをテーマにしているわけではなく、正確には監視資主義の社会で起こるSNS依存症に焦点を当てた内容となっている。なぜ日語タイトルが『監視資主義』になったのか不思議である。キャッチーな言葉だから

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