「なんだあれは?!」 「中華民国?!」 「ここは中華人民共和国台湾省じゃないのか?!あの標記おかしいぞ!」 2011年5月、筆者は初めて台湾に降り立った。桃園国際空港の入国審査に差し掛かった時、一人の中国人男性が “中華民国”という標識を見てこう叫んでいた。年齢は50歳くらい。その発音から察するに、恐らく東北地方出身だろう。 こんな“同胞”を冷ややかな目で観察する周りの中国人たち。 「バカか、こいつは。そんなことも知らないで来たのか?」 「やめてほしいね。中国人の恥さらしになるような行為は」 この光景を眺めながら、筆者は「中台関係は複雑だな。相互理解・共存共栄への道のりはまだまだ長いな」なんて考えていた。「中国人は台湾を知らなさすぎるし、台湾人は中国に呑み込まれるのを恐れている。恐らくそうだろう」と。 実は密度濃い、中台の交流 その後、2012年、2013年と毎年台湾を訪問した。この過程で