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ブックマーク / tatemura.hatenadiary.org (5)

  • 情報系学会がなぜドメスティックになりがちか - tatemuraの日記

    先のエントリーには自分の予想を超える反応をいただいた。頭の中では「情報系」の若手を特に想定して書いていたのだが、文章ではそこがちょっとわかりにくかったことを反省している。日語圏引きこもり問題は、学問の分野によってずいぶん状況が異なると思う。 反省を込めて、情報系の分野が、自然科学系に比べてなぜドメスティックになりがちか(日語圏内に引きこもりがちか)、考えをまとめてみたい。 情報系がドメスティックになりがちな理由を端的に言えば、研究の「価値」がコンテクスト依存だからだと思う*1。数学との大きな違いは、実世界において意味のある計算をしなければ、価値のある研究とみなされにくいことである。しかし、どんなものに価値があるかは、文化や国の背景によっても異なる。*2 そういった背景を抜きに、「こんなアルゴリズムを作りました。走らせたら早いです。」というだけでは、論文としてあまり評価されない。 そんな

    情報系学会がなぜドメスティックになりがちか - tatemuraの日記
  • 圏外からの眺め - tatemuraの日記

    衛星からの北朝鮮の夜景を見たことがあるだろうか。周りの国が光を放つ中、闇の中に人々が暮らしているかと思い、どきりとさせられる画像である。 それと同じようなものがある。英語圏から見た日だ。周りの国が光を発している中で、日からの光はまったく目立たない。全くの闇ではないが、その中にあれだけ多くの人が暮らしていることを考えると、この光のなさにはある種の恐怖を覚える。日の中にいると、なかなかこの感覚はわからないかもしれない。国内ではどんなものでもどんな情報でも溢れているように見える。日語圏内では逆に光が強すぎて、外のことが全く見えないんじゃないかと思う。 もちろん、日では英語ができなくても立派に生きていけるし、多くの人は英語で発信することに意味を見出せないかもしれない。英語なんてものは「語学」という教養の一アイテムかもしれない。でも英語圏における、日のこの存在感のなさは異常に感じる。日

    圏外からの眺め - tatemuraの日記
  • 知の開国:大学の若手研究者ができる4つのこと - tatemuraの日記

    IT業界は鎖国状態に近い。国内だけで回るシステムが産官共同で構築され、閉じた世界の中で生産性は一向に上がらず、日発のソフトウェアやサービスが世界に広まるという事例が極端に少ない。 残念ながら同じことが、大学を中心にした学問の世界でも起きているように思う。国内だけで回るシステムが産官学で構築され、優秀な頭脳が低い生産性の中で無駄遣いされている。この事態を変えられるのは、危機感を持った若い研究者たちだと思う。もちろんこれは、大変難しい問題だ。日全体の構造的な問題なので、一人の力ではどうにもならないと感じるかもしれない。それを力で変えようとすれば、政治的権力を得る必要があり、それを得たころにはもうあなたは今のあなたではなくなっている。危機感はそのうち無力感となり、そして何も感じなくなってしまうかもしれない。 それでも若手研究者に今から具体的にできることは、ある。 (1)英語のレジュメを

    知の開国:大学の若手研究者ができる4つのこと - tatemuraの日記
  • 大企業をゆく - tatemuraの日記

    更新をサボっている間に今日またひとつ歳をとってしまった。ちょっとここで、大企業に勤める研究者として自分の身を振り返ってみたい。 『ウェブ時代をゆく』関連で大組織と小組織の対比が話題になったが、そもそも自分はなぜ大企業に勤めるのだろうか。『ウェブ時代をゆく』の「大組織適応性」チェックリストは必ずしも当てはまらない。むしろ逆に思う点も多い。例えば、 「配属」「転勤」「配置転換」のような「自分の生活や時間の使い方を他者によって規定されること」を、「未知との遭遇」として心から楽しめる。(p93) という点。会社の命令で赴任し、会社の命令で突然帰任させられる出向者の人々を見てきているので、日的企業戦士の適応性としては納得するのだが…。自分にはできないだろう。*1 そんな自分でも今ここにいるのは、大企業ならではの研究職というものに意義を感じているからだろう。 大企業のゆるさと研究職 まず言えるのは、

    大企業をゆく - tatemuraの日記
  • ケータイ進化論 本当の「黒船」はこれから現れる

    来年はついにiPhone上陸か、といわれており、Appleと組むキャリアはドコモか、ソフトバンクか、といわれている。iPhoneの参入は、パラダイス鎖国日への黒船来襲ではないかとも言われる。だが、iPhoneもまた垂直統合型のクローズドな製品である。確かに今のケータイ業界に風穴を開けるかもしれないが、これまでのキャリア主導の体制を大きく揺るがすものではないだろう。これに対して、次に来るオープンな「黒船」の破壊力は風穴どころではないだろう。まだ間に合うかもしれない。その黒船に日のメーカーが乗るチャンスも皆無ではないから…。 日のケータイ業界の構造的な問題はいろいろ指摘されているが、実は、米国も日のようにキャリアによる業界の支配が強い。日のように携帯のブランドまでコントロールすることはないけれど、販売奨励金やSIMロックの問題が程度の差こそあれ存在する。その状況下で、自分がよいと

    ケータイ進化論 本当の「黒船」はこれから現れる
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