『人間を幸福にしない日本というシステム』カレル ヴァン・ウォルフレン著、鈴木主税訳を読み終わりました。 この本が出版当時(1994年)話題になっていたことを確かに覚えています。SPA!〜SAPIOで小林よしのり氏が活躍していた頃。でもこの本は読まなかったなあ。 日本の政治・行政・企業の戦略上や運営上の問題については、『失敗の本質』でも説明されていましたが、この本では戦前・戦後の日本の組織について深く踏み込んだ説明がなされています。 この本の中で重要なキーワード。 「市民としての立場(シチズンシップ)」 「偽りの現実(false reality)」 事実は逆だ。日本の経済は、今世紀の最初の三十年間のほうが、今日よりも自由放任主義によっていて、企業化精神に富み、外国にたいして開放的で、市場の動きにまかされていた。このように比較的自由だった日本の経済システムは、一九三二年の「資本逃避防止法」と一