「長かった」 第9戦オーストリアGPで優勝したホンダF1のテクニカルディレクターを務める田辺豊治は、2006年のハンガリーGP以来、13年ぶりにホンダがF1の舞台で頂点に立った心境をそう語ると、しばらく空を見つめた。 それは、この13年という歳月の中に、ホンダのF1活動を行ってきた者たちにとって、忘れられない日々がいくつもあったからだ。 '06年ハンガリーGPで最後に優勝してから2年後の'08年12月、ホンダはF1からの撤退を決める。その直前まで'09年へ向けたテストを行ない、手応えをつかんでいた現場スタッフたちにとっては苦渋の帰国だった。ホンダが撤退した後、チームはブラウンGPという名で再出発。ジェンソン・バトンが'09年の開幕戦で優勝した。その活躍が映し出されたテレビ画面を、田辺をはじめ多くのホンダのスタッフが泣きながら見ていたという。 7年ぶりにF1へ復帰するも……。 その後ホンダは
![F1ホンダが味わった撤退、酷評……。13年ぶりの勝利の美酒に嬉し涙。(尾張正博)](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/a0d129f382e251eb8b28ff45bd954b8e94406d96/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fnumber.ismcdn.jp%2Fmwimgs%2F5%2F8%2F-%2Fimg_581f4ea116cb2b600bad63e9b98528a1103359.jpg)