インタヴュー・文/大石始 写真/大石慶子 静岡から一枚のレコードが届けられた。封を開けると、インクのほのかな匂いが鼻をついた。シルクスクリーンで印刷されたジャケットは、たった今印刷所から上がってきたばかりという艶やかな光沢を放っている。レコードに針を落とすと、温かなスカのリズムが鳴り始めた。 こだまレコードの『こだまレコード1』。このLPは2015年から2019年にかけて同レーベルからリリースされた12枚の7インチシングルからコンパイルされたもので、「ジャマイカン・オールディーズの知られざる名曲を日本語でカヴァーする」というレーベルコンセプトに沿った12曲が収められている。 2021年2月15日に発売されたシルクスクリーンジャケのファーストプレス(限定500枚)は早々にソールドアウト。その後発売されたセカンドプレスもあっという間に店頭から姿を消した。いずれのヴァージョンもこだまレコードを主