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ブックマーク / book.asahi.com (103)

  • 檀廬影 a.k.a DyyPRIDEの人生に影響を与えた3冊 負の感情を捨てる |好書好日

    檀廬影(だん・いえかげ) 1989年、横浜生まれ。ラッパーとして活動する際の名前はDyyPRIDE(でぃーぷらいど)。2011年に1stアルバム「In The Dyyp Shadow」、13年に2ndアルバム「Ride So Dyyp」を発表した。またSIMI LABのメンバーの一人として2枚のアルバムをリリースしたが17年に脱退。また、菊地成孔と大谷能生のヒップホップユニット・JAZZ DOMMUNISTERSのアルバム「Birth of Dommunist」にも客演で参加している。19年に檀廬影として小説『僕という容れ物』(立東舎)を発表した。 ラッパー・DyyPRIDEは常に激しい葛藤を抱えていた。幼少期から差別に苦しみ、喧嘩に明け暮れ、酒に溺れ、精神は破綻した。リリックは、身体的にも精神的にも痛みを感じさせる表現が多かった。所属していたグループ・SIMI LABを脱退したのち、Dy

    檀廬影 a.k.a DyyPRIDEの人生に影響を与えた3冊 負の感情を捨てる |好書好日
  • 朝日新聞「平成の30冊」を発表 1位「1Q84」 2位「わたしを離さないで」 3位「告白」|好書好日

    1位 『1Q84』(村上春樹、新潮社、2009年) 『1Q84』はBOOK1・2が平成21年、翌年BOOK3が刊行された。夜空に二つの月が浮かぶ「1Q84年」の世界で、10歳で離ればなれになった青豆と天吾が再会するまでの物語。カルト教団も描かれたことで、高い注目を集めた。毎日出版文化賞。21年の年間ベストセラー第1位(日販調べ)で、単行・文庫の累計部数は約860万部。 京都大教授の中西寛さんは「平成時代において最も注目を集めた文芸作品。野茂英雄が野球の世界で行ったように、日語文学の世界性を意識させた」と解説する。コラムニストの堀井憲一郎さんは「平成時代は『村上春樹の時代』でもあった。この書籍に対する期待度と売れ具合は尋常ではなかった。日常生活でふつうの人が小説を話題にできた最後の作品だったかもしれない」と評価した。文筆家の青木奈緒さんも「平成の日の世相を描いた、平成を代表する小説」と

    朝日新聞「平成の30冊」を発表 1位「1Q84」 2位「わたしを離さないで」 3位「告白」|好書好日
  • カルチャーがクロスオーバーする鈴鹿・四日市を盛り上げたい YUKSTA-ILL|好書好日

    YUKSTA-ILL(ユークスタイル) 三重県鈴鹿を拠点に活動するラッパー。フリースタイルMCバトルの大会「ULTIMATE MC BATTLE(UMB)」の名古屋地区予選を2007、09年に制した。またTYRANTのメンバーとして東海地区を中心に活動していた。代表作は11年の1stアルバム「QUESTIONABLE THOUGHT」、17年の2nd「NEO TOKAI ON THE LINE」。この2月には東海地方の伝説的ビートメイカー・刃頭やKOJOEが参加した3rd「DEFY」を発表。 日のヒップホップにおいて東海地方といえば、まず最初に思い出すのはTOKONA-X、そしてAK-69だろう。2010年代半ばごろからは新世代のラッパーたちが台頭するようになる。今回紹介するYUKSTA-ILLは三重県鈴鹿を拠点に活動するラッパーで、呂布カルマ、CAMPANELLA、C.O.S.A.らと

    カルチャーがクロスオーバーする鈴鹿・四日市を盛り上げたい YUKSTA-ILL|好書好日
    txmx5
    txmx5 2019/02/10
    “文:宮崎敬太、写真:有村蓮”
  • 横山剣さんインタビュー 「僕の好きな車」で昭和にワープ|好書好日

    文:宮崎敬太、写真:斉藤順子 横山剣(よこやま・けん) 1960年7月7日生まれ。神奈川県横浜市出身。自称「東洋一のサウンド・マシーン」。舘ひろしらが在籍した伝説的ロックバンド・クールス、ZAZOU、CK’sを経て、1997年にクレイジーケンバンドを結成した。代表曲はドラマ主題歌にもなった「タイガー&ドラゴン」。さまざまなアーティストのプロデュースや楽曲提供も行なっている。 現代の立ち位置から当時を見る「昭和にワープ」な感覚 ーー車を切り口にさまざまな人、音楽文化、風俗を紹介するというこの切り口はどのように生まれたんですか? 例えばこの表紙。HINO CONTESSA 900 SPRINTという1962年に発表された車なんですが、これは幻のコンセプトカーで、しかも実際には発売されてないので、この表紙のイラストのように現代の羽田空港の前の道を走ってるなんてあり得ないんですよ。僕が大事にして

    横山剣さんインタビュー 「僕の好きな車」で昭和にワープ|好書好日
  • 獄中で読んだ「カリートの道」の原作本は心に沁みた A-Thug(SCARS、DMF)|好書好日

    A-THUG(エーサグ) 川崎を拠点に活動するラッパー。SEEDA、BESらが在籍するヒップホップグループ・SCARSのリーダーとして、アルバム「THE ALBUM」で2006年にシーンに登場した。2011年には1stソロアルバム「BRIGHT SON!!」、2014年にシカゴで活躍する日人プロデューサー・DJ KENNと制作したアルバム「STREET IS TALKING」など、話題作を定期的発表している。最新作は11月に発表した「PLUG」。また近年はKNZZやDJ J-SCHEMEとともにDMF(DAWG MAFIA FAMILY)としても活動している。 「ムショでは朝日新聞読んでたんだよね」。A-Thugへの取材はその一言からスタートした。彼はSEEDA、BES、STICKYといった錚々たるラッパーたちが在籍しているヒップホップグループ・SCARSのリーダーだ。近年はKNZZ、J

    獄中で読んだ「カリートの道」の原作本は心に沁みた A-Thug(SCARS、DMF)|好書好日
  • ガンダムにハマる夜 湊かなえ|好書好日

    年明けに新作が出せるかどうかという瀬戸際にもかかわらず、アニメにハマってしまいました。「機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ」です。 現在45歳。子どもの頃にガンダムシリーズを楽しむことができず、自分とは無縁の世界だと決め付けていたのですが、きっかけになったのは、MISIAの楽曲「オルフェンズの涙」です。 2015年に発売されたこの曲を、ある歌番組で聴き、感銘を受けました。オルフェンズとは孤児たちという意味で、アニメのエンディングテーマとして作られたと知り、この世界観を持つ物語にぜひ触れてみたいと思ったのです。 とはいえ、ガンダムか。そんな気持ちで、1期分・全9巻のDVDのうち、1巻だけ借りたのですが、1話目から、不遇な環境に生まれ育った少年たちの物語に引き込まれ、その日のうちに、残りをすべて借りに行きました。 DVDを入れ替えるごとに、罪悪感が込み上げてきます。こんなことをしている暇はな

    ガンダムにハマる夜 湊かなえ|好書好日
  • 読むべき本は、いつもお店の棚で光ってる 田我流(stillichimiya)|好書好日

    田我流(でんがりゅう) 山梨を拠点に活動するラッパー。2011年に映画「サウダーヂ」へ出演したことで全国的で知られるようになり、翌12年4月に発表したアルバム「B級映画のように 2」でラッパーとして評価を確固たるものにした。代表曲は「やべ~勢いですげー盛り上がる」、EVISBEATSの作品に客演で参加した「ゆれる」など。ヒップホップだけではなく、幅広いジャンルのリスナーから愛されているラッパー。また同郷の仲間たちと結成したグループ・stillichimiyaにも所属している。 開高健のルポ「オーパ!」は文章が色っぽい 喜怒哀楽が詰まった傑作「B級映画のように 2」をリリースしてからの田我流は、とても精力的に活動していた。地元・山梨の仲間たちとのグループ・stillichimiyaでアルバムを発表し、さらに日全国をツアーで回った。そして音楽的な探究心からバンド編成のアルバムも制作した。 そ

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  • 僕のリリックにタブーはない 呂布カルマ|好書好日

    呂布カルマ(りょふ・かるま) 名古屋出身。2009年に「13 shit」でデビュー。ヒップホップのステレオタイプにとらわれない独自のスタイルを確立し、さまざまなジャンルのリスナーを獲得した。またMCバトルでも無類の強さを発揮。さまざまな大会での優勝経験がある。現在はテレビ朝日系深夜番組「フリースタイルダンジョン」の2代目モンスターとしてレギュラー出演中。最新アルバムは自身のレーベル・JET CITY PEOPLEからリリースした「SUPERSALT」。 トレードマークはド派手な柄シャツとオールバック。昭和のヤクザ映画に出てくるチンピラのような服装でラップする呂布カルマの存在感は唯一無二だ。MCバトルでは無類の強さを誇り、オリジナル楽曲「ヤングたかじん」ではやしきたかじんにオマージュを捧げる。いつも次の一手が読めない人だからこそ、アイデアの源泉が知りたくなる。 [MV] 呂布カルマ - ヤン

    僕のリリックにタブーはない 呂布カルマ|好書好日
  • 感情を暴力ではなく、言葉と音楽で表現したかった kamui(TENG GANG STARR)|好書好日

    kamui 名古屋生まれ。2015年になかむらみなみらと3人でTENG GANG STARRを結成。自身はラップ、映像制作に加え、3-i名義でトラックメイクも行う。16年にメンバーが脱退し、kamuiとなかむらみなみの2人体制に。17年夏から格的な活動を開始し、YouTubeで楽曲を発表していった。9月5日に1stフルアルバム「ICON」、9月19日にはkamuiのソロアルバム「Cramfree. 90」をリリースする。 近年、日のヒップホップシーンでは、アメリカのトレンドを独自解釈したユニークなグループが誕生している。TENG GANG STARRはその中でもひときわ注目を集める存在だ。今回登場してもらったkamuiは、自身のステージネームを白土三平の『カムイ伝』からインスパイアされたことを公言している。まずはそこから詳しく話を聞いてみた。 「ヒップホップを始めた時、カッコいい名前を

    感情を暴力ではなく、言葉と音楽で表現したかった kamui(TENG GANG STARR)|好書好日
  • 孤独は味方にすべきものと知った KOJOE|好書好日

    KOJOE 新潟生まれ、ニューヨーク・クイーンズ育ち。2007年に日人として初めて、ニューヨークのインディレーベル・RAWKUSと契約して大きな注目を集めた。同レーベルの閉鎖後、2009年に帰国して日での活動を開始した。ラッパーの5lackやISSUGI、九州のトラックメーカー・OLIVE OILとも共演し、注目を集めている。 KOJOEはニューヨークのクイーンズでラッパーとしてのキャリアをスタートさせた異色の日人ラッパーだ。クイーンズはRUN DMCやNASといったヒップホップ界のアイコニックなスターを生んだ地区。KOJOEも当初はすべて英語、もしくはそこに日語が混じるバイリンガルラップを披露していたが、徐々に日人に「伝わること」を意識した曲作りをするようになった。 前作「here」では自分を縛っていたさまざまな鎖から自由になっていく過程を歌にし、最新作「2nd Childho

    孤独は味方にすべきものと知った KOJOE|好書好日
  • いろんな本が家に積まれてることが大事 Lil Mercy|好書好日

    Lil Mercy(りるまーしー) 1979年生まれ。音楽レーベル・WDsoundsを主宰して、仙人掌、febb、CAMPANELLA、ERAらの作品制作に携わるほか、自身もJ.COLUMBUS名義でカセットテープアルバム「north tokyo soultape CAS-SETTE TAPE」を発表している。またハードコアパンクバンド・PAY BACK BOYSではヴォーカルを担当。読書家集団「Riverside Reading Club」のメンバーでもある。 をたくさん読んでたり、いろんな音楽を聴いていることがカッコよかった 「ラッパーたちが読んでいるを紹介する」というこの企画を準備している時、「仙人掌はいろいろ読んでますよ」と教えてくれたのがLil Mercyだった。彼は私に『ヤーディ』というロンドンに住むジャマイカ人たちの小説を教えてくれて、読んでみるとそれがものすごく面白かっ

    いろんな本が家に積まれてることが大事 Lil Mercy|好書好日
  • 「エヴァ」でも注目、「死海文書」に世界はなぜ驚かされるのか? 日本語版刊行開始|好書好日

    文・北林のぶお 「死海文書」は、確かに存在している。旧約聖書の写を含む約2000年前の古文書が、「世紀の大発見」と言われてから約70年。解読作業の遅れから、オカルト的な興味の対象になったり、真偽そのものを疑う声も一部で上がった。ようやく現存する文書の公刊がほぼ終わり、日でも全12冊の刊行が始まった。ぷねうま舎の社長で編集を担当した中川和夫氏は、聖書を新たに読み解く試みについて「長年の夢を実現できた」と、静かに語る。 ――まず「死海文書とは何か」というところからお聞かせください。 1946年から47年にかけて、現在のヨルダン川西岸地区にある死海のほとりの洞くつ群から、ベドウィンの羊飼いの少年が偶然にも巻物を収めた壺を見つけた、という逸話が伝えられています。巻物は後に20世紀最大の考古学的発見と言われるのですが、ベドウィンから古物商、さらにはシリア正教会の大司教の手に渡り、数奇な運命をたど

    「エヴァ」でも注目、「死海文書」に世界はなぜ驚かされるのか? 日本語版刊行開始|好書好日
  • 「ヒップホップ+読書=文化系」だけではない 仙人掌|好書好日

    仙人掌(せんにんしょう) 1982年、東京生まれ。10代の頃からラップをはじめ、2000年代半ばごろからDOWN NORTH CAMP、MONJUのメンバーとして頭角を現す。ソロでは数枚の限定盤を経て、16年に待望の1stアルバム「VOICE」を発表。そして18年6月に2ndアルバム「BOY MEETS WORLD」をリリースした。9月には東京・UNITでリリースパーティーの開催が決まっている。 新しいことを始める時に読むと自由な発想になれる 仙人掌のリリックはカッコいい。短いセンテンスから、ストリートにうごめくさまざまな感情や、その背後にあるストーリーを感じさせてくれる。彼の綴る言葉、描き出す世界観はどんなからインスパイアされているのだろうか? 彼が最初に紹介してくれたのは『かもめのジョナサン』でおなじみのリチャード・バックの『イリュージョン』。遊覧船のパイロットが主人公で、憧れていた

    「ヒップホップ+読書=文化系」だけではない 仙人掌|好書好日
    txmx5
    txmx5 2018/07/22
    まさかのド嬢!山城新伍『おこりんぼさびしんぼ』!!
  • 日本語でのリズム作りを突き詰めるために Mummy-D(RHYMESTER)|好書好日

    Mummy-D(RHYMESTER)(マミー・ディー)ラッパー、プロデューサー、役者 1970年横浜市生まれ。早稲田大学在学中の1989年にRHYMESTERを結成する。ラッパー、プロデューサーとして、日のヒップホップを牽引してきた。代表曲は「B-BOYイズム」「ONCE AGAIN」「The Choice Is Yours」など多数。また近年は俳優としてドラマ「カルテット」にも出演した。 ミュージシャンはどんなを読むのか? 素朴な疑問からこの企画はスタートした。1回目のゲストは、RHYMESTERのMummy-D。RHYMESTERは、日人がヒップホップの“いろは”すら知らなかった1989年に結成された。ラップの命はリズム。韻を踏むのは言葉にリズムを吹き込む技のひとつにすぎない。文法やリズム感が英語とはまったく異なる日語で、いかに気持ちいいリズムを作るか。その技術を常に発展させる

    日本語でのリズム作りを突き詰めるために Mummy-D(RHYMESTER)|好書好日
  • ヒップホップってトータルでその人がにじみ出てるものだと思う ISSUGI|好書好日

    ISSUGI(イスギ) MONJU、SICKTEAM、DOWN NORTH CAMPのメンバー。ラッパーとしてのソロ活動はもちろん、プロデューサーやラッパーとタッグを組んで作品制作を行う。また16Flip名義でさまざまなアーティストのトラックも手がけている。近年は7インチレコードのシングルを毎月リリースする「7INC TREE」という企画が話題になった。 ヒップホップは、世界一細分化された音楽だ。国、地域、都市でスタイルが異なるし、流行の移り変わりも非常に早い。だが、ISSUGIは目まぐるしい変化の中でも、常に自分らしい作品を発表し続けている。洗練されているが、気取ってない。クールでありながらも、胸の内は情熱的。彼のスタイルはどのようにして確立されたのだろうか? 現地人しか知り得ないディテール満載のヒップホップ ISSUGIが持ってきてくれたのは、ニューヨーク在住のジャーナリスト・伊藤弥

    ヒップホップってトータルでその人がにじみ出てるものだと思う ISSUGI|好書好日
    txmx5
    txmx5 2018/07/08
    朝日新聞の読書関連ウェブサイトにISSUGI……!
  • 「幻の作家」山尾悠子さん1万字インタビュー 幻想小説というレッテルなら作家でいられるかも |好書好日

    文・写真 山崎聡 火が燃えにくくなった世界を舞台に、前半部「Ⅰ 飛ぶ孔雀」と、書き下ろしの後半部「Ⅱ 不燃性について」からなる連作長編。前半部の主舞台は、蛇行した川のなかにある川中島Q庭園。天守閣を借景とした4万坪の池泉(ちせん)回遊式庭園で真夏の大茶会が開かれ、多くの人々が集う。濃い緑の芝に緋毛氈(ひもうせん)と野だて傘。夜は電飾で一面が光の海と化し、パレードの楽隊が大音量で行進する――。散文詩のような文体でつづられる光景が、徐々に物語の予兆をはらむ。 ――『飛ぶ孔雀』の前半部は自身初めての文芸誌掲載でした。 私は40年ぐらい前に(執筆を)スタートした人間で、途中で育児休暇みたいなブランクが長かったりするんですけれども、とにかく40年前に世に出た時といまとは、まったく状況が違っていたんですよね。たまたまご縁があってSFの場所から出たのですけれど、ほぼ最初に書いた「夢の棲む街」がSF専門誌

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  • 書評・書評委員別|BOOK asahi.com:朝日新聞社の書評サイト

  • 書評・最新書評 : 細野晴臣 書評委員が選ぶ「今年の3点」 - 細野晴臣(音楽家) | BOOK.asahi.com:朝日新聞社の書評サイト

    (1)ザップル・レコード興亡記 伝説のビートルズ・レーベルの真実(バリー・マイルズ著、野間けい子訳、河出書房新社・3132円) (2)NHK ニッポン戦後サブカルチャー史 深掘り進化論(宮沢章夫ほか著、NHK出版・1944円) (3)エッジイな男 ムッシュかまやつ(サエキけんぞう・中村俊夫著、リットーミュージック・1944円) ◇ 今年も僕の書評音楽にかかわるになったが、どれも時の流れに埋もれがちなポップ・ミュージックを再確認し、記憶にとどめようとする手助けになる記録だったともいえる。 (1)はロック・ミュージックの可能性を実現してみせたビートルズの知られざる側面、実験音楽の大衆化についての詳細な記録。ただ、既にビートルズでさえ知らない世代が音楽をやっている時代になり、今後このような記録が求められるかどうかは定かでない。 同じく(2)で検証されたポップスにおけるリズムの変遷というテーマ

    書評・最新書評 : 細野晴臣 書評委員が選ぶ「今年の3点」 - 細野晴臣(音楽家) | BOOK.asahi.com:朝日新聞社の書評サイト
  • コラム別に読む : 消滅世界 [著]村田沙耶香 - 千葉雅也(哲学者) | BOOK.asahi.com:朝日新聞社の書評サイト

    ■苦と快、セックスの「不合理」 舞台は、架空の現代日。そこでは、人工授精が通常の生殖方法となり、セックスをして子を産むことは昔の野蛮な習俗だとされている。夫婦間のセックスは「近親相姦(そうかん)」として禁じられ、夫婦外に恋人をもつことが普通だ。だがその恋人ともセックスをする者は稀(まれ)である。主人公の女性はセックスで産まれ、それを母に語り聞かされたことを重荷にしている。そんな設定での日常の心の動きが、静かな筆致で描かれていく。終盤の大胆な展開は伏せておこう。 性愛・生殖を扱うSFとしての出来は措(お)き、評者は、この「異様」な世界のごく自然な描写が、現代日の不安を表しているのではないかと興味深く思う。それは、「苦」と「快」との不合理な結びつきをめぐる不安である。 書はセックスなしで済む世界を描くことで、我々が今セックスに何を求めているのかを逆に考えさせる。 セクシュアリティの理論家

    コラム別に読む : 消滅世界 [著]村田沙耶香 - 千葉雅也(哲学者) | BOOK.asahi.com:朝日新聞社の書評サイト
  • 「兵士とセックス―第二次世界大戦下のフランスで米兵は何をしたのか?」書評 戦争が誘発する性暴力とは|好書好日

    兵士とセックス 第二次世界大戦下のフランスで米兵は何をしたのか? 著者:メアリー・ルイーズ・ロバーツ 出版社:明石書店 ジャンル:社会・時事・政治・行政 兵士とセックス―第二次世界大戦下のフランスで米兵は何をしたのか? [著]メアリー・ルイーズ・ロバーツ 1944年夏、フランスのノルマンディー。ここで米軍が行った上陸作戦は、しばしば軍事的側面からのみ取り上げられる。その後のフランスで、米兵がどのような生活を営んでいたのかについては、ほとんど焦点があたらない。書は、性という観点から、第二次大戦下の米仏関係を読み解く一冊。三部構成で、一部では「恋愛」を、二部では「売買春」を、三部では「レイプ」を取り扱っている。 ノルマンディー作戦は、ナチスからフランスの女の子たちを救い出し、キスの嵐で迎えられるといったジェンダー表現でたびたび受容された。この物語はフランスに対する支配意識とも結びつき、兵士た

    「兵士とセックス―第二次世界大戦下のフランスで米兵は何をしたのか?」書評 戦争が誘発する性暴力とは|好書好日