銀行持ち株会社ニューヨーク・コミュニティ・バンコープ(NYCB)は31日、株価が記録的な下落となった。2023年に起きた地銀危機の勝ち組と目されていたNYCBは、同年10-12月(第4四半期)決算が予想外の赤字となり、配当を引き下げた。商業不動産が次の波乱要因となる可能性を示す前兆だとして、投資家の懸念が広がっている。 23年に破綻した米地銀シグネチャー・バンクから一部を取得したNYCBは、貸し出しリスクに対応するためにキャッシュを積み上げた。問題債権には2件のコープ式物件とオフィス物件向けが含まれる。またシグネチャーの部分買収による規模拡大に伴い、当局の規制が強化されたことも影響した。NYCBの貸倒引当金は5億5200万ドル(約810億円)に急増し、アナリストや株主に衝撃を与えた。 パイパー・サンドラーのアナリスト、マーク・フィッツギボン氏は「行ったことはすべて理にかなっており、長期的に