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ブックマーク / www.newsweekjapan.jp (791)

  • ホロコーストと性を結びつけ、ドイツを揺るがす『ブルーム・オブ・イエスタディ』

    『ブルーム・オブ・イエスタディ』(C)2016 Dor Film-West Produktionsgesellschaft mbH / FOUR MINUTES Filmproduktion GmbH / Dor Filmproduktion GmbH <ホロコーストの加害者と犠牲者の孫である男女恋愛が、コメディタッチで描かれながら、ドイツの戦後やナチズムの記憶について考えるヒントが埋め込まれている> かつて『4分間のピアニスト』(06)が日でもヒットしたドイツのクリス・クラウス監督の新作『ブルーム・オブ・イエスタディ』では、ナチズムの記憶がこれまでにないアプローチで掘り下げられる。 この映画には、立場は正反対でありながら、同じように家族の過去を通してナチズムの記憶に深くとらわれた男女が登場する。ホロコースト研究所に勤めるトトは、ナチス親衛隊の大佐だった祖父を告発した著書によって研究者

    ホロコーストと性を結びつけ、ドイツを揺るがす『ブルーム・オブ・イエスタディ』
  • ドイツ総選挙 極右政党「ドイツのための選択肢」94議席の衝撃 問われる欧州の結束

    [ベルリン発]ドイツのアンゲラ・メルケル首相が4選を決めた9月24日の連邦議会(下院)選挙で、反イスラム・難民、反ユーロ(欧州単一通貨)を叫ぶ極右政党「ドイツのための選択肢」の得票率は12.6%に達し、94議席を獲得する予想外の展開となった。 極右勢力の台頭 ナチスのホロコースト(ユダヤ人大虐殺)のトラウマが残るドイツで右派が連邦議会に進出するのは初めて。その数の多さに衝撃を覚えない人はいないだろう。 選挙から一夜明けた記者会見で複雑な表情のメルケル Masato Kimura 前回2013年と比較してみると、極右の「選択肢」と、市場原理にこだわる自由民主党(FDP)が拡大した分、メルケルの支持母体であるキリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)と社会民主党(SPD)の中道が勢力を失ったことが分かる。 100万人を超える難民が欧州連合(EU)域内になだれ込んだ2015年の欧州難民危機で「門

    ドイツ総選挙 極右政党「ドイツのための選択肢」94議席の衝撃 問われる欧州の結束
  • 「核保有国」北朝鮮と世界は共存できるのか

    北朝鮮が核搭載のICBMを完成させるのはもはや時間の問題。目の前の現実に対応した長期戦略が必要だ> ICBM(大陸間弾道ミサイル)の完成に向けた発射実験、水爆との見方もある核爆発実験と、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長は核兵器開発を急ピッチで進めている。米戦略軍のジョン・ハイテン司令官は、核弾頭を運搬可能なICBMを手にするのは「時間の問題」だと指摘した。 では、世界は核兵器を保有する北朝鮮と共存できるのか。少なくとも戦略核兵器のレベルでは、当面はイエスだ。 アメリカの核抑止力は今も強力だ。ロシア中国は数十年前からアメリカへの核攻撃能力を備えているが、核抑止のメカニズムは正常に機能してきた。ここに北朝鮮の核兵器が加わったとしても、この構図が大きく変わるとは考えにくい。 ただし、朝鮮半島における通常兵器レベルの紛争の可能性については別問題だ。朝鮮戦争の休戦から64年間、アメリ

    「核保有国」北朝鮮と世界は共存できるのか
  • 北朝鮮、太平洋での水爆実験あり得るか? 専門家は「大災害」を指摘

    9月22日、北朝鮮外相が太平洋での水爆実験の可能性に言及したことについて兵器専門家は、理屈の上ではあり得るが、極めて挑発的な行動である上、大きなリスクを伴うとの見方を示した。写真は、中距離弾道ミサイル「火星12」の発射を見守る金正恩朝鮮労働党委員長。KCNAが16日提供(2017年 ロイター) 北朝鮮の李容浩(リ・ヨンホ)外相が太平洋での水爆実験の可能性に言及したことについて兵器専門家は22日、核弾頭を搭載したミサイルを太平洋上で爆発させる実験は水爆開発の成功を誇示するための最終手段として理屈の上ではあり得るが、極めて挑発的な行動である上、大きなリスクを伴うとの見方を示した。 李外相は、トランプ米大統領が北朝鮮を「完全に破壊する」と警告したことを受けて、金正恩朝鮮労働党委員長は太平洋でかつてない規模の水爆実験を検討していると述べた。 韓国国防安全保障フォーラムの上席研究員のヤン・ウク氏は李

    北朝鮮、太平洋での水爆実験あり得るか? 専門家は「大災害」を指摘
  • 今こそ、シリアの人々の惨状を黙殺することは人道に対する最大の冒涜である

    <シリア内戦を終息させようとしている今、シリアの人々の惨状を黙殺し続けることは、欧米諸国のシリア内戦への干渉政策の根拠だったはずの人道に対する最大の冒涜である> 国際紛争としてのシリア内戦は終わった――5月以降のロシア、トルコ、イラン、米国による一連の「取引」によってもたらされたシリア情勢の変化には、この奇妙な言い回しがもっともふさわしい。 シリア政府への実質的屈服を意味する合意 取引は、アスタナ・プロセスと呼ばれる停戦協議と、イスラーム国に対する「テロとの戦い」という二つの枠組みのなかで繰り返された。 アスタナ・プロセスは、欧米諸国、サウジアラビア、カタールとともにアル=カーイダ系組織を含む反体制派に梃子入れしてきたトルコが、シリア政府を支援するロシアとイランに歩み寄ることでかたちを得た。 シリア軍によるアレッポ市東部完全制圧(2016年12月)を受け、この3カ国は2017年1月にカザフ

    今こそ、シリアの人々の惨状を黙殺することは人道に対する最大の冒涜である
  • 自転車に乗れる自由を求めてサウジで奮闘する女性 | ワールド | 最新記事 | ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト

    <女性のさまざまな活動が制限されているサウジアラビアで、自由に自転車に乗れる権利を手に入れるべく、奮闘している女性がいる> 自由に自転車に乗れないサウジの女性たち 「ママチャリ」という言葉があるほど、日では自転車と女性は切っても切れない関係だ。しかし世の中には、女性が自由に自転車に乗ることが許されない国もある。 イスラム教の戒律が厳しいサウジアラビアでは、女性はさまざまな活動が制限されている。海外へ行くには男性の後見人(父親、夫、息子など)の許可が必要で、就職や就学にも、後見人の許可が求められることが多いという。また自動車は、許可の有無以前に、女性は一切運転できない。 2013年、女性が公の場で自転車やオートバイに乗ることが許されるようになった、とアルジャジーラは伝えていた。ただし、公園や娯楽施設内などに限られ、男性の後見人が立ち会う必要がある。また、頭の先からつま先まで覆う「アバヤ」と

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  • 【調査報道】日本外交、3000億ドルのシリア復興特需に屈す | ワールド | 最新記事 | ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト

    <アサド政権の勝機を見越して、インフラ再建の商機が高まるシリア。市場をにらむ日企業、期待を膨らませる永田町、忖度する霞が関――取材で見えてきたのは、復興特需に翻弄される価値観なき日外交の姿だった。ニューズウィーク日版「対中国の『切り札』 インドの虚像」特集号(2017年9月26日号)掲載> シリア内戦が始まって6年半。ロシアやイランの軍事介入でバシャル・アサド大統領が勢力を回復し、停戦の主導権を握りつつある。 停戦機運が高まるにつれて、ビジネスでは復興特需の争奪戦が始まっている。アサドが支配するシリア南部や西部には、紛争を逃れたビジネスマンやカネ、工場が集結。こうして活発化する経済を支えるべく、インフラ整備が急速に進んでいる。 内戦で壊滅したインフラを再建するには外資が欠かせない。現状では親アサドのロシアとイラン、中国がリードし、インドとブラジルがその後をうかがっている。だがそうした

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  • 北朝鮮に「丸腰」気づき始めた欧州 ミサイル防衛に課題も

    9月12日、北朝鮮の長距離弾道ミサイル開発問題では、早ければ来年にもベルリンやパリ、ロンドンといった欧州の主要都市が射程内に入る可能性が指摘されている。だが、現行の欧州ミサイル防衛システムでは迎撃できないと、外交筋や専門家は警告している。写真は欧州ミサイル防衛の一環として昨年運用開始されたルーマニアのイージス・アショアの施設。昨年5月撮影(2017年 ロイター/Inquam Photos) 北朝鮮の長距離弾道ミサイル開発問題では、早ければ来年にもベルリンやパリ、ロンドンといった欧州の主要都市が射程内に入る可能性が指摘されている。だが、現行の欧州ミサイル防衛システムでは迎撃できないと、外交筋や専門家は警告している。 米政府は、構想から10年以上が経過する欧州ミサイル防衛について、欧州を「ならず者国家」から守るために必要だと繰り返し説明してきた。米当局者がこの言葉を使う際、それらは北朝鮮やイラ

    北朝鮮に「丸腰」気づき始めた欧州 ミサイル防衛に課題も
  • ロヒンギャ迫害にイスラム教のチェチェンが抗議

    <ミャンマーの少数民族ロヒンギャの迫害に、同じイスラム系のチェチェン首長が怒りを表明。しかしロシアはミャンマーとの関係が深いために頼りにはならない> 世界で今、最も迫害されているといわれるミャンマー(ビルマ)のイスラム系少数民族ロヒンギャ。彼らへの連帯を示す動きが思わぬ所で広がっている。 ロシア南部チェチェン共和国のカディロフ首長は、「イスラム教徒へのジェノサイド(大量虐殺)」を非難しないようなロシア政府には従わないとYouTubeで表明。首都グロズヌイでは、ロヒンギャへの暴力行為が増加していることに抗議する集会に多数の住民が参加した。 ミャンマーから隣国バングラデシュに逃れたロヒンギャ難民は、8月下旬以降で9万人近くに及ぶ。彼らの多くが、ミャンマー軍によるレイプや殺人、放火が横行していると訴えている。 ロシアのプーチン大統領の「歩兵」で、「アラーのしもべ」と自称するカディロフは、「ロシア

    ロヒンギャ迫害にイスラム教のチェチェンが抗議
  • ロヒンギャ武装勢力、活発化で穏健派殺害も ミャンマー人道問題の闇

    9月7日、イスラム系少数民族ロヒンギャ武装勢力の暴動を受けたミャンマー治安部隊による過酷な弾圧によって、多数の若者が武装勢力の支持に回っている実態が浮き彫りに。写真はボートで隣国バングラデシュに逃れたロヒンギャ難民。10日撮影(2017年 ロイター/Danish Siddiqui) ミャンマー北西部の紛争について約1年に及ぶ調査を終えたアナン前国連事務総長は先月24日、イスラム系少数民族ロヒンギャ武装勢力の暴動に対する同国治安部隊による過剰な軍事報復は、両者の対立をいっそう悪化させるだけだと警告した。 この警告のわずか3時間後、同日午後8時過ぎに、ロヒンギャ反体制勢力の指導者アタ・ウラー氏は、支持者に対し、武器として使える金属製品をもって、人里離れたマユ山の麓に向かうよう促した。 夜半過ぎ、寄せ集めのロヒンギャ武装勢力が、国内最大都市ヤンゴンから600キロ北西の地域で、ナイフやこん棒、小火

    ロヒンギャ武装勢力、活発化で穏健派殺害も ミャンマー人道問題の闇
  • アルカイダがミャンマーに聖戦を宣言----ロヒンギャ迫害の報復で

    アルカイダの元指導者ウサマ・ビンラディン(右)殺害に抗議するパキスタンのイスラム主義者たち(2011年) Naseer Ahmed-REUTERS <ISISの台頭で一時目立たなくなっていた9.11の首謀者アルカイダが動き出した。まずはイスラム教徒の少数民族ロヒンギャを迫害するミャンマーを攻撃して勢力拡大を狙う> ミャンマー軍がイスラム系少数民族ロヒンギャの武装勢力に対し大規模な報復攻撃を行い、混乱が広がるなか、9.11米同時多発テロで悪名を馳せた国際テロ組織アルカイダが、不穏な動きをみせている。イスラム教徒のロヒンギャを迫害したミャンマー政府は当然の報いを受けることになると、警告を発した。ロヒンギャ危機を口実に攻撃を仕掛け、勢力範囲を拡大しようというのだ。 「ムスリムの同胞に対する残虐な処遇を......懲罰なしに看過するわけにはいかない。ミャンマー政府はムスリム同胞が味わった苦痛を味わ

    アルカイダがミャンマーに聖戦を宣言----ロヒンギャ迫害の報復で
  • 特集:トランプvs金正恩 「反撃」のシナリオ

    Cover Story ますます高まる「核保有国」としての北朝鮮の脅威── トランプは武力行使という最終手段に踏み切るのか 核開発 核保有国・北朝鮮と対峙する日 ■データ 拡大し威力を増す北朝鮮の核開発 抑止力 冷戦の「抑止の歴史」に学べ 視点 「炎と怒り」発言のトランプに打つ手はない? シナリオ 米韓北の全面戦争、恐怖の筋書き 【PERISCOPE】 InternationaList ISRAEL ISIS後の火種、イスラエル対レバノン UNITED STATES トランプに「隠れ中道派」疑惑 TURKEY シリアをめぐる「新三国同盟」の思惑は SPAIN カタルーニャ独立住民投票の攻防戦 CHINA 中国の新教科書は学校を愛国で染める GERMANY ドイツ選挙にハッカー攻撃? CHECHNYA ロヒンギャ迫害にチェチェンが抗議 TIBET ダライ・ラマ後継者は世界で探せ UNITED

    特集:トランプvs金正恩 「反撃」のシナリオ
  • 【戦争シナリオ】北朝鮮はどうやって先制攻撃してくるか

    Clockwise from Top Right: Roderick Eubanks-U.S. Navy-Reuters, Kim Hon-Ji-Reuters(2), Kamaile Casillas-Pacific Air Forces-Dvids-Reuters <ニューズウィーク日版9月12日発売号(2017年9月19日号)は「トランプvs金正恩 『反撃』のシナリオ」特集。エスカレートする「核保有国・北朝鮮」の挑発に、制裁しか選択肢はないのか、武力行使の可能性はあるのか。この緊急特集から、日の一部メディアでも報じられたチェタン・ペダーダ元在韓米軍情報将校による寄稿を抜粋・転載する> 米韓合同軍の秘密地下司令部「タンゴ」では極限の緊張状態が続いていた。全員が自らの任務に追われている。 北朝鮮軍が韓国の首都ソウルとその周辺に砲弾の雨を降らせ、韓国アメリカの民間人にも軍人にも既に多

    【戦争シナリオ】北朝鮮はどうやって先制攻撃してくるか
  • ロヒンギャ難民30万人に 国連が緊急支援要請、停戦でも不透明

    9月10日、ミャンマー西部ラカイン州で先月発生したイスラム教徒少数民族ロヒンギャの武装勢力と治安部隊との衝突を受けてバングラデシュに避難したロヒンギャ難民が30万人に迫っており、国連は人道危機対処への緊急支援を呼び掛けている。ボートで国境を越えバングラデシュに着いたロヒンギャ難民(2017年 ロイター/Danish Siddiqui) ミャンマー西部ラカイン州で先月発生したイスラム教徒少数民族ロヒンギャの武装勢力と治安部隊との衝突を受けてバングラデシュに避難したロヒンギャ難民が30万人に迫っており、国連は人道危機対処への緊急支援を呼び掛けている。 バングラデシュの国連常駐調整官ロバート・ワトキンス氏は「家を追われ何も持たずにバングラデシュにたどり着いた人々に緊急支援を提供するために必要な資金がコックスバザールで活動する機関にとって不可欠だ」と指摘。 同氏が9日に出した声明によると、支援機関

    ロヒンギャ難民30万人に 国連が緊急支援要請、停戦でも不透明
  • 戦争映画の概念を変えた『ダンケルク』

    仲間の兵士たちが死に、たった1人海岸にたどり着いたトミーは救援船にいち早く乗り込もうとする ©2017 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. ALL RIGHTS RESERVED <ナチスに包囲された兵士40万人を救った「奇跡の撤退」を緊張感あふれる映像で描く> クリストファー・ノーラン監督の『ダンケルク』は反戦映画か? 答えは明らかにノーだ。 第二次大戦中、ドイツ軍の電撃作戦でフランス北部ダンケルクの海岸に追い詰められた連合軍兵士40万人。彼らを救出する大規模な撤退作戦を描いたこの映画は、イギリス軍の英断とヒロイズムへの賛歌とも言うべき作品だ。 反戦映画ではないが、戦争映画の「お約束」を覆した映画ではある。『ダンケルク』の前と後とでは、ハリウッドの戦争映画の概念が変わる。そんな予感すら抱かせる。 「戦争を描く映画はいや応なしに戦争を賛美する映画になる」と言った

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  • 朝鮮半島の混乱に備えて「5カ国協議」体制を

    <仮に北朝鮮の現体制が崩壊した場合に備えて、アメリカ、日韓国中国ロシアの「5カ国」が協議する体制が必要ではないか> 今年3月にこのコラム欄で、朝鮮半島情勢が緊迫するなかでは、中長期的に日が警戒しなければならないのは、統一後の朝鮮半島に日を「仮想敵国」とみなす国家が成立することだ、という議論をしました。 残念ながら、今日即座に韓国北朝鮮を「吸収合併」した場合には、1990年のドイツの事例のように、通貨の等価交換、社会保険の未払い分負担といった「南北住民を平等に処遇する」施策を成功させる経済力は韓国にはありません。ですから、社会の混乱を避けるためには「反日」カードが切られる危険性を想定しなくてならないという主旨です。 対策として3月の時点では、北朝鮮という国を何とか「緩衝国家として残す」こと、不必要なアメリカ側から北朝鮮への挑発を止めさせることなどを提案したのですが、その後、情勢

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  • ISISが食品への毒物混入テロを指示

    <銃撃やトラック暴走などショッキングなテロを呼びかけてきたISISが、新たに隠れたテロ手法を指示した> テロ組織ISIS(自称イスラム国)とそれに感化されたジハーディスト(聖戦主義者)たちは、これまで欧米に対する攻撃の手法として「衝撃と畏怖」を用いてきた。ナイフやライフル、またはトラックを武器として使うショッキングな攻撃だ。 しかし今、彼らは毒物という隠れた武器を使うよう指示している。標的は、欧米の料品店だ。 アメリカに拠点を置くテロ活動の監視機関「SITEインテリジェンス」の報告書によると、「欧米での一匹狼(ローンウルフ)型のテロを呼び掛ける英文メッセージの中で、店頭で販売されている品に青酸化合物を注入するようアドバイスしている」という。 暗号メッセージアプリ「テレグラム」は、ツイッターなど他のアプリに比べて機密性が高く投稿が削除されにくいため、テロリストの通信手段としてよく使われて

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  • 北朝鮮、現在所有するミサイルで米本土を壊滅的打撃 EMP攻撃を検討

    <3日午後に6度目の核実験を行った北朝鮮アメリカ土を射程に入れる核ミサイルの開発を格化させるなか、北朝鮮の労働新聞は核実験の成果を報じる記事でEMP攻撃が可能だと言及した。米国が恐れるEMP攻撃とは──> 北朝鮮が3日午後、「水爆実験」に成功したと報じた朝鮮労働党の機関紙・労働新聞のニュースは次のようなことも触れていた。 「核兵器の威力を攻撃対象によって数十〜数百キロトン級に至るまで任意に調整できる我々の水素爆弾は巨大な殺傷破壊力を発揮するだけでなく、戦略的目的によって高空で爆発させ、広範囲の地域について強力なEMP攻撃まで加えることのできる多機能化された核兵器だ」 さらに北朝鮮は、4日の労働新聞でもEMP攻撃について取り上げた。北朝鮮の理工系でもっとも優れた大学といわれる金策工業総合大学のキム・ソンウォン学部長による「核兵器のEMP威力」と題した解説記事を掲載。2日続けて取り上げた

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  • 津波で沈んだ古代ローマの都市を発見

    チュニジアに残るローマ帝国時代の遺跡、エル・ジェム円形劇場 Dmitry Chulov-iStock. <かつて交易で栄えたネアポリスが、1600年前に津波に襲われ水没した、という説は正しかったようだ> 北アフリカのチュニジア北東部沖の海底で、巨大な都市遺跡が見つかった。古の昔にここに建っていた古代ローマの都市、ネアポリスだ。ネアポリスの一部が1600年前に津波で破壊され、水没したという説の正しさを裏付ける発見だ。8月31日に、何年もネアポリスを探し続けてきた考古学者チームが発表した。 海底で見つかった遺跡から、ネアポリスには街道や建造物が網の目のように張り巡らされていて、北アフリカでも重要な交易拠点だったことがわかる。 【参考記事】古代エジプト王は最古の巨人症!? 異常な高身長ミイラは187cm ネアポリスの一部を水没させた4世紀の津波に関しては、詳しい記録が残っている。津波は365年7

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  • 中国が切った「中朝軍事同盟カード」を読み切れなかった日米の失敗

    日米2プラス2会合 北朝鮮問題などを協議(8月17日、ワシントン) Jonathan Ernst-REUTERS 北朝鮮が核実験を強行した。習近平は再び顔に泥を塗られた。それ以上に重要なのは、中国が切った「中朝軍事同盟」カードの重要性を、日米が読み切れなかったことだ。最後のチャンスを逃してしまった事実は大きい。 習近平は再び顔に泥 5月14日付けのコラム「習近平の顔に泥!――北朝鮮ミサイル、どの国への挑戦なのか?」に書いたように、中国が建国以来最大のイベントと位置付けていた一帯一路(陸と海の新シルクロード)国際サミット初日の朝、北朝鮮は弾道ミサイルを発射して習近平国家主席の顔に泥を塗った。世界を中国に惹きつけるための晴れの舞台で開会の挨拶をする直前だった。 今回もまた、9月3日から習近平の政治業績地の一つ、福建省のアモイでBRICS(新興5ヵ国)会議を開催する、まさにそのタイミングに合わせ

    中国が切った「中朝軍事同盟カード」を読み切れなかった日米の失敗