東京の1マイル(地元)と100マイル(郊外)のとっておき(かつ、ざっくばらん)な情報を集め、ゲストに提供するというユニークなサービスに注目 建築家の槇文彦は、日本人がもつ特徴的な精神性のひとつとして「奥」という概念があると述べている。西欧の都市が、危険や混沌から断絶された秩序ある空間を指向し、その中心に塔や大聖堂といった天へと向かう垂直性を埋め込んだのに対し、日本の場合は山裾に沿って集落や耕地が生まれ、直角の位置にあたる山中に神社を配することで、「見えない位置に重要なものを置く」という空間性と精神性が育まれたのだという。昔から高密度な社会を形成していた日本人にとって、空間とは有限でこまやかなものであり、奥という概念を設置することによって、狭小の空間を深化させることを可能にしたのである。海外の人たちにしてみれば、こうした「奥性」は日本の魅力であると同時に、