「我らにおいては4歳児でも、まだ自分の手では食べることができないが、日本の子供は3歳で箸を使って食べている」 宣教師 ルイス・フロイス(1532−1596)の記述 飲食店などに入って気づくのは、以前はほとんどのところで出されていた割り箸が、ここ数年前から洗って使いまわしが出来るタイプの箸に替わって出てきたり、また箸を持参した人には食事代のサービスが受けられる店もあるなど、箸にもまたエコや安全性を考えた取り組みがされてきていることです。わたしたちにはなくてはならない食器のひとつ箸。箸は古来より、片方の端は神様のもの、またもう片方の端は人のものとされ、人と神さまを結ぶ縁起物とされてきました。 長野県内において箸の生産が盛んなのは、県南西部の木曽地方。ここは93%もの面積が森林で占められている緑豊かな地域です。木地師(きじし)と呼ばれる職人さんが、箸はもちろんのこと家具、樽や風呂桶、お盆に椀、面