’82年に52歳の若さで亡くなったコメディアン、三波伸介。その通夜の席での勝新太郎の振る舞いを小松氏はこう述懐する。 「弔問のお客さんもそろそろはけて、明日も早いからアタシもここらへんで……みたいなときに。家の前にピッカピカのジャガーがやってきた。それがキッと停まって、ヌッと降りてくる男の影。モーゼの十戒みたいにさ、男が歩き出すと海が割れるみたいに人並みが分かれる。『遅くなりました……勝です』。 勝新太郎さんですよ。映画のワンシーンみたいにね、絶妙の間をとってねぇ……絵になるんだ。スターって独特のオーラがあるんだよね。それまでお開きムードだったお通夜の雰囲気がガラッと変わった。場を全部持っていっちゃう、すでに男と男の一生の別れのシーンですよ。伊東四朗さんが着せた黒の紋付き袴姿の三波伸介さんの亡きがらに、勝さんがそっと近づく。『伸介ちゃん、寝てんだろ? 起きろよ……い・そ・ぐ・なよ』。 伊東
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